【エープリール企画?】トッコが〇〇〇になっちゃった
朝起きると、何か寝藁がチクチクします。何となくいつもと違う感覚なのですが、お腹は何時もの様に空いていますよと自己主張して来るので起き上がり・・・・・・あれ?
不思議と体がというか、頭が覚えているものですね。お馬さんの時には無かった掌を握ったり開いたりしても、普通に問題無く動かせます。脚だってお馬さんのような蹄なんかは無くて、何故か焦げ茶色のブーツを履いています。
「手がありますねって、言葉が話せていますね」
しばらく状況が判らなくて、そのまま考えこんじゃいました。
でも、よく考えたら2度目です。人からお馬さんに、そして今度はまた人にです。これと言って問題はありませんね。
更に気が付けば、焦げ茶色のお洋服を着ているんですが・・・・・・なぜこの色なのでしょう?
もう少し何かこう、配慮という物があっても良い様な。
ただ、これは夢にまで見た御馳走が食べられますか?
お馬さんの時には食べさせてもらえなかった色々な食べ物が頭をよぎると言うか埋め尽くします? そっか、色々と食べられるかもと嬉しくなったら、何かお尻の当たりがワサワサと。
「誰ですか? セクハラは駄目です・・・・・・あれ?」
後ろを見ても誰もいませんね。良く考えたらここは馬房ですから、誰かいればすぐに気が付いたはずです。では、何だったのかと言いますと・・・・・・尻尾が生えていました。
「う~~んと、この尻尾どうやって外に出ているのでしょう? もしかして穴が開いています?」
気になってお尻に手を回すと、何かスカートから出ていますね。でも、手で付け根辺りを触っても、穴が判りません。
兎に角、落ち着く為にご飯を食べましょう。そう思って飼葉桶を覗き込むと、何時ものご飯がありました。
「飼葉がメインですね、でも今の私に飼葉は消化できるのでしょうか?」
リンゴとニンジンはいけると思います。ただ、飼葉と言うか藁ですよね? 食べても消化できないような気がします。
試しに1本取り出してモグモグしてみます。
「味が感じられませんよ?」
お馬さんの時はそれなりに美味しく感じたんですが、今は藁の味です。というか藁ですけどね。
「これは困りました。お食事をどうすれば良いでしょうか」
馬房で座り込んで考えていますが、よくよく考えれば悪い事ばかりじゃないですね。
食事の事も重要ですが、それ以外は良く考えたら良い事尽くめ?
「流石に人の形をしていれば、お肉にはならないですよね?」
人の形をしている生き物をお肉にしたりしたらドン引きですよ。これからはお肉になる事を心配せずにのんびり出来そうですね。
ということで、よっこらしょと起き上がります。久しぶりの2足歩行です、ちょっと大変です。
若干バランスをとるのに苦労しながら、馬房にある棒を外してお外へと向かいます。
その時お隣の馬房を覗き込むと・・・・・・寝藁に尻尾の生えた女の子がスピスピ寝ていました。
「・・・・・・深く考えるのは止めましょう」
そのまま厩舎を出ると、普段調教で使用しているコースを女の子達が走っています。そして、遠目でもその子達には尻尾が生えていました。
「皆さんカラフルですね。私と違って綺麗な服を着ています。でも、女の子ばかりですね」
ただ、私と違って皆さん綺麗な服なんです。なんで私は濃い茶色の服なんでしょう。どうせならピンク・・・・・・はないとして、水色とかどうでしょうか?
若干現実逃避をしながら、ボ~っと女の子達が走っている姿を見ていました。
グゥゥゥ~~
するとお腹が自己主張を開始しました。うん、そういえばお腹が空いていたんですよね。
「・・・・・・あ!」
そこでふと思い出したのは、厩舎の入口にある木箱に私のリンゴが入れられていたはずです。
私が振り返ると、いつも入口の前を通る時にチラ見していた木箱が、そのまんま置かれていました。
「わ~~い、リンゴだ!」
お腹が空いていたんですよね~。急いで木箱に近寄ると、馬見厩舎と紙が貼られています。
うん、間違いないですね。これは私の物ですよ?
という事で、木箱を開けるとリンゴがいっぱい入れられています。
「いっぱいリンゴが入っていますね。 食べ放題ですね!」
両手に1個づつリンゴを手にして、木箱の蓋をちょこんとお尻で押して閉じます。そして、木箱に座ってリンゴをカジカジしました。
「やっぱりリンゴは美味しいですねぇ。でも、せっかく人になれたんだったらお芋とか、リンゴ飴とか、食べたいものはいっぱいありますよね。あ、ケーキも食べたいですねぇ」
口の中に広がるリンゴの味とこれから出会うと思う食べ物に幸せを感じていたら・・・・・・遠くからドドドと此方へ走って来る女の子がいます。
「キュヒヒヒン」
「・・・・・・あれ?」
私に駆け寄って来た女の子は興奮した様子で私に話しかけて来るのですが、言葉ではなく嘶きですね。という事は、この女の子もお馬さんから人型になったのでしょうか?
「えっと、リンゴいる?」
「キュフフフン」
その女の子は私が差し出したリンゴを嬉しそうに両手で持ち、私の横に座ってカジカジとリンゴを食べ始めます。
ただ、何となく見ていると親近感が湧くと言いますか、となると知っているお馬さん?
「う~んと、ヒヨリかな?」
「キュヒン!」
尻尾ブンブンさせています。これはヒヨリで間違いなさそうですね。
「ヒヨリ、ヒヨリは綺麗なお洋服ですね」
ベースは確かに私と同じ茶色系なんですが、デザインも洗練されています。白色や黒色も要所要所でアクセントをつけていてお洒落ですね。
「キュフフフン」
ただ問題は、何故かヒヨリさんは馬語なんですよね。私の言葉は理解しているみたいですが、私は相変わらず理解できていませんよ。
「とにかく、ご飯を探して探検に行きましょう! 飼葉は無理ですからね」
目指すは食堂ですね! これだけ大きな場所です。きっと大きな食堂があるはず?
こうして、私は美味しいご飯を探して美浦トレーニングセンターらしき場所の調査を開始するのでした。
・・・・・・続きませんよ?
エイプリール企画?
エイプリルフールという事で、何となく書いてみましたw
もし、お肉への恐怖が無かったら、トッコはたぶん走らないですよね。
桜花ちゃんと一緒に食べ歩きしそうですねw
もしかすると、後で消すかもしれませんw
あと、本来の次話はちゃんと4月2日PM6:00で投稿済みですよ!




