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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
33/74

ムサシ

「本当に俺の仲間になるのかい?」

「**<_+▼〇>」


 うむ。さっぱり分からない。だが俺が喋ると、より一層頭を下げ斧を高く掲げる。おそらく間違いないだろう。


「よし、分かった。今から君を仲間にする。攻撃する意思はないから俺が今からすることを信じてくれ。」


 まるで手品のように手からスっとカードを出しオークに向かって投げた。突然のことに一瞬驚いたようだがまったく抵抗はしなかった。


 オークの体がひび割れ、眩しい光を発しながらカードに吸収されていく。



オーク:ランクE:レベル6

体力  20

魔力  18

攻撃力 23

防御力 20

素早さ 16


常時発動スキル 腕力上昇 小



 なるほど、進化していないただのオークだが最初からランクがEだ。今でこそロマンたちはランクがDだが最初はFだったことを考えると、もともとのモンスターとしての格がスライムやゴブリンよりも高いということか。


≪オーク君、聞こえるかい?≫


≪!?拙者は、、、、一体、、、、≫


≪ああ、そこは俺のオリジナルスキルのカードの中だよ。たった今から君は俺の仲間になったのさ。そしてその証に俺と君はテレパシーによって話すことが出来るんだ。≫


≪なんですとっそんなことが、、、、、≫


≪今からカードから出すからちょっと待っててね。≫


≪!?≫




「はい、改めて君のことを歓迎するよ。ここにいるのがさっきも紹介したんだけど、スライムのロマンとゴブリンのグリン。それでここに浮いてるのが霊体のアリスだよ。」


≪う、浮いてるでごわす!≫

≪いい食材ね。≫

≪しょ、食材とは拙者の事か!≫

≪うるさい、新入り。ふふふ。≫


 やばいぞ。またしてもアリスの新人いびりが始まった。しかもどこから持ってきたのか分からない包丁を手に持っている。本来美人で上品な顔のはずなのによだれを垂らし目をギンギンにさせている。やれやれ。


 パコーン!


