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新しい世界への生まれ変わり(2)

ロスト学園生活、始まりました。


今、俺はロスト学園の生徒。普通の学生として授業を受ける日々を送っている。


「え?いきなり入学?試験や魔力検査のクリスタルは?」


――って思ったか?でも、そんなの無い。この学園、入学がめちゃくちゃ簡単なんだよ。


名前、称号、出身家を書くだけ。それで申請完了。身体検査も無ければ、特別なドラマも無い。ただの手続き。それだけ。


ま、いちおう「入学式」っていう儀式はあった。教師陣の紹介、カリキュラムの説明、学園のルール――まあ、想像通りの退屈な内容だったけどな。


で、今日で入学から四日目。


今のところ?正直、つまらない。よくある異世界モノみたいな展開は皆無。嫌な先輩もいないし、急な決闘イベントもない。


でもその理由はちゃんとしてる。この学園、セキュリティがガチで厳重なんだ。決闘なんかしたけりゃ、学園長と数名の教師の許可が必要。面倒だろ?


だからせいぜい目で殺し合うくらい。平和でいいけど、物足りないのは事実。


いじめ?恐喝?そんなもん一切無い。さすがは大陸最高の学園。規律と統制が行き届いてる。


とはいえ、授業は授業。数学は「魔力計算学」に、社会科は「魔術史」になっただけで、結局は勉強。俺はこういうの苦手なんだよなぁ。



---


三ヶ月後。


学園に入って、今日でちょうど三ヶ月。


この学園、意外と悪くない。いじめゼロ、素晴らしい環境。教育システムも独特で、貢献クレジットさえ足りていれば、半年で卒業も可能らしい。


でも、その分シビアだ。クレジットは「自力での貢献」と「素行」でしか得られない。協力プレイ不可。


しかも、ポイントがマイナスになると……最悪、投獄か追放。冗談じゃない。


現在の俺のクレジットは50万ポイント。卒業に必要なのは1000万ポイント。


果てしねぇ。


だから今は、とにかく「良い子」路線でイメージアップに専念している。前世と同じく、表向きはね。


三ヶ月も経てば、学園中で俺の名もそれなりに知られるようになった。交友関係も順調。皇帝の子、隣国の侯爵家の娘、軍司令官の息子……果ては「聖女」まで。


そう、「聖女」。女神ギセラに直接仕える存在だとか。信じがたいけど、まぁ現実にいるらしい。


幸い、俺が転生者だとはバレてない。助かった。


さて、今後の計画はシンプルだ。


「クレジットを稼いで、良い子のフリを続ける」――それだけ。


邪魔が入らなければいいんだが。


でも学園生活ってのは、やっぱり「学ぶこと」が基本だ。


ノートを取って、計算して、調べて……うんざりする。正直、前世でも赤点だらけだったし。


世界が変わっても、勉強のつまらなさは変わらない。


まぁ、それでもここの授業は少ない方だ。座学より、実地演習が中心だからな。


――そこだけは、ありがたい。



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