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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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ママさん恐るべし

 その日の夜は、バニラちゃん達家族と肉団子いっぱいのお鍋を一緒に食べた。みんなで食べるご飯は日本を思い出し感慨深いものがある。


 正直に言うと、ご馳走とみせかけてニンジン料理ばかり出てくるのではないかと思っていたので、普通の美味しいお鍋が出てきた時は安心した。


「本当にツバサ君には感謝しているよ。娘と息子を助けてくれて我が家の恩人だよ。」

「いえいえそんなこと気にしないでください。」



「えーとですね、美味しいご飯の最中なんですが、皆さんに少しお話があるのですがよろしいですか?」

「なにかね?」

「俺の出身とスキルについてです。」

「・・・。」

「すでに、パパさんとロビンはスキルについて、バニラちゃんは俺の出身について知っていると思いますがこの際ちゃんと話しておこうと思います。」

「そうか・・・では聞こうか。」


 それから俺の出身が異世界の日本であること、オリジナルスキル持ちであること、何のために旅をするのか分かりやすく説明した。


 全員ポカンとしている。特にママさんには何も言ってなかったので一番驚いている。


「それで皆さんに改めてお願いなのですが、このことは内密にお願いします。」


「異世界人か・・・俄かには信じられる話ではないが・・その絵本から出てきたような顔立ち・・オリジナルスキル・・・。我々に嘘をついたところでなんの利益もないはずだから・・・そうか、本当なのかもしれんな。」


「はい。」


「・・・・。」


「ツバサは宇宙人だったんだな!」


「いや・・・俺からしたらみんなが宇宙人なんだが・・・」


 その瞬間食卓が笑いに溢れる。驚きと困惑の雰囲気が明るいものへと変わる。


「いいか、みんな!ツバサ君の出身地とスキルはもちろん口外禁止だ。絶対に他言してはいけないぞ。もしこのことが知れ渡るとどうなるのか予測できない。場合によっては危害が加えられる可能性もある。」


「あなたもちろんよ。バニラとロビンもいいですね?」


「はい。」


「俺も分かってるよ。」


「信じてくださってありがとうございます。いつまでこの国にいるのか分かりませんが、滞在している間よろしくお願いします。」


「もちろんだよ。こちらからお願いしたいぐらいだよ。まあかしこまった話はここら辺で終わりにしよう。それよりもだ、、、、ツバサ君、私の娘のバニラとはいつ結婚してくれるんだい?」


 ブホッ!!


 口に含んでいたものを全部噴き出してしまった。聞き間違いだろうか??何を言い出すんだこの人は・・・


「お父さんいきなり何言ってるの!!やめてよ!!」


「そうだぞオヤジ、確かにツバサは命の恩人だがバニラ姉には釣り合わない!」


 おうおう、弟君はほんと姉思いだな。


 バニラちゃんにいたっては顔を真っ赤にさせてあたふたしている。


「えーと・・・パパさん・・・酔っ払い過ぎじゃないですか??」


「もうあなたっ突然変なこと言わないの。さっきのツバサ君の話聞いてたでしょ?世界中を旅するのよ?それにバニラはまだ10歳なのよ?結婚自体できる年齢じゃないじゃない。こういうのは本人たちが時間をかけてゆっくりと育んでいくことなんだから、あなたが今の状況で口をはさんでいい問題じゃないの。心配しなくても、バニラならいつの日かこの国に戻ってきたツバサ君を虜にしてしまうわ。それにきっとツバサ君もバニラの事を見捨てたりなんかしないわ、これだけ優しい少年なんだもの。ねえツバサ君!?」


 お、おう。もしかしてママさんが1番計算高いのか・・・・完全に俺の逃げ道を潰してきてるよ。まあ悪い話でもないんだけど。


「ハハ、ハハハハ、そ、そ、そ、そう、、ですね。先の事は誰にも分かりませんけど、運命というのは世の中にあるかもしれませんね。ハハ、ハハハ。」


 その後の記憶はほとんどない。


 気が付いたら布団にくるまっていた。真横には昨日までと同じようにかわいいウサギさんが安心しきった顔で眠っていた。


 なぜ、どうして普通にいるの??


