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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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ゴブリンのグリン

今日はアクセスが150PVを突破したら、お礼を込めてもう1話更新しようかと思います。

 敵襲だというのに、起きる気のないアリスの鼻の穴にとりあえず両手の指をぶち込んだ。俺は紳士だから人差し指の第一関節までで勘弁してやった。上品で見る者を魅了する美しい顔のくせして変な声を出した。フガフガ、フゴフゴ言っている。う~む美人が台無しだ。ははははhhhhh。


 アリスがちゃんと起きたので、敵の気配のする方向に向き直った。暗闇でよく見えないが昼間ならはっきり認識できる距離にいる。背丈は俺のお胸ぐらいだろうか。手には棍棒のようなものを持っている。あれで殴られると大ケガになりそうだ。


「気を引き締めていくぞ!」

≪いくっす!≫


 ロマンは両頬をプくっとさせて石を飛ばす。すると敵は飛んできた石を棍棒でガードし奇声を発した。どうやら怒ったみたいだ。夜だというのにあんな小さい石が良く見えるな。


≪なかなかやるっすね!≫


 ロマンはそう言うと敵に向かって走り出しそのまま体当たりをしようとした。しかし敵の棍棒がロマンにクリーンヒットし後ろに吹っ飛ばされた。


 よわっ!・・・まあスライムだしな、うん、これから頑張っていこ!うん。


 だがロマンはそこで諦めていなかった。頭に大きなたんこぶを作りながら俺の横まで来た。スライムにもたんこぶができるらしい。ギャグなのか?


≪マスターもう一回オレッちが行くっす。いいっすか?≫

「お、おう、死ぬんじゃないぞ。」


 勝機でもあるのだろうか?ロマンだけには任せておけない。


 それからロマンと敵は一進一退の攻防を繰り広げた。俺は魔力を込めカードを準備していた。すると一瞬の隙をついてロマンは相手の顔にグルグル巻きついた。突然のことに敵は焦っている。呼吸が上手くできないのだろう。これぞスライムボディの神髄だ。


≪マスター今っす!≫

「おう、よくやった!」


 カードを敵に向け飛ばした。暗くて分かりずらいが『ゴブリンを捕獲しますか?』と頭の中に聞こえたので命中したのが分かった。もちろんイエスにした。ゴブリンの体はバリバリになり光を発した後、カードに吸収されていった。




ゴブリン:ランクF:レベル4


体力  11

魔力  9

攻撃力 12

防御力 11

素早さ 12


スキル 夜目



 ううん、ロマンとほとんど同じぐらいだな。それにしてもゴブリンか。スライムにゴブリンてまさにファンタジーだな。うん。


「2人ともどうやらゴブリンだったみたいだ。ロマンよく頑張ったな!カード化には成功したが暗くて見にくいしお披露目は明日にしよう。とりあえず今日はもう寝ようか。」


 そう言うと2人とも腰を下ろし横になった。なんとなくだがアリスはふてくされている雰囲気だ。そんなに鼻の穴に指をぶち込んだのが効いたのか。まあすぐ機嫌直すだろう。眠いから寝よう。


 その後は敵襲もなくいつしか深い眠りについた。


 真ん丸に光り輝くお月様が、まるで翼のこの世界への転移を歓迎しているかのようである。そして時刻はあっという間に朝になる。



 うーん、朝日が気持ちいい。鶏の鳴き声なんかが聞こえてきそうだ。空気もとても澄んでいて美味しい。この世界グランネルって名前だったか。なかなか良いところじゃないか。ただ一点、目の前のコイツを除けばなっ。


「えへへへへへっ」


 目を開けるとアリスが馬乗りになり、俺の鼻の穴に指を突っ込みグリグリしている。コイツけっこう根に持つタイプらしい。


 俺は無表情で静かに立ち上がった。そして無言のままアリスを捕まえお尻ペンペン100回の刑に処した。


「やめて、ツバサ恥かしいよ。」

≪ププッあねさん。≫


 これで少しは分かっただろう上下関係というやつが。これが世の中というものだ。こういうなめた奴には最初から教え込む必要がある。うむ。俺は教育してやったのだ。うむ。くるしゅうない。なんだかんだアリスのやつも笑いながら刑を受けてたしな。うむうむ。


