初めての戦闘?
ブックマークしてくださった方ありがとうございます。恐縮です。書くモチベーションになります。
ランキングとかどうやったら入れるんでしょうかね?とりあえずランクインを目標にやっていきたいと思います。
その時だった。
茂みの奥の方からガサガサ音が聞こえてきた。何か来る、一瞬でその場の空気がピンと張りつめたものになる。やばい、もしこれがクマだったとしたら俺は終わる。もちろん逃げ切ることも不可能だろう。
突然のことでその場に固まってしまい隠れることもできなかった。
来る、来る、やばい、来る、来た!
「・・・・・ん?」
なんだコイツは!?小さくてツルンとしている。いやトゥルンとしている。透明のゼリーのようなボディーに目だけついている。
何だろうか、弱そうだが、、、とりあえず逃げた方が良いのだろうか。
・・・こいつスライムか?あの最弱のモンスターでお馴染みのスライムにしか見えない・・
んん、なんだかやる気になっているみたいだ。ポヨヨンポヨヨンとその場でジャンプしている。そのたびにボディーがプルンっブルンっと振動で揺れる。
うーむこれはまるで巨乳の女の子がピチピチの体操服を着てジャンプしている時のそれだ!今からこのスライムは男の夢とかいてロマン君に決定じゃ。
っといかんいかん、そんなことを考えている場合ではない。
「アリス!とりあえず逃げようか?なんだか弱そうだから倒せそうだけど武器も何も持っていないし一回状況を整理したい。」
「ん、分かった。」
俺がアリスにそう言って話しかけると、なにやらスライムが怒り出した。こっちの言葉を理解しているようだ。弱そうという言葉に反応したのか。
というか最弱のモンスターにケンカを売られる俺っていったいどれだけ弱者だと思われているのだろうか。しかも逃げるって自分がスライムのあなたより弱いですよと言っているようなものだ。
まあ仕方ない。急いで逃げよう。
森を抜ける道など全く分からないがとりあえず落ち着ける場所まで行かなければならない。もともと何も分からないのだから慎重に森の中を探索しようが走ってモンスターから逃げようが結果は大して変わらないだろう。
息をゼイゼイさせながら後ろを振り返る。
アリスは空中をスゥーっと飛んでいるだけなので涼しい顔をしている。
おのれ!自分だけ卑怯だぞ。
整備されている道を走るのとは訳が違う。油断すると足をとられそうになるし、ペチペチ何かの植物や枝が顔に当たる。鬱陶しいったらありゃしない。
しかも思いのほかスライムのロマン君は移動が速い。ものすごい形相?をしながら追ってくる。
しばらくデットヒートを繰り返しとうとう振り切った。
「ハア、ハア、、、アリス、ちょっと休憩、あそこの木が倒れているところで休もうか。」
「うん、ツバサ大丈夫?」
「ああ。」
返事をすると横倒しになっている木にもたれかかった。その横にアリスがやってきて体育座りをする。
ふうぅ~、大きく息を吐き出し呼吸を整える。空気がおいしい。俺は生きている。
気分はさながらアリスと大人の相撲を取った後に、たそがれながらタバコをスパスパやっている大人だ。まあ実際は、最弱のモンスターであるスライムから逃げただけなのだが、達成感と安堵がこみ上げてくる。
と、そんなことを思いながらどさくさに紛れてアリスの肩をかりて目をつぶろうとした時だった。
真横でボコンっと大きな音がした。驚いて見てみると、背もたれにしていた木に小石が激突し煙を上げていた。木は凹み削れている。
もう少しで死ぬところだった。そして小石が飛んできたであろう方向を見るとスライムのロマン君が仁王立ち?していた。もちろん足は無いが、、、、
なんだかものすごくカッコいい。こいつわざと狙いを外したんじゃないか。なるほど、なるほど。一騎打ちをしたいんだな。このスライムは武士道を分かっている。
ここまでされちゃあ自称イケメンの俺も黙っちゃいられない。あ、間違えた。自称じゃない。事実イケメン。
