39.秋にもライブを見るために遠征します
遠征がしたい…
青春18きっぷ旅を経験して、すっかり遠征旅にハマってしまった俺。世間で言う夏休みシーズンも終わり、ふとした瞬間、色々トラブルもあったがトータルで考えると楽しかった遠征旅の思い出がよみがえる。とは言うものの、目的のライブも無く、金銭的な問題もあり、12月のワンマンライブまで大阪遠征は無しだろう。
そんな9月の遠征から数日経った頃、彼女のライブスケジュールが更新されていた。早速確認すると、ワンマンライブの予約開始と、10月の関西ライブの情報が更新されていた。
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関西ライブ
10月13日(金)、天王寺 First Planet 18:30Start
10月14日(土)、阿倍野 Loop Square フリーライブ 12:00Start 2ステージ
10月15日(日)、昼(詳細未定)
10月15日(日)、南森町 Live Bar Blue Pond 18:00Start
東京・大阪ワンマンライブ「Memories of the day」
11月16日(土)、東京渋谷 Seven Knot ワンマンライブ 18:00Start
※9月21日(土) 10:00 予約受付開始
12月14日(土)、大阪梅田 エッジライン ワンマンライブ 18:00Start
※10月21日(土) 10:00 予約受付開始
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俺の中では10月の遠征は無し、まずは東京ワンマンライブの予約に集中だ。予約方法はいつものメール送信、最近は彼女のファンもかなり増えてきたから早めに予約しないと前方で見られない可能性が高い。忘れないようにしなければ。
時は過ぎて9月21日、東京ワンマンライブの予約開始日だ。9時55分、メールに必要事項を書いてスタンバイ完了。あとは送信ボタンを押すだけだが、到着が10時を過ぎないと無効になってしまうから要注意だ。最近は予約システムもあるようだが、このアナログなのかデジタルなのかわからない予約方法が彼女らしいと言えば、そうかもしれない。
10時になったのを見計らってメールを送信。そして今日は午後からフリーライブ、恐らく彼女の周りは東京ワンマンライブの話題で持ちきりになるだろう。準備をして13時から始まるフリーライブ会場に向けて家を出ると、早速彼女のファン仲間から「予約メール送った」メッセージが届いた。
癒しの声が響く…
今日のフリーライブ、彼女は落ち着いた爽やかな曲を中心で癒されるセットリスト。この瞬間があるから1週間頑張れる。でも、実際には大垣のライブ以来だから2週間ぶりだが。そしてライブが終わると、ファン同志達との交流の場となる。やはり話題は東京ワンマンライブのことだ。
このライブに来ている同志達はみんな同じ事を考えているようで、10時ちょうどにメールを送ったと言ってる。順番はどうなるかわからないが、誰が一番早かったのか気になる所だ。そして俺にはもう1つ、10月の関西ライブのことも気になっていた。念のため情報を聞きに行こうと、彼女の物販列が落ち着いたのを見計らって向かうと。
「こんにちは」
「あ、しいさん、こんにちは」
「10月の関西ライブの話ですか?」
ちょっと…
まだ何も言ってないですけど。毎回思うが、彼女には俺の心の中を見透かされているというか。いや、単に遠征する人だと思われてるだけか。ま、このやり取りもおなじみになってきたんだが。
「えーと、遠征するかはわからないんですけど…」
「念のため10月の関西ライブについて聞いておこうかと思って」
「当初は10月のライブは予定してなかったんです」
「大阪ワンマンライブの打ち合わせついでにライブ誘われたのでスケジュール入れたんですけど」
「今まで何度も来ていただいているので、無理だけはしないで下さいね」
「だ、大丈夫です」
「聞きたいのは、未定のライブがあったと思うんですけど」
「それですね。フリーライブですけど出演時間次第で出演するか決めます」
「前にもこんな事ありましたね」
「わかりました」
「10月の遠征は頭の片隅に入れておきます」
「それと、東京ワンマンライブは予約しました」
「ありがとうございます」
「ワンマンライブ楽しみにしてて下さいね」
彼女の物販を離れると、同志達からも10月遠征の事を聞かれてしまう。
「まさか、10月も行くんですか?」
「いや、10月は今のところ行かない予定」
「何度も行くと、お金がなくなってしまうから」
「そうですよね。無理しない方が良いですよ」
「了解」
同志達からも無理しないように言われてしまったが、俺的にはそんな風に思ってない。トラブルとか辛い事もあるが、今までやったことが無かった遠征旅というものが合ってるんだろうか、すごく楽しい。本当にそんな感じなんだ。