 それから朝ごはんを食べた。といっても昨日森の中で見つけた木の実しかないのだが空腹のお腹にはこれでも十分喜びだった。


「オホンっ、えーではこれより昨日の夜捕獲しましたゴブリンのお披露目をしたいと思います。はい拍手!!」


 そういうとアリスの拍手の音だけ響いた。まあロマンはスライムだからな、そもそも手が無い。あったとしても、あのボディじゃ音が鳴らない、ゼリーみたいだし。


 もったいぶりながらカードからゴブリンを出した。昨日は暗くてよく見えなかったのでちゃんと見るのはこれが初めてだ。


 全身緑色で背が低く、身につけているのは動物の毛皮で作ったと思われる腰巻と棍棒だけである。なんだか全体的に小汚い。それにオドオドしている。


≪マスター?≫

≪おお、俺は黒木翼だ。これからよろしく頼む。期待してるよ!≫

≪・・・自信ないけどボク頑張るよ。≫

≪名前どうしようか?緑色だからグリーンからとって、グリンとかどうかな?それにゴブリンのリンともかかってるし。≫

≪・・大丈夫です。≫


 ・・・なんだか弱々しい奴だが大丈夫だろうか。ゴブリンというのはだいたいこんな感じの生き物なのだろうか?まあ何とかなればいいが。


「こちらが新しく配下になったゴブリンのグリンだ。仲良くやっていこう!」

 そう言って2人にゴブリンのグリンを紹介したのだが、またしてもこの女がやらかしよった。


「なんか臭そう、生理的にイヤ。」


 ・・・・辺り一帯が静寂に包まれた。



 うおおおおおぃぃ、なに言っちゃってくれてるの??まあ小汚そうだけど、それはあまりにもひどいよ。ロマンの時も殺しかけたし、グリンにも最上級の精神攻撃してるし、この女には新人いびりの趣味でもあるのか???


 ほれ見たことか!グリンの奴、膝ついて愕然としてるよ!しきりに自分の匂い確認してるよ。


「アリスゥゥゥ~ちょっとこっち来ようね~」


 アリスを連れて木陰に移動し少し説教した。和を乱すなら置いていくぞと言うとすぐにアリスは泣きだし俺に抱き着いてきてイヤイヤし始めた。う~む。なんだこの気持ち。俺にだけ甘えてんのか?癖になりそう。

 っといかんいかん、あんまり怒りすぎるとアリスの精神的にも良くないよな。うん。




「じゃあみんな、そろそろ出発しようか、今日は日が暮れる前に町を目指すぞ!」


 そうして俺たちは道を歩き始めた。みんなカードの中にいれば歩く必要もないのだが、一緒に歩いている。霊体美少女のアリスが先頭でスライムのロマン、ゴブリンのグリン、そして最後尾が俺だ。


 なんだかとても賑やかになった気がする。なんだかんだ言ってこちらの世界に来てからずっとアリスが一緒にいてくれたし仲間も増えるしで、寂しい思いはまだしていないので感謝しないといけない。


 それから2,3時間ほど歩いたところで前方に何人か人影が見えた。4人ぐらいだろうか?慌ててスライムのロマンとゴブリンのグリンをカードに戻した。

 

 この世界にモンスターを使役するテイマーのような職業があるのならある程度は問題ないが、そのような職業が無い場合スライム達と一緒にいると問題になりかねない。アリスに関しては、おそらく俺たち以外には見えないからそのままでも大丈夫だろう。


 4人組との距離はどんどん縮まっていった。もちろん現地の人と話をして情報を集めたかったのもあるが、人の姿を見て、ひと肌恋しくて歩くペースが勝手に早くなっていたのもあるだろう。


 4人組は男2人、女2人の冒険者?のようだった。リア充なパーティーなのだろうか?近づいたことによりあちら側もこっちに気が付いたようだ。


 俺の設定としては気が付いたらほとんど記憶が無かったということにした。素直に異世界から来たと言ったら大騒ぎになるかもしれないし、もしくは頭の痛い奴と思われるかもしれないからだ。


「こんにちは。お兄さんたち!」

 翼の異世界人とのつながりができた瞬間だった。


読んでいただいてありがとうございます!


話は変わりますが昨日言ったGReeeeNさんの『雪の音』のPV見た人います?あのヒロインのお友達がね・・・ね。辛いですよねアレ。

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