「コラ!アリス!毎回毎回なにやってんだ。」

「ツバサ、違うの。」

「何が違うんだよ。鏡で自分の顔見てみろ。おぞましい顔してんぞ。」

「・・チュバサ・・・怒らないで。」

「かわいく言ってもダメだ!いいか、これから仲間になるんだから仲良くするんだぞ。」

「ふん。仲間なんて私だけいればいいじゃん。」


 あれ・・・もしかして妬いてるのか???今までも俺が取られる思って新人いびりをしていたのか?だとしたら可愛過ぎるんだが・・・・


 いや違うか、ロマンを殺しかけた件は完全に愉快犯だったし、グリンの件に関しても嫉妬などではないはずだ。


 まったく手間のかかる奴だ。


「もちろんアリスは大切だよ。それはこの先どれだけ仲間が増えても変わることは無い。」

「ほんと?」

「ああ、当たり前だろ。」

「へへへ、じゃあ許してあげる。」

「そうか、ありがとう。」


 ・・・なぜ俺が許してもらうんだ。よく分からんが。



「オーク君いつものことだからコイツの事は気にしなくてもいい。それでそうだな、君の名前なんだけど何が良いかな?」

≪な、名前でごわすか!そんなこと考えたこともございません。≫

「じゃあ俺が勝手に決めちゃうけど良いかな?」

≪はっもちろんでございます。≫

「それじゃあ君はムサシだ。今日からよろしく頼むよ。」

≪はっ≫


「ところでムサシ、だいぶケガをしているようだけど何かあったのかい?」


≪それは、、、ですね、、、就寝中にたいそう凶暴な豚に襲われまして、、不意を突かれてこのざまでございます。≫


「豚??それはオークではなく動物の豚のことかい??」


≪はっそうでございます。≫


「オークと豚ってどういう関係なの??」


≪それは個体によって違います。豚を先祖として崇める者もいれば、オークとは異なる劣等種として忌み嫌う者もおります。≫


「そうか複雑なんだな、ムサシはどうなんだい?」


≪拙者はそのどちらでもありませぬ。出くわせば戦いますが、嫌ってるわけでも崇めているわけでもございません。信じるのは己と殿、あなた様だけでございます。≫


「え?殿って俺の事??」


≪はっもちろんでございます。≫


 うむうむ。ホントにサムライみたいな奴だな。産まれる世界と時代間違えてるんじゃないか?戦国時代に生まれていればその喋り方も浮かないのに。


「そうか、とりあえず分かったよ。その傷がどこまで回復するか分からないけどカードの中で休んでてくれ。」

≪なんと!そんな効能まで・・・ありがたき幸せ。≫

「まあその左目が治るかは分からないけどな。」


≪じゃあみんな気を取り直してオーク探すぞ!≫


 ドドドドドドドド


≪ん?なんか足音聞こえないか?≫

≪マスター・・・何か来る・・≫

≪ツバサ反対方向から何か接近してくる。早いわ!≫

≪き、来たっす。≫

≪とりあえず、体制を立て直すぞ。全員走れ!≫


 ドドドドドドド!


 ブヒブヒ、ブヒヒイイィィン!


≪マスター豚っす!≫

≪ああ豚だな。ものすごい形相だぞ。≫


 なんだコイツ。相当でかい。これで本当に豚なのかよ。直撃されたら大ケガしそうだ。しかも走るのが早い。このままでは追いつかれてしまう。


≪まずいぞ!みんな一回カードに戻れ!俺が引き付けて始末する。≫

≪いや待ってくださいっすマスター。オレっちにやらせてくださいっす!≫

≪出来るのか?≫

≪はいっす!≫

≪分かった。じゃあロマン頼んだぞ!≫


 すぐさまロマンは豚を挑発し始めた。お尻ペンペンしている。まあスライムボディにお尻なんてあるのか知らないが。


 目の前で小賢しい動きをしていたからか、まんまと豚の標的がロマン1人に絞られた。


 その隙をついて、俺達は豚の視界からフェードアウトする。


 ロマンは大丈夫なのだろうか?崖に向かって一直線に走っているみたいだが、ちゃんと策はあるのか?


 ・・・


 追い詰められてないか?ロマンの奴崖登れないだろ・・・


≪おいロマン!大丈夫なのか??≫

≪はいっす!見ててくださいっす。これがオレっちの新しいスキルっす。硬化!≫


 ドガアアアァァァン!


 その瞬間、豚がものすごい砂ぼこりをまき散らしながら崖に激突した。明らかに豚と崖の間にロマンがいたが・・・潰されてペチャンコになってしまったのか。


 オレの心配をよそに、ゆっくりと豚の体が左に傾き始めた。徐々に右の前足と後ろ足が地面から離れていく。そのままバランスを戻すことなくバタンと倒れた。


 どうやら気を失ったようだ。


 まき散らされた砂ぼこりも晴れ視界が良好になると、一匹のスライムが崖の前で仁王立ちしていた。ケガ一つなく無事みたいだ。新しいスキルは硬化だったか。


 豚もまさかプルプルボディのスライムが固くなるなんて思ってもいなかっただろう。全力で顔面から石にぶつかったようなものだからそりゃ痛いだろう。なかなか使えるスキルだ。


 ドヤ顔なのが少しイラっとするがこれは我慢するしかない。


≪ロマン大丈夫なのか?≫

≪はいっす。見てくださいこのボディ!カチカチっす。≫

≪おう、見てるよ。強くなって良かったな。≫



≪ツバサ、この豚どうするの?≫

≪うーん、どうしようか?ただの動物だからカードにしてもスキルなんて持ってないだろうし、とどめを刺してもドロップ品無いだろうし、お肉をもらうにしても自分たちで解体しないといけない。せっかくだがこのままにしておくか、そのうち目も覚ますだろうし。≫



≪殿!その豚、一度見していただいてもよろしいですか?≫

≪ムサシか、いいぞ。ほれ!≫



≪なるほど、確かに私を襲った豚でごわす。≫

≪大きくて凶暴な豚だな。≫

≪殿、この豚私のカードの中で飼えないでしょうか?≫

≪!?ムサシを襲った奴なのにいいのか?≫

≪はい、ここで再び会ったのも何かの縁、必ずや殿の役に立たせてみせます。≫

≪そっか。分かった。じゃあとりあえずムサシはカードの中に戻ってくれ。それからこの豚もカードの中に入れてみるよ。≫

≪御意!≫


昨日ブックマークしてくださった方ありがとうございます!嬉しいです!


まったく関係ないですが、CMで上白石萌歌さんがHYの「366日」歌うのあるじゃないですか?

フルバージョン見たんですがとてもいいですね。歌声が綺麗過ぎると言いますか、なんか見ちゃいますよね。

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