今回のフリーライブでは、ちょっとした出来事があった。と、言うかフリーライブに通うようになってからは良くある事だが。
それは、最後に出演した横浜でかなり有名な2人組の演奏中のこと。有名と言ってもそこはインディーズミュージシャン、誰もが知るわけではない。彼らのライブを見ている最中、後ろを通る人達が「誰?」「知らないんだけど」「聞いてる時間無駄じゃね」などと言っている声が聞こえ、1曲も聞かずに立ち去って行く。
ま、その人達の個人的な感想は別として、俺も彼女と出会う前は似たようなものだった。それでも、この時間が無駄じゃないって気付く時が来るよ。約30分、この空間で音楽に浸れば人生だって変わる可能性がある。俺が言うんだから間違いない。何て、思ってみる。
本当に変わったんだよ…
1年前までは1曲も聞かず立ち去ったあの人達と同じだった俺が。
フリーライブから帰った俺は、ヤツに送ると言っていたメッセージを送り忘れている事に気付く。前回の遠征帰り、タイミング良くメッセージをくれた事と、一応お礼を添えてメッセージを送信。そんなヤツからメッセージが返ってきたのは翌日のこと。見ると冒頭から面倒くさい「一度サウナで話しないか?」だと、もちろん丁重にお断りだ。
青春18きっぷ旅3回中3回トラブるのは珍しいとか、余計なお世話だ。そんな事は置いといて、遠征する時は沿線の天気、夏は花火大会などの大きなイベントくらいは調べると便利。笠寺駅の臨時停車は近くに大きなイベントホールがあって、コンサートやスポーツイベントが開催されると快速とかが臨時停車するらしい。なるほど。
特にイベント開始前や終了後のタイミングでは乗客が溢れ、電車遅延のトラブルが発生する前提で考えた方が良い。トラブルを避けるなら新幹線でワープしてしまうか、時間をずらすしかない。新幹線を使うなら大胆に使った方が安全、短い距離を使っても電車の本数の関係でワープが無意味になることも。そうなのか。
浜松駅から三島駅まで新幹線を使って静岡県を一気に抜けるのがワープとしてベストらしい。さらに静岡駅で自由席特急券を分割すると550円ほど安くなるという。この前は三島駅までワープしなくても横浜に辿り着けたらしいが、テクニックとして教えたという。無理して普通列車だけ使うのじゃなく、色んな移動方法組み合わせて上手に旅を楽しむ事が重要だと。
まだまだ続くヤツの文章、この後は目からうろこの衝撃情報が書いてあった。10月14日を中心に2週間くらい利用できる『秋の乗り放題パス』というのが発売されるとの情報。使い方はほぼ青春18きっぷと同じ、連続する3日間で値段が7800円というのが違うくらい。10月遠征への光が差し始めてきた。
早速、ヤツからの情報を使って遠征を検討。連続3日間有効という事もあって、10月14日の土曜日から10月16日の月曜日まで、10月16日は祝日だから日程はこれで良いだろう。次にホテルだが、さすがは三連休、西横インの予約状況を見ると満室が目立つ。前回の淀屋橋や新大阪駅付近は満室で予約できず、唯一場所がわかる所で空いてるのが通天閣だけだった。
するとヤツからさらにメッセージが届く。もう、お腹いっぱいだよ。何やらヤツは10月14日から鉄道関係のイベントがあるから一緒に行こうという内容だが、もちろんこれも丁重にお断りだ。前日の13日夜から横浜駅直結の温浴施設に居るらしいが、俺は横浜駅まで歩いて行けるから行くわけがないだろ。
ヤツはネットカフェで泊まった時に色々あったらしく、宿泊で使うのはお勧めしないとの事。ホテル泊が一番だが、当日飛び込みは泊まれない事もあり、そんな時は24時間やってる温浴施設が便利らしい。俺も神戸でホテルの宿泊日を間違えた時、すぐに温浴施設を紹介してもらったのはこう言う事かもしれない。いや、それ以前に間違え無いように確認は確実にしていこうと思った。
何となくヤツが送って来るメッセージの意味を理解できる範囲が増えてきた。今までは半分以上不要な情報だと思っていたが、日本全国行ってるヤツの情報は、鉄道関連だけでなく旅全般的に詳しい。
今後はヤツの情報を利用しながら、ライブを見るだけでなく、遠征旅を存分に楽しむ方向で考えて行こう。そこで、10月の遠征では1つ思い切った所へ行くことを決めた。過去の俺と決別するために。
急遽10月の遠征を決めた俺は、週末の彼女のライブで行くことを報告。かなり気を使われてしまったが、今は遠征旅の、遠征して見るライブの楽しさが勝っているから無理だと思ってない。もちろん計画的で無理していない事は話したが、本当に無理な時ってどうなるんだろうか、今は想像つかないや。
10月にまた遠征行けることが楽しみだ…
準備はいつも通りの持ち物を用意、予約したホテルの日付が間違っていないか3回ほど確認。後は出発日に少し早く横浜駅へ行って秋の乗り放題パスを買うだけだ。




