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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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vs盗賊のお頭

 自然と刀を握る手に力が入る。相手は完全に近距離タイプだ。近づかれる前に終わらしてしまおう。


 俺は背後に浮かんでいるカードからファイアーボールを打ち出した。今までは大体これで片が付いてきた。


 カードからのまさかの攻撃に面食らったようだ。しかし、当たるかと思われた瞬間お頭の姿がダブり見えなくなった。


「電光石火。」


 ファイアーボールは虚しく壁に当たる。


「んん??」 

 一瞬で移動したのか!?


「先程の妙なモンスターといいなんだそのカードは!?そんなもの今まで見たことねえぞ!しかも無詠唱だと??」


 いやいやこっちもお前の動き見たことね~よ。そんなゴリゴリのくせしてなんでそんな速いんだよ。あのスピードではカードも当たらない。


「そりゃあ今までお前に見したこと無いからな。」


 ブチ。


「人をおちょくりやがって。今度はこちらがやらせてもらう。電光石火!」


「うおっ!」


 速い!!目で追い切れない。そのスピードのまま拳を振り下ろしてくる。


 慌てて回避しようとしたが拳が右頬をかすめる。拳圧で前髪が吹っ飛ぶ。


 ボコォン!


 なんだコイツは。役職だけのモブかと思ったら手強(てごわ)い。


「避けるんじゃねぇよ。」

「いや避けないと痛そうなんで。」

「てめぇテーブルの上に土足で立つんじゃねえ。俺は潔癖症なんだよ。」

「それなら俺にいちゃもんつける前にトイレから出てきたら手を洗えよ。」

「・・・。お、お前が邪魔するからだろうが!これから手を洗うところだったんだ。」


 アカン。顔が真っ赤になっている。耳から蒸気でも出そうだ。


 


≪ツバサ?今いい?≫

≪どうした?≫

≪傷だらけの男がいるわ。服装からいって兵士みたい。意識は無いけど生きてる。≫

≪でかした!おそらく貴族のクロースだろう。ポーションを飲ませてやってくれ!それと今戦闘中だからしばらくその場所にいて看病してやってくれ。今後の行動はまた指示する。≫

≪分かった。≫


 どうやら間に合ったみたいだ。これで1つミッションクリアだ。



 しかしそれにしてもあの電光石火は厄介だ。なんとかしなければ。


 相手はバカの1つ覚えのように電光石火で近づき殴りかかってくるだけだ。


 新スキル:粘糸を発動する。


 この洞窟に来る前ヒップスパイダーから得たものだ。アイツはケツから糸を出していたが、まさか俺もケツから出るなんてことは無いよな・・・?もしそうならモザイク処理が必要になるが。


 緊張しながら実際にやってみた。


 


 プシュ!


 


 ・・・普通に手から出せた。期待してくれた人ごめんなさい。



「糸だと!?そんなもの効かぬわっ」


 プシュ、プシュ。


「電光石火!うおおおおおぉぉぉ!」


 刀術レベル1発動。サイドステップからの袈裟切りを放つ。


「ラリアットォ!!」


 2人の技が交錯する。


 マズイ。コイツの方が一歩早く踏み込んでいる。くそっ。


 ボガァン!


 俺は5メートルほど吹っ飛ばされ壁に激突する。パラパラと壁が崩れる。


 流石にゴリゴリ潔癖男のラリアットは効く。


「どうした色男?こんなもんか?」


 プシュ、プシュ、プシュ。カードから連続で糸を飛ばし続ける。


「そんな攻撃当たらねえっつってんだろうが!」


 プシュ、プシュ、プシュ。


「ええぇい、鬱陶しい!正拳突き!!」


 電光石火を使っていない攻撃は、普通に躱すことが出来る。それにスピードに乗っていない分、技の威力も大幅に落ちるようだ。


 プシュ、プシュ。



 そろそろ良いだろうか?張り巡らせた糸である種の密閉空間ができつつある。。


「お得意の電光石火は使わないのか?だいぶ息が切れているようだが?」

「へ、そんなに使ってほしいなら、これで最後にしてやんよ。」


「電光石火!」

「粘糸!!」


 俺は天井に糸を飛ばし空中にぶら下がった。お頭さんの攻撃は見事に空を切る。ざまぁミソカツ。


「卑怯だぞ!」

「・・・。」


 目をつぶりいつもより多く魔力を込める。そして背後に浮かんでいる2枚のカードから大きなファイアーボールとウォーターボールを同時に出現させる。


「並列魔法だと!?」

 

 お頭さんは驚き距離をとろうとするが糸で塞いでいるため逃げ場がない。魔力を込めた攻撃をすれば糸も突破出来るだろうがお頭にそんな頭は無いようだ。


 頭を使いたまえ。お頭君。ふふふふ。



「宿屋の双子は今どこにいる?誘拐を依頼してきたのは誰だ?」

「ふん、それは言えねえな。俺にも盗賊のお頭としてのプライドがある。」


 この絶体絶命の状況にもまだ心が折れていないようだ。


「そうか、じゃあとりあえずくらっとけ!発射!」


 その瞬間2種類の魔法がお頭に向かって飛んでいく。



 ふふふ。これはただの攻撃ではない。水が火により一気に気化・膨張することによって・・・・



 ボガアアアアアン!