 ・・・まあ今すぐどうこうとかいう話でもないし、変に意識して避けてもかわいそうだ。今まで通りでいいのだろうか。


 ・・・何となくママさんの手の平で転がされてるような気がしないでもないが・・・。


≪アリス??まだ起きてる??≫

≪うん。≫

≪俺ってどうしたらいいと思う?≫

≪知らない。≫

≪・・・そうか。≫


 もう寝よう。明日はまた冒険者業だ。



 翌朝当然のように人差し指をガジガジされていた。


 またニンジンを食べる夢でも見ているのだろうか。何気に痛いけど嫌いじゃない。はい。止めてほしいけど止めてほしくない。はい。


 行ってらっしゃいと言われながら宿屋を出て冒険者ギルドへ行く。


 まるで新婚みたいじゃないか。・・・いや宿泊客には全員に言ってる言葉だろう。


 うん。妄想がひどくなってきたかもしれない。気を引き締めていこう。



 今日は№1のクレアさんと№2のリザさんの両方がちゃんと出勤しているようだ。


 とりあえず先に依頼ボードの方へ足を向ける。ランクがFからEになったことだし、そろそろゴブリン以外のモンスターを相手にしたいものだ。


 どれかちょうどいい依頼はないだろうか?


 パッと見ただけでは数がたくさんあるので分からない。他の冒険者をうまく避けながら1つ1つ丁寧に確認していく。


 するとオーク3体の討伐依頼を見つけた。依頼のランクはEで腕試しにはちょうどいい。ドロップ品はお肉のようだ。余分に狩れば食料の確保にも繋がり一石二鳥だ。


 この依頼を受けよう。


 №2のリザさんと№1のクレアさんから視線を感じる。


 うむ。不必要な波風を起こしたくない。無難にクレアさんに並ぼう。


 相変わらず他の受付嬢に比べて列が長い。あの夜の光景さえ見ていなければ本当に美人に見えるのだが、、、、


 今はそれに加えて、バニラちゃんに俺の事を訪ねてきた謎の美女の疑惑もある・・・もしクレアさんだった場合ストーカーの可能性もある・・・


「ふふ。あら、おはよう、ツバサ君。昨日は1日お休みしていたみたいね。」

「そうなんですよ、少し用事がありまして。そういえばクレアさんも一昨日は、お昼で仕事切り上げたんですね。何か大事な用ですか?」

「ええ。私も用事があったからね。」


 軽くジャブを打ったがやはり答えてくれなかった。


 これだけでは何も分からないが・・・これ以上探るのは危険な気がする。ここら辺で止めておくか。


「今日はオークの討伐依頼を受けるのね。」

「はい。」

「そういえばツバサ君冒険者ランクが最速でEになるなんてすごいじゃない!」

「ありがとうございます。でもまあ、、たまたまなんで・・・」

「ふふふ、謙遜しちゃって。かわいい。ツバサ君にかかればオークなんて余裕かもしれないけどケガの無いようにね。」

「はい。行ってきますね。」


 そうしてクレアさんとやり取りした後、ドアに向かう途中、既視感のある視線を感じた。


 顔に傷のある例の男だった。何をしてくるわけでもなくニタニタしながら見てくるだけだが、いい加減気持ちが悪い。


 俺を殴ってペナルティーを受けたことをまだ根に持っているのか。どちらかというと俺がクレアさんを口説いたのではなく、俺が口説かれていたんだが・・・・


 とりあえず関わり合いたくないので無視して足早にギルドを後にした。


 いつもは正門から出入りしているが、今日は初めて東門から出発した。


 正門ほど立派な門ではないが、ツバサにとってはそれでも大きな門だ。


 さあ今日はオーク狩りだ!


昨日ブックマークしてくださった方ありがとうございます。嬉しいです。エネルギーになりました。


今までの文章を少しばかり改稿するかもしれませんが、ほとんど何も変わらないと思いますので気にしないでください。読みにくいところを多少手直しするだけなので。


あと明日の更新なんですがもしかしたら遅れるかもしれません。たぶん大丈夫だと思いますがその場合は20時までに活動報告の方でお知らせします。何も活動報告に書いてない場合は、いつも通りに更新しますね。

ちなみに活動報告は画面下の作者マイページから閲覧できます。


拙い文章ですが今後とも暖かい目で宜しくお願いします!

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