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26.夏の暑さと疲れと空腹

ライブ楽しかった…

時間は22時、ライブハウスを出ると辺りはすっかり夜。これから新大阪へ向かわなければならないと思ったら、疲れと京都の暑さという現実が襲って来る。あ、まだ夜ご飯も食べてないのか。


色んな状況と向き合いながら夜の京都を駅へと歩く。駅へつながる階段を降りると、京阪電車三条駅を横目にそのまま地下鉄東西線の三条京阪駅へ。駅の利用者はそこまで多くなく、一度通った道は疲れていても覚えていたようだ。地下鉄の改札をアプリSuicaで抜け、ホームへ降りる長い下りエスカレータに乗ると、今日1日の事が走馬灯のように思い出される。いや、これは睡魔に負けそうになってるんだと察知。気合入れ直して駅のホームへ。


「まもなく1番乗り場に太秦天神川行きが6両でまいります」


待つこと約5分で電車は到着。空いていて座れるのは良いが敵は睡魔、ウトウトしながらも何とかギリギリ我慢して烏丸御池駅に到着。乗り換えて京都駅へ向かうのだが、京都初心者には複雑な構造の烏丸御池駅、行先を間違えないように案内板をしっかり見ながら階段を上る。


「まもなく1番乗り場に竹田行きがまいります」


階段を上るとすぐに京都方面の電車が来るようでアナウンスが流れている。東西線とは違ってこちらは結構人が多い。到着した電車もまぁまぁな混雑、座れないまま四条駅、五条駅に停車して次は京都。


電車が京都に到着すると、ほとんどの乗客が降り、地下鉄京都駅のホームはとんでもない混雑に。人の多さからか急に疲れが襲ってきて、案内見ずに人の後をついて階段を上る。多くの人がJR線に乗り換えるのだろうか、自動改札を抜けると偶然にもJRの改札口の近くだった。


あっ違う…

人の後ろを付いて自動改札に向かった俺は慌てて有人改札へ方向転換、青春18きっぷを取り出して通り抜ける。大阪方面の5番・6番ホームへ向かうが、一度来ているにもかかわらず、疲れているからか本当に大丈夫か2度も確認してしまう。階段を上ってホームに上がると、大阪方面へ向かう人だろう多く人がホーム上に居る。


先の出発は新快速電車のようで、5番線で待つが、状況からまず座れないだろう。俺はなるべく空いている列に並んだが、待っていると再び睡魔が襲ってくる。寝そうになるのを紛らわしながら電車の到着を待つ。


「まもなく5番乗り場に22時47分発、新快速姫路行きが12両でまいります」


暑いホーム上で待つこと約15分、電車がまもなく到着するアナウンスが流れる頃には列はかなりの長さ。程なくして到着した新快速電車から多くの乗客が降りて来たが座席は空いておらず、乗り込む人も多く適当に扉の近くに立って場所を確保するのがやっとだった。


22時47分、疲れ切った約1名を含む多くの乗客を乗せた新快速電車は京都駅のホームを離れて大阪方面へ向かう。満員電車は関東でも同じだが、出来れば乗りたくない。俺が休んでるから忘れていたが、今日は金曜日の平日だったと嫌な事を思い出す。窓から真っ暗な車窓を眺めながら耐えること約13分、電車は高槻駅に到着するアナウンスが流れる。


「まもなく高槻、高槻です。お出口は左側です。高槻を出ますと次は新大阪に停まります」


電車が高槻駅に到着すると、降りる人がはいるが車両の混雑はほぼ変わらず。あと少しで新大阪、気を確かに、疲れと眠気と空腹に耐えながら、満員で暑い車内というのは過酷な状況と戦う。何とかこの状況をやり過ごすこと約10分、地獄の様な車内に新大阪到着のアナウンスが流れる


「まもなく新大阪、新大阪です。お出口は右側です…」


新大阪駅の到着アナウンスが女神の声に聴こえた。そして23時11分、電車は時間通りに新大阪駅到着。降りる扉が反対のため、人をかき分けて電車を降りる。HPもMPも0に近い俺はホーム上でひと息ついてから改札口を目指すエスカレーターを上る。おっと、ここからエスカレーターは右立ちだ。脳が追い付かない俺はエスカレーターに乗る直線で慌ててしまう。


