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空翔ける天馬太って落ちた

プロローグ。達人盗人。


10/2/4 一部訂正と追加。本編に影響はありません。

 僕は天国へ登っている。

 ぼぅっとした意識が雲のようにたゆたい、お母さんに抱かれながら眠るように、或いは春の日差しが暖かく包み込んでくれるかのように。

 ふわり、ふわり。

 重い何かを脱ぎ捨てて、同時に大切にしてた悲しいことも投げ捨てて、僕は宙を舞う。

 元僕の塊から遠く。空から差し込む光の道に導かれて。

 早く進みたくて、サラサラとした何かを徐々に落として、少しの喪失感と、暖かな充足感。痛い棘を抜いて、暖かな水で満たして。そんな感じ。






 ふわり、ふわふわ。

 わからない。なにか、おっきなものから、ぬけて。

 きっと、おんなじものがあふれる、あったかいところ。

 ふわり、ふわふわ。

 あたたかなうみにはいって、ぼくがぼくのせんをけして。

 だんだんと、ほかのあたたかなものといっしょになっていく。

 ふわり、ふわふわ。






 あたたかなうみにまじって、ぼくからとけだすぼく。

 うみのはしから、さらさらとしたなにかが、だんだんきて、ぼくたちを呑み込んで、


 いたいいたいいたいいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!


 走る激痛、衝撃。熱した針で毛穴を余す事なく刺される、だなんて表現が甘くなるほどの痛み! 苦しみ!

 殺されて、また生き返って、そして殺される。切り刻まれて切り刻まれて切り刻まれて、そして切り刻まれる。


 裂けて切られて叩かれて刺されて折られて抉られて削られて引き摺られて割られて砕かれて燃やされて。

 突かれて殴られて潰されて破裂されて撃たれて掴まれて破られて剥されて埋め込まれて引っこ抜かれて噛まれて千切られて捻られて掻き回されて引っ掛かれて溶かされて縫い付けられてすり下ろされて挿れられて――――!!






 気がついたら、真っ暗な闇の中にいた。

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