【エープリール企画?】トッコが〇〇〇になっちゃった まさかの2話目
リクエストに応えてw
まさか、2度目の4月1日、つまりエイプリルフールを迎えるとは思ってもいませんでした。
という事で、前回のお話の続きを書いてみました。
ヒヨリとトコトコ歩いているんですが、そのヒヨリさんが思いっきり腕を組んでくるのでちょっと歩き辛いです。ただ、ご機嫌なヒヨリさんは先程から何やらフンフンと鼻歌を歌っています。
「鼻歌は普通に聞こえる不思議ですね」
「キュフフフン」
うん、相変わらず何を言っているかまったく判りません。ただ、思いっきり腕の部分に柔らかい物が当たっている感触があるのです。
「ヒヨリ? もしかして、もしかします?」
「キュフン」
表情からは何を聞かれているか判っていませんね。ただ、そうですか、言われてみると私も付けている感じはしませんね。調べてはいませんですが。
そもそも、よく考えるとこれは皮膚なのでしょうか? それとも、服なのでしょうか? 服だとすると、着替える事は可能なのでしょうか?
空いている方の手で、スカートや、ブラウスの部分を触ってみるのですが、やっぱり服みたいに感じます。
「でも、チャックやボタンが無さそうですよ?」
そうなんです。これでは、着替える時にどうやって脱いだり着たりするのでしょうか? 謎が謎を呼ぶのです。
そんな素朴な疑問を胸に、兎も角は食堂を探すのです。
「やたらと現実っぽいですけど、きっと夢なのです。それであるなら、思いっきり御馳走を食べてから目を覚ましたいですよね?」
「キュルルルン」
実際には、それこそフォークに刺さったお肉を今まさにお口に入れようとした所で! とか、スプーンに掬ったアイスクリームを今まさにお口に入れようとした所で! などと言うあと少しの所で目が覚めてしまうものだと思うんです。
それが定番ですよね? でもですね、其処はそれ、夢だと気が付いている今の状況であれば、気合で何とか食べ終わるまで目覚めないで行ける気が、しないでも無いですよね?
「少しでも確率を上げる為にも、早く食堂を見つけましょう。という所で、ヒヨリは食堂を知りませんか?」
「キュヒヒヒン」
よく考えたら、私よりヒヨリの方がこの場所に詳しいと思うんです。何せこの不可思議な状態に疑問を持っている様子もありませんよね? そして、ヒヨリに尋ねると、私の腕をグイグイ引っ張って来ます。私は特に逆らう事も無く、ヒヨリについて行く事にしました。
すると、目の前に一際大きな建物が見えます。そして、そこには美穂食堂の大きな文字が!
「さ、流石です! ヒヨリ、食堂ですよ食堂!」
思わず尻尾ブンブン、お耳ピクピク、更にはダンス迄踊りだしそうになっちゃいました。でも、今はまだ我慢です! 我慢なのです! ゴールはまだ先なんです!
それこそ、駆けだしそうになる自分を必死に押し留めて、ヒヨリと一緒に食堂へとやって来ました。
「おおお~~~、食堂ですよ食堂! 何があるんでしょう?」
期待ワクワク、尻尾ブンブンで入り口横の黒板の小さいのに書かれているメニューを確認します。
「えっと、3種のニンジングラッセ、ニンジンサラダ、かぼちゃとニンジンと豆乳のスープ、フライドニンジン」
ニンジンは嫌いじゃ無いですよ? お馬さんになってからは大好物ですよ? でもですね、こう、何と言いますか、もっと何か無いのでしょうか?
微妙な気持ちで更にメニューを確認します。
ただ、そう言えば桜花ちゃんが確かパンやチーズ、あと意外な所でキャベツなども食べたら駄目とか言っていました。そう考えると、この今の姿でも食べたら駄目な物があるのでしょうか?
その後、デザートの所で漸くこれと言う物に出会えました。
「バナナジュース蜂蜜風味、うん、悪く無いですよ? リンゴとバナナ、ラズベリーの蜂蜜掛け、良いですねぇ、何と言っても蜂蜜ですよ! 蜂蜜が掛かっているだけで美味しそうです」
ここでメニューを睨んでいても仕方が無いので、ヒヨリと一緒に食堂へと入りました。
「どうやって頼めば良いのでしょう?」
入り口から入ると、それこそ一面テーブルがいっぱいです。そして、その奥には恐らく料理を受け取るカウンターでしょうか? 要はセルフサービスっぽいのです。 ただ、それ故に困惑するのは、そもそも私はお金を持っていませんよ?
パタパタと服を上から叩いて、ポケットに手を入れてみますが、残念ながらお財布は入っていませんでした。
「此処まで来て食べれないのでしょうか?」
チラリとヒヨリを見ますが、流石に姉の威厳として妹に食べさせてもらう訳にはいかないのです。そんな私を気にしてか、ヒヨリがまた私の腕を取って券売機らしきところに。そして、驚いた所はどうやら自分の掌を押し当てると、料金表示の所に数字が点灯します。
更には、点灯させたところでヒヨリがボタンを押すと、コトンと食券が出て来ました。
「無駄に未来技術でしょうか?」
「キュフフフン」
ヒヨリは自分が買った食券を見せてくれます。どうやら、3種のニンジンのマリネを頼んだみたいです。
「えっと、ここに手を翳せば良いのですよね?」
私がヒヨリを真似て掌を翳すと、先程のヒヨリより遥かに多くの金額が表示されました。
「えっと・・・・・・何か0が多いですね」
何故こんなに多くの金額が表示されるのかは不明なのですが、これで食券が買えるなら何も問題は無いのですよね?
「リンゴとバナナとラズベリーの蜂蜜掛け、あとは、バナナジュース、おおお! なんとメロン4分の1カットがあるのです!」
ちょっとお値段が高いですが、誤差範囲なのですよ誤差範囲! という事で、メロン4分の1カットの食券を2枚購入します。
「ヒヨリにもメロンを奢りますよ。メロンは美味しいですからね」
「キュヒヒン」
ここまで喜んでくれるヒヨリの様子を嬉しく思い頭をナデナデしてあげます。
此処まで色々と教えてくれたヒヨリなのですから、姉としてやはりご褒美をあげないとですよね。そして、二人で揃って頼んだものを受け取りに向かうのでした。
え? 中途半端な所で終わってるですか? それは仕様なのです。(オイ
本編はいつもの時間に投稿しています。宜しくお願いします。




