表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
35/74

行方不明!?

 その後も順調に狩りをしていった。


 何枚かカード化したオークのスキルを見ても身体強化系ばかりで魔法スキル持ちを見かけない。筋肉質な体系通り武闘派のようだ。


 倒すにあたって特に有効なのはファイアーボールだ。異常なくらい拒否反応をみせる。豚肉だけに炎に弱いのだろうか?


 だとしたらなんだか悲しくなる。豚肉の(サガ)というやつか。



 ブヒブヒ。


 


≪ドロップ品のお肉のストックもできたことだし、そろそろ王都に戻ろうか?≫

≪うん。≫

≪了解っす。≫

≪はい・・。≫



 オークがよく出没するエリアを抜け王都の門が目視出来るところまでやってきた。今日は正門ではなく東門から出発したので帰りも東門だ。


 無愛想な門番に冒険者カードを提示して入国する。


 時刻は夕方を過ぎ、日が沈みかけている。


 だいぶこの街にも慣れてきた。冒険者ギルドのキャラクターの濃い面々も人生経験の一つだと思えるようになっていた。


 しかし何やら今日はギルドの様子がいつもと違う。笑い声や歌声が外まで聞こえてこない。何かあったのだろうか?


 不思議に思いながら足早にギルドの中に入ると、いつもの陽気な雰囲気ではなかった。みな真面目な顔をしている。笑っている者は1人もいない。


 するとハリウッド俳優のような端正な顔つきをした男が声をかけてきた。転移して初めて出会った異世界人。4人組冒険者パーティーのリーダーだ。


「ツバサ君じゃないか!?」


「あ、バノンさん!」


「聞いたよ。冒険者ランクを最速でFからEに上げたんだって?やるじゃないか。」


「えと・・たまたまです。それよりも何かあったんですか??」


「うん、それがだね、、、宿屋の双子が行方不明になってしまったんだ。今王都の兵士や任意の冒険者達が捜索をしているんだがまだ見つかっていない。」


「宿屋の双子??それって誰ですか!?」


 背筋にヒンヤリとしたものを感じる。


「ウサギの獣人で年齢は10歳、名前は姉のバニラちゃん、弟のロビン君だ。」


「そんな!?・・まさか・・・」


「もしかして知っているのかい?」


「はい、俺がお世話になっている宿屋の子達なので・・・」


「そうか。ツバサ君も知っていたのか。世間は狭いもんだな。」


「あのバノンさん、俺も捜索に加えてください!」


「・・・人攫いや盗賊の可能性もあるかもしれない。冒険者になりたての君には危険かもしれないぞ。」


「いや、それでも俺は助けたいです。」



 すると奥からギルド長のジゼルが話に割り込んできた。やはりこの男には威圧感がある。まるでヘビに睨まれたカエルになった気分だ。


「俺が許可しよう。ただし、捜索には危険が伴うかもしれない。全ては自己責任になるがそれでもいいか?」


「はい、もちろんです。」


「それと最悪の場合、無惨な姿を見る可能性もあるし、女のウサギの獣人の場合どういう扱いを受けるか理解できるよな?それを覚悟できているか?」


「はい。大丈夫です。」


 とっさに返事をしたが、実際はそこまで想定出来ていなかった。ただ見つけ出すという考えしかなかった。この国がいくら平穏な国とはいえ、日本と比べたら命の重みなど雲泥の差があるのだ。


 頭がクラクラしてきた。


 もしバニラちゃん達に何かあったら俺はどうなってしまうのだろうか?そんなこと考えたくもない。


「よし、分かった。現在この場所を冒険者達の本部として情報を集めているところだ。君も加わりたまへ。」

「はい。」


「今分かっていることは、お昼前に2人で買い出しに出かけて今もなお戻ってきていないということ。ちょうどその前後ぐらいの時間に、路地裏で子供の叫び声を聞いた人物がいるということ。黒ずくめの人物の目撃証言があるということだ。だが、もちろんこれが行方不明の双子かどうか確認が取れていない。黒ずくめの人物も事件に関与したか以前に性別すら分かっていない。」



