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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
37/74

黒ずくめ

ヒップスパイダー:ランクE:レベル7


体力  15

魔力  16

攻撃力 20

防御力 18

素早さ 19


スキル:粘糸


 うむ、正直ステータス的にはあまり強くない。しかし見た目のおぞましさとスキルが厄介だ。


 今のうちに俺に合成しておくか。オリジナルスキルを持っていても敗北はあり得るのだ。備えあれば憂いなしだ。ついでに今日狩ったオークの身体強化系もやろう。



人間:黒木翼:冒険者ランクE:レベル10→13


体力  72→83

魔力  164→187

攻撃力 69→85

防御力 62→80

素早さ 65→84


オリジナルスキル:カードマジック

スキル     :剣術1、刀術1、気配探知1、粘糸、夜目、ファイアーボール、ウォーターボール

常時発動スキル :腕力上昇:小、脚力上昇:小


 うむうむ、これでまた少し強くなった。


 ちゃんと粘糸も覚えられているみたいで良かったが、もしかして俺のケツから糸が出るなんてことは、、、、


≪ツバサ!?急いでこっちに来て!!人が倒れているわ!≫

≪なに!分かったすぐに向かう!ロマンとグリンはどうしてる?2人も向かえるようなら向かってくれ!≫

≪はいっす。≫

≪・・はい。≫


 急いでアリスのいる場所へ向かう。人が倒れているということは戦闘があったということだろう。一気に緊張感が高まる。


≪こっちこっち。≫

≪あぁ、ケガ人は??≫

≪そこ。≫


 ロマンたちはまだ来ていないようだ。


 アリスが指差す方に目を向けると4人の兵士が倒れていた。先ほど遭遇した若い兵士達だ。


「な、アンソニー、アル、メイ、ターナ!!どうした!何があったんだ!?クロースはなぜいない??」

「・・・・うっ・・」


 ダメだ。まともに話すことが出来ないようだ。どうする。放っておくと命の危険もある。それにいつモンスターに襲われるかも分からない。


 仕方ない、カード化するしかないか。・・・人間に対して使ったことはないんだが・・


 ここで助けられる能力があるのに放っておいたら人間としてまずい。


 覚悟を決め4枚のカードを宙に浮かせる。


 そして倒れている4人に向かってカードを飛ばそうとした瞬間、まさかのことが起こった。なんと先ほど助けてくれた黒ずくめの人物が突然現れた。


 ・・・カードを見られてしまった。慌てて引っ込めるが時すでに遅しかもしれない。


「・・・。」

 目が合ったので何か言われるかと思ったが何も喋ることは無かった。


 そして、そのまま倒れているアンソニーたちの傍に駆け寄り、片膝を着くと手に魔力を込めた。何をするのだろうか?


「ヒール。」

 女の声が響く。


 その瞬間、金色の光がアンソニーの傷口を塞ぎ始めた。流れ出していた血が止まりつつある。



「すごいな。治癒魔法なのか?」

「・・・・。」


 やはり俺の問いかけに対して返事は無い。ただ黙々と治癒をしていく。


 ふむ。


 アンソニーの治療が一段落ついたところでもう一度声をかけてみた。


「先ほどのお礼も言いたいし少し話がしたいんだが・・・」

「・・・・。」


 ・・・なぜそんなに無視するんだ。



 むむむ、怒ったぞ。



 俺は謎の人物の後ろに回り込んだ。そしてゆっくりと人差し指をその小さな背中にスーっと這わしてみた。もちろん触れるか触れないかのラインを攻めた。


 すると面白いぐらいビクンとした。はっはっは。なんだその動きは。ざまぁミソカツ。


「な、何をするんですか!?」

「すまん、手が滑ったんだ。」

「う、嘘つかないでください!!」

「なんだ、喋れるじゃないか。」

「あ・・・とにかく私に関わらないでください。」

「なぜだい?」

「・・・・・」


 う~む。完全に嫌われてしまった。修復不可能かもしれない。


 