 そう、爆発が起きるのだ。これだけの規模で同時に魔法を発動できる俺だからこそできる現象だ。


 危うく自分まで巻き添えになるところだったぜ。汗


 だんだん水蒸気が晴れていく。どうやら勝負があったようだ。白目を剝いている。


 ペチペチ。


「おい、起きろ!」

「はっ」

「お前は負けたんだ。話してもらおうか?」

「ダメだ。」


 口の堅い奴だ。


 良いことを思いついた。ただカードにするのでは面白くない。カードにするのはコイツのプライドをへし折ってからだ。


 糸でお頭君をグルグルにする。これで自力では何もできまい。ミノムシ状態になっている。



≪アリス、ロマン、グリン一応戦闘は終わったから出てきていいぞ。クロースを連れてきてくれ。俺は今から肥溜めで尋問してくる。≫

≪うん。≫


 足を持ち引きずりながら運ぶ。


「イデデデデ、もっと丁寧に運びやがれ。それでも人間か?」

「ん?なんか言ったか?」

「あ、イデデデ、イデ!」


 そして肥溜めまでやってくると粘糸を使って天井に逆さの状態で吊るす。


「ほれほれ、早く言わないと汚物まみれになっちゃうよ?お頭君って潔癖症なんだろ??」

「貴様悪魔なのか?」

「言う気になったか?ほれほれ~。」

「ま、待て、それだけは人としてやっちゃいかん。人として。」

「え?そうなの?そんなの初めて聞いたけど?そもそも盗賊のお前に人としての在り方をどうこう言われる筋合いはないな。」



 するとそこにアリス達が合流した。


「ツバサ~連れてきた。」

「おお、ありがとうな。」


 クロースはグリンにおんぶされている。ポーションを飲ませたおかげか顔色はそこまで悪くない。


「大丈夫か?クロース??」

「ううっ・・・ここは?・・・・ツバサなのか?」

「そうだ。間に合って良かったよ。」

「・・・そうか、ツバサが助けてくれたのか。」

「気にしなくていい。今、盗賊のお頭を尋問しているところだから情報も聞き出せるだろうし。」

「なに!・・・俺がボコボコにやられた相手に勝ったのか??」

「まあ、運が良かっただけだ。今はゆっくりと休むといい。」

「・・・そうか。分かった。そうさせてもらうよ。」


 そう言うと静かに目を閉じた。


「ツバサ?面白そうなことしてるね?」

「ああ、新しいスキルを覚えてな、ちょうどいいから使ってるんだ。」


 アリスの目が輝いている。私もやってみたいと言いたげな表情だ。


「双子はどこだ?」

「ま、待て!」

「あ、そうだな。その左目につけてる眼帯カッコいいな。」


 ちょうどオークのムサシが左目をケガしてるんだ。


≪ムサシ!ケガの具合はどうだ?≫

≪はっ。おかげさまでだいぶ良くなってきております。ただ左目は回復しておりません。≫

≪そうか、今ちょうどカッコいい眼帯が手に入りそうなんだがいるか?≫

≪はっありがたく頂戴いたします。≫


「何をする!?」

「その眼帯貰おうと思って。汚物にまみれたらもったいないだろ?」

「やめろ。」


 よっと。どれどれ。


 眼帯はただのファッションのようだ。まあいいけど。そういうお年頃なのかな?


 ムサシのカードに眼帯を入れる。


≪ムサシ、それつけるといいよ。≫

≪ありがとうございます。≫


「そろそろ言う気になったか?もうこれ以上待つ気は無いんだが。」

「それだけは言えん。もし言ったら盗賊としてプライドが傷つくだけでなく国を巻き込んだ大問題に発展しかねない。それに、今後身の危険が及ぶ。」


 なかなか骨のある奴だ。が、しかし俺も引くわけにはいかない。


「もういいやお前。存分に汚物を堪能してくれ。」


 お頭を吊るしている糸を切ろうと刀を抜いた


 しかしその時だった。


 複数の男たちの怒号が響き渡った。


「なんだ!?何事だ?兵士たちの応援部隊が到着したのか?」


 人にカードを見せるわけにはいかないので急いでお頭をカードに収納した。もちろんロマンとグリンもだ。


 気を失っているクロースを担ぎ、様子を窺う。


 んん??アイツらは・・・


昨日ブックマークしてくださった方ありがとうございます!みなさんが思うより作者は嬉しく思っております。


今日ポテチの大袋を1人で食べてしまいました。反省しています。明日からダイエットします。明日から。

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