新しい世界への生まれ変わり(1)
目を覚ましたとき、最初に見えたのは、豪華な天井――そして自分の小さな手だった。
うん、予想通り…転生したらしい。そして今回は、赤ん坊として生まれ変わった。
ちょっと変な感じだけど、正直、これ…めっちゃクールじゃね?
今の俺は、とある大国の公爵家――アルン家の息子。
この一族は剣士、魔術師、軍人…すべての分野で天才を輩出することで有名だ。
軍事的な影響力は、大陸全土にまで及ぶとか。ヤバすぎ。
当主の名前はアルフレッド・ヒッチコック・アルン。
威厳があって、賢くて…そして、嫁がめっちゃ多い。
俺はその20番目の子供、側室の一人から生まれた。
……いや、個人的にはハーレムとかあんまり好きじゃないんだけど、
まぁ…こっちの世界じゃ普通らしいし?文化の違いってことで我慢するわ。
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15年後
時間が経つのは早いもんで、俺はもう15歳になった。
自分で言うのもなんだけど――誕生日おめでとう、俺。
この15年間、ずっと裏でこっそり修行してきた。
剣術、魔術、戦略――全部独学。
目的?もちろん、自分の実力を隠すため。
でも時々考えちゃうんだよな…弱そうに見えたら、この家で生きていけるのかって。
そして明日はいよいよ…
国の祝福の日
15歳になった者は、その力を神に試される。
数値が540を超えたら、伝説の存在。
でも10未満だったら…追放されるか、最悪、処刑。
残酷? だよな。でも――これがこの世界のルールだ。
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次の日
俺の番が来た。祝福の儀式。
俺は力を300に調整してた。
「そこそこ強いけど目立たない」ってくらいに。
でも…神官の顔が一瞬で青ざめた。
「神の力を受け継いでいる」って――は?何それ。
正直、焦った。まさか…俺の前世の記憶がバレた!?
…と思ったけど、違った。ただの勘違いだったらしい。
なんと、一般人の平均値は30~200。
うちの父、国一番の強者でも250らしい。
俺、ガチでリサーチ不足。やらかしたわ。クラシック俺。
まあ、結果的には大騒ぎになったけど、無事に終了。
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明日から、俺はこの大陸で一番の学び舎――
の生徒になる。
この世界じゃ、祝福を受けた者は、身分問わず全員そこに通う義務がある。
王族だろうが平民だろうが、関係ない。
建前では、差別もイジメもない…らしいけど。
…んなわけあるか。
完璧な場所なんて存在しない。
どんなところにも、腐った部分はある。俺はそう信じてる。
でもな――
今回は俺の人生、俺が好きに生きる。
もう二度と、無駄にしたくないんだ。