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アーティファクトを求める旅

朝の空気は清々しくて、まるで世界が僕を歓迎してくれているようだった。

たぶん、明日の旅のために準備をする日だからだろう。


エリクサーや魔法のスクロール、MP回復アイテムなど、大事なものは全部持っていく。万が一に備えて、お守りも用意してある。これは本当に役に立つんだ。


「僕の荷物はもう全部揃ったよ。ジュリエットは何を持ってきたの?」


「けっこういろいろよ。食べ物に、魔法バッグ、お金も持ってるし、他にも少し。でも、さすがに一ヶ月分には足りないわね。途中のマーケットで補充すれば大丈夫でしょ。」


僕たちは出発する準備がすっかり整っていた。

二週間分の荷物で十分なはずだ。



---


準備が完了した僕たちは、ジュリエットの屋敷を後にした。


「ねえジュリエット、本当にいいの?自分の豪華な生活を捨ててまで、僕に付き合うなんて。」


「もちろん行くわよ。これには私なりの理由があるの。」


「でも、帝国に襲われたり殺されたりしたらどうするの?君は重要な人物なんだから……」


「私のことは心配しないで。むしろ、自分の心配をしたら?ゴブリンに噛み殺されるかもしれないわよ?」


彼女の笑い声が響き、緊張していた空気が一気に和らいだ。

僕はただ願うしかなかった。彼女にも、僕自身にも、これから問題が起きないことを。



---


一週間が過ぎた。


今、僕たちはヴァルザルドという街に滞在している。ここは帝国でも最大級のダンジョン都市だ。


目的は二つ。物資の補充と、ダンジョンでのスキル磨き。結果は――上々だ。


「見てよ、レベルが24になったんだ。すごいだろ?」


ジュリエットはむすっとした表情で僕を見る。


「私は99よ。レベル、1しか上がらなかったわ。」


レベルが高くなると、経験値も微々たるものになるらしい。


一週間の修行を終え、僕たちは北へと向かった。目指すは“ショーンの洞窟”。



---


そして、ついに第36日目。


“ショーンの洞窟”に到着した僕たちは、迷うことなく中へと踏み込んだ。


「ねえジュリエット、いきなり突っ込んでみない?」


彼女は無言でうなずき、僕たちはすぐに行動を開始した。


……でも、何かがおかしい。

洞窟の中が、異様に静かだった。まるで長い間、誰も立ち入っていないような空気。


「レイ、これ変よ。敵が全然出てこない。気味が悪いわ。」


「本当だ。普通なら、ここにはモンスターや罠が山ほどあるはずなのに。」


警戒しながら奥へと進む。

そして、僕たちは――信じられないものを目にした。

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