 どうしたもんかと思っていると倒れていた兵士の1人が目を開けた。


「うっ・・・俺達は・・・助かったのか??」

「ああ、そこの黒ずくめが助けてくれたんだ。」

「ツバサなのか!?」

「そうだ。具合は大丈夫か?アンソニーだったよな確か?一体何があったんだ?」

「・・・ツバサと別れた後、俺達は盗賊に遭遇したんだ。まったく歯が立たなかった。しかもクロースが貴族だとバレて連れて行かれちまった。」

「なに!?」

「ツバサ、悪いが援軍を呼んできてくれないか?俺はまだ動くことが出来ない。」

「いや、俺はこのまま双子とクロースの救出に向かう。」

「無茶だ。1人でどうにか出来るもんじゃない。」

「大丈夫だ。それに事態は一刻を争う。今から戻っていたら日が昇っちまう。」

「本当に1人で行くのか??」

「ああ。」

「・・・分かった。」



「ツバサ、クロースを頼む。」

「任しとけ。」


「そこの黒ずくめっ俺は先に盗賊のアジトへ向かう。君は4人の治療を終えたら、出来れば援軍を呼んできてくれ。それが無理ならこの4人を守ってやってくれ。」


「・・・これを持っていってください。」

 そう言って彼女が差し出してきたのは小瓶に入った液体だった。


「これは?」

「ポーションです。」

「そうか、ありがとう。また後で会おう。」

「え・・・はい。///」


≪行くぞ、アリス。≫

≪うん。≫


 しばらく進むと、地面に何かを引きずったような跡と血痕らしき液体がポツポツと続いていた。比較的まだ新しい。夜目のスキルを持っていなかったら確実に見落としていた。


 クロースを引きずった跡か??ケガをしているようだ。

 

≪アリス、先に行ってこの先に何があるか確認してきてくれないか?≫

≪あとで頭撫でてくれる?≫

≪して欲しいのか?≫

≪うん。≫

≪良し、分かった。みんな助けて宿に帰った後な。≫

≪へへへへ///≫


 アリスはだらしなく微笑んだ後、満面の笑みで上空へと飛んで行った。やる気に満ち溢れている。



 走っているとすぐにアリスから連絡が入った。


≪ツバサ、そのまま行くと洞窟がある。しかもその前に2人見張りが立っているわ。ツバサの位置からだと10分程でぶつかる。≫

≪ありがとう、了解。そのまま軽く中の様子確認できるか??≫

≪うん。≫

≪頼んだ!≫


 おそらくそこが盗賊のアジトで間違いないだろう。血痕も続いているし見張りがいるなら確定だ。10分後には対人戦闘か・・・・俺に出来るだろうか?


 いや、やるしかない。


 背後に5枚ほどカードを浮かせ、鞘から刀を抜く。刀身が暗闇の中で不気味に輝く。まるで人の血を欲しているようだ。見るシチュエーションによって美しくもおぞましくも見える。


 日本で平和に育ってきた俺がこれから人を切るのだ。ドロップ品に変わるモンスターと違って人間は・・・・


 緊張が高まる。


 これは大切な人を理不尽な暴力から守るための戦いだ。覚悟は出来ている。


≪マスター!オレッチっす。≫

≪ロマン!それにグリンも。ここら辺にいたのか?≫

≪全力で走ってきたっす。≫

≪丁度いい。これから盗賊のいる洞窟に入る。ただ最初は静かに潜入したいから集団行動は避けたい。2人ともカードに入って休んでいてくれ。必要になったら呼び出すから準備は頼む。≫

≪おいっす。≫

≪了解・・です。≫


 2人をカードに戻し全力で走る。アリスの話によるとそろそろぶつかってもおかしくないが・・・・




 ・・・いた!


 見張りが2人。松明を持ちボケーっとしている。距離にしておよそ20メートルぐらいか。まだこちらには気が付いていない。


 魔法は派手だから使えない。となるとやはりまずはカードにしておくか。


 いつもより慎重に2枚のカードを飛ばした。バレにくいように真上からカードを落とす。


 トスっトスっ


『人間をカードに捕獲しますか?』×2

『イエス。』


 よしよし。中にいる盗賊にはバレていないだろう。


 この2人はどうしようか?盗賊の部下なんか欲しくないしな・・・スキルは・・・掃除と・・・鼻歌。


 なんだよ鼻歌って!?使い道なさ過ぎる。


 ・・・まあいい。


 それよりも洞窟内の道案内をしてもらいたいが、、、、見張りが中にいるのもおかしなことになるか。


 とりあえず盗賊の服だけもらっておこう。


 よし、いよいよ潜入だ!


昨日ブックマークしてくださった方ありがとうございます!モチベーションになります。


背中触られるとビクンとなるのって何なんでしょうね。笑


ここのとこ少し書きだめていた分が減ってしまいました。睡眠時間が減りそうです。汗


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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