うむ。どうしたものか。内心ビクビクしながら、しかしそれを悟られぬように優雅に腰を上げた。困った困った。
そしてスライムに向かって適当に言葉を発した。
「仕方ないな、出来れば君のことを傷つけたくなかったんだが、、、神の生まれ変わりと言われしこの黒木翼が相手してしんぜよう、覚悟せよ。」
「え?え?ツバサって神の生まれ変わりだったの!?すごい!!」
「・・・お、おぅ、その通りだ。今まで黙ってて悪かったな。」
どうしよう、まさかのアリスが勘違いをしてしまった。コイツはおバカさんなのか?誰がどう聞いてもただの出鱈目だろうに。
この子はちょい悪男にも引っかかりそうだが、どうやら詐欺師にも簡単に引っかかりそうだ。笑
スライムのロマン君の方も少しビビったようだ。トゥルトゥルボディから一滴の汗が流れ落ちた。だがロマン君は根性を見せて俺との間合いを詰めてくる。結局向かってくるみたいだ。
やばいやばいどうしよう。何とかしなければ。
俺は唯一持っているもの、ケースからカードを取り出した。魔力を込め念じることで数枚を浮かせる。その内の1枚に飛んで行ってくれ!何となくそうイメージをすると、カードはロマン君めがけてゆっくり飛んでいった。
おおおお!すげええぇ!
しかしロマン君は必至の横っ飛びでそのカードを避けた。
プルルン。
そして、そのカードは後ろの木にぶつかり落ちる、そう思ったが半分近く木にめり込んで止まった。
「え?」
・・・カードが木にめり込んでいる。この世界の木は豆腐でできてんのか?
その時頭の中に無機質の音声が聞こえた。
『木を収納しますか?』
うん?どういう事かよく分からんがとりあえず頭の中で『イエス』と答えた。
するとカードが刺さった木がパリパリ、ベキベキと鏡が割れるようにひびが入り、光を発したと思った瞬間カードに吸い込まれていった。
そして手元に一瞬で現れた。真っ白だったカードの表面には木がリアルに描いてある。収納してしまったという事か!?
そこにはこう表示されていた。『森の木』
「さすがツバサ!それが神の生まれ変わりの力なのね!」
うん、いやなにこれ、、めちゃくちゃすごいじゃねえか!俺って本当に神の生まれ変わりなのか?
スライムのロマン君は何が起こったか分からずポカンとしている。
だがさすがロマン君だ。すぐさま戦闘態勢に入る。両頬をリスのようにプクっとさせ、どこからともなく小石を吐き出す。透明な体をしているのにどこにそんなものを隠し持っているのだろうか。それとも生み出しているのだろうか?この攻撃はなかなかのものだ。
うっ
俺は曲芸師のように飛んでくる小石を避ける。当たったら大けがになる可能性が高いので必死だ。
「私も戦う!」
そんな中なんとアリスが参戦表明をした。飛んでくる小石をものともせず簡単にロマン君の背後を取った。
「今だアリス!」
「うん!」
するとアリスは両手を大きく振りかぶりスキル?を繰り出す。
「ジャスティスフィンガー」
ドドドドドドド!
・・・・
・・・・
アリスに期待した俺がバカだった。
なんと両手の人差し指でつついているだけだった。しかも本当に今更だが彼女は霊体のためスライムに触れないようだ。全ての攻撃がスカっている。逆にすごい、逆に。
というかそれ以前にロマン君はアリスのことが見えていないようだ。ただ何となく何かを感じたのか一瞬振り返った、が、不思議そうな顔をして俺に向き直る。ほとんどスルーである。
しばらくしてアリスもようやくそのことに気が付き攻撃の手を休めた。
そして四つん這いになり悲しみに暮れはじめた。うっうっと静かに泣いている。そりゃあ人やモンスターに気が付かれない、認識されないというのはキツイものがあるのだろう。
今度は俺の番だ!!アリスの仇を討つのだ!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
全然関係ないですけどみなさん紅白の米津玄師さん見ましたか?カッコ良かったですよね。