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24.青春18きっぷを使って豊橋から京都まで向かいます

ここからは快速電車だ…


「お待たせいたしました。特別快速の大垣行、まもなく発車いたします」


9時50分、特別快速大垣行の電車は3割ほどの乗客を乗せて豊橋駅を出発。乗り換え時間が5分は短い。トイレや売店行ってたら乗り遅れる危険性がある。そう考えたらヤツの情報通り、浜松駅でトイレ行くのが正解だったと思った。


これまでの座席とは違って快適な車内、まだ眠気が残っている事もあり、アラームを大垣駅到着の3分前、11時13分にセットして眠る体制をとる。しかし、浜松から豊橋まで立ちだったからか、なかなか眠れない。それでも涼しく快適な車内、電車が蒲郡駅に到着する頃、気付けば夢の中へ誘われたようだ。


混雑した車内、明らかに関東とは違うイントネーションの会話が聞こえて目が覚める。これは大きな駅が近づくと目が覚める俺の癖だ。寝ぼけながらも遠くまで来たことを感じていると、電車は程なくして金山駅に到着。金山駅では多くの人が降りたようだが、まだ車内は混んでる。


「まもなく名古屋、名古屋です」


金山駅を出発するとすぐに名古屋駅到着のアナウンスが流れる。さすが東海地区のビッグステーション、乗り換え案内だけでもかなり長い。電車は10時43分、時間通り名古屋駅に到着。ほとんどの人が降りたようで、車内は空席が目立つようになった。名古屋駅までは暑かった車内、人が少なくなると冷房が効き始めたのか逆に寒くなってきた。


名古屋駅を出発すると眠気もどこへやら、スマートフォンのアラームを止め、ここからは車窓を見ながら起きていることにした。電車は尾張一宮駅、岐阜駅に到着。一駅ごとに車内から人がいなくなり、残ってい居る人を見ると、終点まで行く人のほとんどが豊橋でも見た事がある人だ。


「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点大垣、大垣です」


移り行く車窓を眺めていると、大垣駅到着のアナウンスが流れる。そして、11時18分電車は時間通りに大垣駅到着。降りてみると、豊橋、いやその前から同じルートを辿っている人達が急いで乗り換えに向かっている。俺はヤツに教えてもらった通り、20分ちょっとの乗り換え時間を使ってトイレを済ませて、休憩する事にした。


青春18きっぷを見せて有人改札を通り、駅の外へ出る階段を降りてみる。初めて来た岐阜県大垣市大垣駅前、どこへ行けば良いかわからず、辺りを見渡すだけ。お腹が空いているのを思い出し、駅ビルに併設されているコンビニで、おにぎりとサンドウィッチ、飲み物を購入。食べる場所が思いつかず、コンビニ横の邪魔にならない場所で急いで食べる。


何とか空腹を収めて一息つくと、時間は11時32分。駅に戻って青春18きっぷで有人改札を通り、米原方面のホームへ向かうと既に電車が待っていた。見ると座席の半分くらいが埋まっている状態、一番後ろの車両はまだ空いていたので適当な席に腰掛けて出発を待つことにした。


「普通米原行き、まもなく発車いたします」


ん、横浜から一緒の人も居るような…

関東方面から同じルートで移動している人達がわかるようになってきた大垣駅停車中の車内。余計なこと考えているうちに時間は11時42分、電車は大垣駅を出発。米原駅までは30分くらい、空腹が満たされたからだろうか眠気が襲ってくる。なるべく寝ずに行きたいところだが、念のため12時12分にアラームセット。


窓から景色を眺めていると山の中に入っていくような雰囲気。関ヶ原を過ぎた辺りからは民家も少なくなり、一面緑の世界が広がる。そんな車窓を眺めていると少し寝ていたようだが、まだアラームは鳴っていない。窓の景色は相変わらず民家よりも緑が多く、電光掲示板には「次は醒ケ井」の表示。車内の状況もほとんど変わらず、退屈な時間を過ごしていると、醒ケ井駅に到着。車窓も車内も変化が少ないからか、ここまでの約30分が長く感じた。


「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点米原、米原です」


止め忘れたアラームが鳴り、焦って止めた頃、米原到着のアナウンスが流れる。程なくして電車は12時17分、時間通りに米原駅に到着する。ホームの向かい側に止まっている電車が乗り換えの電車だとアナウンスで言っていた。乗り換え時間が短いため、扉付近にスタンバイして急いで乗り換えるが、ここまで同じルートで移動してきた人たちが、俺と同じ行動をする。


乗り換え先の電車は今までの電車とも、関東で走っている電車とも雰囲気が違っていた。車内に入ると今までと同じ転換式クロスシートだが、何かが少し違うようだ。座席は半分ほど埋まっていたものの、何とか空いている席を見つけて窓側の座席を確保。すると。


「今日もJR西日本をご利用くださいましてありがとうございます」

「この電車は新快速姫路行きです」


12時20分、電車はすぐに米原駅を出発。トイレなど行ってる余裕はなく、大垣駅で行っておいて良かったと確信した。ここまで横浜から約7時間30分、疲れか睡眠不足か良くわからないが、まだ眠い。俺はアラームを京都駅到着の3分前、13時10分に設定して寝ることにした。


電車が彦根駅、能登川駅と過ぎていくと座席はほぼ満席状態に。結局眠れず、野洲駅を過ぎた辺りで寝るのを諦めてアラームを止めた。電車が進むにつれて車内の会話も関東や東海とは違う関西のイントネーションに変わっていくのを聞くと、京都が近づいてきたと実感。気付けば滋賀県を抜け、京都府に入って山科駅。次はいよいよ京都駅だ。


「まもなく京都、京都です」


3分ほどで車内に京都駅到着するアナウンスが流れ、俺も降りる準備を始める。ここまで横浜駅出発から約8時間15分、電車は時間通りの13時13分に京都駅到着。かなり大きな駅だけあって、多くの人が乗り降りするようだ。俺は腰や背中に疲労感という重さを感じながら、人の後に続いて電車を降り、ついに京都駅のホームを踏みしめる。


京都着いた…

京都駅で降りる多くの人を見送り、今日これまでの道のりを頭に浮かべながら新快速電車が大阪方面へと発車するのを見送ると、駅名標を写真に収めた。しかし、感傷に浸っている場合ではない。いつも駅に到着すると目的地感が出て気を緩めてしまうが、ここは目的ではない。俺は階段を降りて京都駅の改札口へ向かうことにした。さすがは京都、行き交う人の多さにいきなり怖気づいてしまう。


色々と思う事はあるが、気持ちを奮い立たせ、人の流れに沿って改札口へ向かう。そして近くに見つけた地下東口の有人改札を青春18きっぷで出場した。


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