「あの、ギルド長?少し小耳に挟みたいことがあるのですがよろしいですか?」 

 そう言って近づいてきたのは№2受付嬢のリザさんだ。


「なんだ?」

「あの、クレアさんと連絡がつきません。この緊急事態なので人手が足らず家まで呼びに行かせたのですがどうやらいないようです。」


「たしか今日クレアは午前中までだったな。」


「はい、コルバー商会の方と約束があると言ってお昼前には出ていきました。」



 すると今度は、端っこに座っていた傷の男が口を挟んだ。俺を殴ってペナルティーを食らった奴だ。

「あ、そういやこないだ、クレアが宿屋のお嬢ちゃんと2人で話してたのを見たぜ。しかもその時のクレアの表情がなんだか怖かったな。」


 こんな性格の悪い男が意外にも捜索に加わっているようだ。


「おいおい、まさかクレアが犯人とかありえないだろ。何しろそんなことをする動機なんてないだろ。」

 ギルド長が言った。


 その言葉を聞いて俺の心臓がわずかに反応した。


 ・・・・あるかもしれない。それは俺だ。


 バニラちゃん自身も、美女が俺について尋ねてきたと言っていた。やはり謎の美女とはクレアさんだったのか。あの日の夜中の姿がフラッシュバックする。


 ・・・罪深き私をお許しください・・・


 彼女の言葉が頭の中でこだまする。まさか・・・・こんなこと口が裂けても言えない。


 いやしかし、あの時点で俺はまだバニラちゃんと出会っていない。どういうことだ。俺に近づく虫を排除するという宣誓だったのか・・・


 頭が混乱してきた。


 動揺を悟られないように必死に取り繕っていると、傷の男と目が合った。


「いや、あるかもしれないぞ!なあそこの色男!」


 傷の男がわざとらしく大きな声を出す。


「なに!?どういうことだ?」


「ギルド長、クレアは相当このツバサとかいう色男に入れあげていました。しかしこいつはクレアの気持ちを弄び踏みにじったあげく宿屋の娘とデートをしたり一緒に寝たりして仲良くしていたらしいです。」


 ザワザワ。


 う・・コイツなんてことを言うんだ。こんなことを言われてしまったら否定したところでその印象がついてしまう。


 ・・・しかしなぜこいつは俺がバニラちゃんと仲良くしていたことを知っているんだ?つけていたのか??そうだとしても一緒に寝ていることはどうやって知ったんだ???


「ツバサ君今の話は事実なのか?」


「いえ、極めて不正確な情報です。まずクレアさんのことを弄んだことなどありません。バニラちゃんの件に関しましても、チキン公爵から暴行を受けていた彼女を助けたのがきっかけです。兄のように慕ってくれるので、俺も妹のように接していただけです。もちろん親御さんの許可を得て仲良くしておりました。」


 ザワザワ。


「ふむ。そうか。ここでどちらの話を信じるかは判断できない。とりあえずクレアを見つけなければならないことに変わりはない。リザ、ありえないとは思うが、安否を確認するためにも一応コルバー商会に確認を取ってくれ。何かトラブルかもしれないしな。」


「分かりました。すぐに誰か使いを出します。」




 その後も対応を協議していると、乱暴にドアが開けられ情報を集めていた冒険者がドタドタと入ってきた。なぜかいつもギルドの中で歌を歌っている奴が先頭だ。


「ギルド長!まずいかもしれません。盗賊らしき集団が泣き叫ぶ子供を連れていたという目撃情報が入りました。商人からの話なので信憑性は高いかもしれません。」


「・・・そうか、ご苦労だったな。みんなよく聞け!今の情報が本当だとすると双子は今盗賊たちに捕まっていることになる。しかも盗賊たちが容易に入国出来ないことを考慮すると、手引きした奴、仲間もしくは売り払った奴がいる可能性がある。」


 冒険者達の間でざわめきと動揺が広がる。


 しかし動揺はそれだけでは終わらなかった。興奮した様子で№2のリザさんが走ってきた。


「ギルド長!今コルバー商会に確認に行った者が帰ってきたのですが・・・どうやらクレアさんと会う約束をしていた人などいなかったようです。」

「何だと!?」


 ザワザワ


「・・・いよいよクレアが怪しいな。」


「これより、腕に自信があるものは盗賊の討伐に向かってくれ!それ以外の物は情報収集とクレアの捜索だ。」




昨日、今日、ブックマークと評価してくださった方ありがとうございます!エネルギーになってモチベーションが高まりました。


そう言えば昨日で投稿を始めてから1ヶ月が経ちました。面白くなるようにコツコツ頑張ります!


こないだも言いましたが以前の文章を時間がある時に改稿するかもしれませんが気にしなくても大丈夫です。もしかなり内容が変わる場合はアナウンスしますので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