今までは新幹線で来ていた新大阪駅、在来線で訪れるのは初めて。時間が時間だけに帰宅を急ぐ人達ばかりで店はほとんど開いていない。在来線の有人改札を青春18きっぷで通り、新幹線の改札口が見えると、なぜだかホッとする。


前回と同じホテルだから、行き方は問題ない。疲れているせいか途中で違う道に入ろうとしてしまったが、徒歩8分ほどで無事ホテルに到着。事前に23時到着予定で予約したため問題なくチェックイン出来たが、こんなに遅くなるとは思わなかった。支払いやポイントカードの取り出しでちょっともたついたが、一度訪れていることもあり、前回よりはスムーズにチェックインできた。


腹が減ってる俺はホテルの人に近くの飲食店情報を聞いたが、ホテルの近くで今でも開いている飲食店は少なく、居酒屋、チェーンの牛丼屋、ラーメン店くらいという残念な回答。腹が減っていた俺は、部屋へ行く前に教えてもらった飲食店をを目指すことにした。


しかし行ってみると、ラーメン店はカウンターしかないようで5人ほどの行列が出来ていた。居酒屋は雰囲気からちょっと1人では厳しい。結局チェーンの牛丼店に決定すると、急いで牛丼を食べ終え、近くのコンビニへ行ってビールやおつまみを買い、ホテルへ戻った。


再びホテルのカウンターでカギを受け取り、髭剃りを持って部屋に向かう。部屋に入ると極度の疲労からか、エアコンをつけて、荷物を置いて、ベッドへダイブ。時間を見ると0時になっていた。買ってきた缶ビールを一口飲んでふと思う。青春18きっぷの移動は安いが疲れる。


予定していたスケジュール通りに行動しても、早朝から電車乗り続けたのと、夏の暑さで最後は体力も気力も無くなってしまった。朝4時前から起きてるから今で約20時間経過したことになる。彼女にも物販で疲れているのを見破られるわけだ。


俺は何気なくテレビをつけて、チャンネルを回すと関西ローカルのテレビ番組だろう、お笑いタレントが大阪の商店街をロケするという、見たことが無い番組がやっている。そんなテレビ番組を見ながらビールを飲んでいると、時間は既に0時30分になろうとしていた。


さすがに体力も眠気も限界。さっとシャワーを浴びて倒れ込むように就寝した。


……


2日目朝7時、アラームが鳴って目が覚める。かなり疲れていたけど意外と目覚めは良い。と言うか、寝ていた時間が気付かないくらい熟睡したからだろう。エアコン付けっぱなしで寝たためか喉がガラガラなのはちょっと辛いが、このまま朝ごはんでも食べてこようと考え、何気なくテレビをつける。


いつも土曜日の朝に見ているテレビ番組とは違う番組がやっている。冷蔵庫からお茶を取り出して飲みながら見ていると、これも関西ローカルの番組のようだ。いや、関東で見ているのが関東ローカルなのか、寝起きで良くわからないが、関東ではあまり見慣れない芸人やタレントなどが出演している情報番組。俺はその見慣れない情報番組を見ながら簡単に身支度をして、朝食を食べるためホテルのロビーへ向かった。


何と…

ロビーに着くと朝食を食べる多くの宿泊客、朝食会場となっているロビーのテーブルは半分以上が埋まっていた。朝の7時過ぎだというのにみんな早い。朝食はバイキング形式のようで、他の人の様子を見ながら、おかず少々とおにぎりを1個、さらに味噌汁をおぼんに乗せて開いている適当な席へ持って行く。昨日の夜が遅かったのと、普段あまり朝食を食べない習慣が影響したのか、これだけでお腹いっぱいだ。


食事を終えるころには朝食会場は混雑してきた。席を探している人もチラホラ見えてきたため、俺は部屋に戻って見慣れない関西の情報番組を見ていると、週末のお勧めスポットをやっているが、全くわからない。


そんな事よりも今日の予定を考えると、昼に千里中央でフリーライブ。ここは一度行った事があるので問題ない。問題なのは夜の南森町だ。初めて行く場所、地下鉄梅田駅から東梅田駅への乗り換えもあり、迷うのは必至だ。


それでも3回目の大阪遠征、初めての場所も知らない土地へ行くのも少し慣れて来た。何よりも彼女のライブを見るのが楽しみで仕方ない。遠征しなければ味わえないライブを全身で感じられるからだ。


さて、今日も行きますか…

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