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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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狩りをする

≪それじゃあいくぞムサシ。豚さん入れてみるから。≫

≪はっ≫


 事故など起こらないと思うがいつもよりは緊張する。魔力を込め気絶している豚さんにカードを飛ばす。


『オークのカードに豚を捕獲しますか?』

『イエス。』


 その瞬間、豚さんは鏡が割れたようにベキベキになり光を発しながらカードに吸収されていった。どうやら上手くいったようだ。


≪ムサシ?豚さんそっちに行ったよね?≫

≪はい、気絶したままですが、、、、叩き起こしましょうか?≫

≪いやいやそのままでいいよ、その豚さんは任せるけどそれでいいかな?≫

≪もちろんでございます。≫

≪じゃあムサシのケガも治ってないし今日のところはそのままカードの中にいてくれ。≫

≪はっ≫




≪それと非常に言いにくいんだが、俺たちは今日オークを狩るためにここに来ているんだ。だけどもし止めてほしいなら帰るけどどうして欲しい?≫


≪何の問題もございませぬ。オークとして生を受けてから同族とも常に戦ってまいりました。戦いの中で死ねるのならば本望です。私の父と母も誇り高く散ってゆきました。そこに涙はありません。モンスターとはそういうものでございます。特に我々オークはそうかもしれません。≫


≪そうか、ゴブリンのグリンも同じようなこと言ってたが、モンスターの世界っていうのは完全に弱肉強食の世界なんだな。そういう意味では、戦わなくても別の手段で生きていける人間は恵まれているのかもしれないな。≫


≪ツバサ、私人間で良かったわ。≫

≪お、おう。≫


 ・・・アリスは幽霊じゃないかという気持ちをグッと我慢した。しかしそんな努力もロマンによってぶち壊された。


≪姉さんは人間ってより幽霊じゃないっすか。≫


 ギロリ!


≪うるさい、ちね。≫


 ドス!ドス!ぐぴゃっ


≪マ、マスター・・・・・たす・・け≫


 ・・・うん、今のはロマンが悪い。ツルツルボディが潰れて水たまりのようにへちゃけている。半殺しだ。


 もし俺が言っていたらどうなっていたのだろうか?考えるだけでゾッとする。



≪ツバサ~ロマンが虐めてきたよ。≫


 甘えた声ですり寄ってくる。


≪・・・よしよし≫

≪えへへへへ。≫



 こんなことがあったのにグリンの奴はずっと葉っぱで体をゴシゴシしている。そんなに自分の体臭が気になるのか。マイペースな奴だ。


 ふと目が合う。

≪僕・・オシャレ番長になりたい。≫

≪そ、そうか、良いんじゃないか。ただ警戒は怠らないでくれよ。≫

≪はい。≫



≪じゃあ気を取り直して依頼続行するとしよう。アリス、気配探知に引っかかったらすぐ教えてくれよ。≫

≪うん。≫

≪一回上空から探してみるわ。≫

≪分かった。頼んだよ。≫


 そう言うと霊体美少女のアリスはみるみる高度を上げていった。


 そして飛び始めて数分でオークを2体見つけてきた。なんて有能なんだろうか。



 腰に差していた鞘から刀を抜き構える。ボスゴブリンから頂戴した逸品だ。綺麗な剣先で太陽の光をキラキラと反射する。いよいよ実戦で使う時が来た。身体がウズウズしてくる。



≪いたぞ!俺は左を倒すからロマンとグリンで右のオークを頼む!最初はカード化しないから手加減しなくていいぞ。アリスは新たな敵が来ないか警戒しててくれ!≫

≪おいっす。≫



 ムサシで大体のステータスは分かっているので焦る必要はない。深呼吸した後、スキル:刀術レベル1を発動させる。


 相手は普通の片手剣を構えている。やはりオークは種族自体が筋肉質なのだろう。ムサシに劣るとも勝らない体系だ。


 スライムやゴブリン達と戦う時とは緊張感が違う。慎重に間合いを詰めていく。空気がピンと張りつめたものになる。


 するとシビレを切らしたオークが雄たけびをあげながら剣を振り下ろしてきた。その剣先のスピードはなかなかの速さだが動きからして剣術のスキルを持っていない。力任せの技だ。


 軽く受け流し今度はこちらが攻撃を放つ。剣術とは一味違った舞のような美しい動きだ。俺の身体によく馴染む。オークは全くこちらの動きについてこれない。



 ふむ。スキルの確認もしたしそろそろ終わらせるか。


 少し力を込めて一振りすると、オークは光を発しポンっと音を立ててドロップ品のお肉へと変貌した。


 いっちょ上がりだ。




 一方スライムのロマンとゴブリンのグリンチームは2人とも新スキルを使っていた。

 

 ロマンは硬化した体で捨て身のアタックをしている。面白いことに、硬化していてもロマン自身は自在に体を変形できるようだ。鉄の棒のようにもなるしカチカチの円盤にもなる。


 

 グリンはウィンドボールを放とうと魔力を込めている。まだ下手くそだが一応形になっている。しばらくすると緑色の球がオークめがけて飛んで行った。


 ファイヤーボールとかウォ―ターボールと同列の魔法だろう。使えない人間もたくさんいることを考えれば有能ではないか。


 大したケガもなく無事2匹をお肉に変えることができた。



 しかし休憩するヒマは無い。


≪ツバサ!戦闘音を聞きつけて新たに3体現れたみたい。こちらに向かってくるわ。≫

≪分かった。≫


 今度は刀を鞘に入れたまま柄を握り意識を集中させる。敵は俺を見てカモでも見つけたと思ったのか不敵な笑みを浮かべている。


 普段から3匹で狩りをしているのだろう。だが今回は相手が悪い。


 オーク達がアホ面で間合いに入った瞬間抜刀する。極限まで集中した一閃が3体を切り裂く。


 彼らは切られたことさえ分からずに、ポンポンポンとドロップ品に変貌した。実にあっけない。


≪マスター強いっす!≫

≪ロマンたちだってかなり成長しているじゃないか。≫

≪それもマスターのおかげっす。≫

≪ふふふ・・それもそうだな。≫



 それからしばらく探索し、きりのいいところでお昼ご飯にした。今日の依頼はすでに達成しているので、1匹分ぐらい食べても問題ない。


 カードからお肉を取り出し、適度な大きさにカットしてからファイアーボールで焼いてみた。香ばしい匂いが食欲をそそる。口の中によだれがあふれ出してくる。


「いただきます!」


 自然の恵みに感謝してから、一口食べる。その瞬間、肉汁が口いっぱいに広がる。なんて美味しいのだろうか。



「ツバサ、食べたい。」


 余っても仕方ないので1ブロック炙ってカードの中に入れてやる。霊体美少女は肉食女子だ。


≪ぐへへへへ、美味しい。≫

≪ふふっそれは良かった。≫


 女の子としてその笑い方はどうかと思うが、アリスのルックスならアリになってしまう。可愛い奴だ。


 その後も満足するまでお肉を食べ、エネルギーを回復させた。水は新たに覚えたウォーターボールにより供給可能だ。


 一服した後活動を再開させる。


≪午後からは、出来ればドロップ品も欲しいが主にカード化していくよ。≫











最後まで読んでいただいてありがとうございます。何度も読んでくださる方も感謝しています。


すいません。今日は少しまとめるのに苦労しました。文章削ってたらいつもより文字数少なくなってしまったかもしれません。


明日から第一章動いていきます!

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