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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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一網打尽

「ツバサ!もう少しで昨日のゴブリンの棲家に到着するわ。」

「よし!みんな最新の注意を払って進むぞ。こっから先は俺もバンバン戦闘に参加するぞ!」


「見張りのゴブリンが4匹ほどいるみたい。」

「ゴブリンにしては組織だっているな。おそらく下っ端だろうから、援軍を呼ばれないように速やかにカード化してしまおう。」


 4枚のカードを浮かせ、それぞれ一直線に飛ばした。その様はまるで、音もなく獲物を狩るハヤブサのようであった。


 ゴブリン達には何が起こったのか理解できないだろう。森にいたはずが、気が付いたら真っ白な世界にいるのだから。


「ツバサ、前よりもカードのスピードが上がってる。」

「そうかな?まあ俺も成長してるってことかな。それにちょっと気合が入っちゃってさ。」

≪流石マスターっす!≫

「イヤイヤ、これからもっと派手にいくから、みんなは取りこぼしてしまった奴を頼むよ。まずは、洞穴に潜んでるゴブリン達をおびき出して一網打尽にするから。」


 そう言って、カードを10枚ほど空中に浮かせた。そのカードを洞穴の入り口に規則正しく並べた。入口はある程度の大きさがあるので、塞ぐことは出来ないがこれでいい。


 俺は自分に魔力を込め集中した。そしてカウントダウンを始めた。


≪10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0、発射!!≫



 その瞬間、洞穴の入り口に浮かんでいた10枚のカードが一斉に発光しファイアーボールが発射された。


 暗闇の中を炎が照らしだす。


 ゴブリン達は奇声を上げながら右往左往する。予想外の攻撃に身動き出来ず立ちすくんでいる奴もいる。


 洞穴に何匹いるのか正確には分からないが、全体がパニックになっているのは間違いない。


 もちろん多くのゴブリンをカード化するために、魔法の威力は抑え気味にしてある。なので一発で死んでしまうことはほとんど無いはずだ。

 

 慌てて外に出てきたゴブリンから順にカード化していく。まさに計画通りだ。


 奴らは自分からカードにしてくれと言わんばかりに、俺の前に現れては面白いように収納されていく。


 先ほどから頭の中で『ゴブリンを捕獲しますか?』という無機質な音声が鳴りやまない。


 カードから運よく逃げた奴らは、ロマンとグリンが左右に分かれて対応してくれている。こちらは討伐報酬ように倒しきるように指示を出してある。


 パニック状態の相手など大して苦労もせずに倒せるみたいだ。2人の足元にドロップ品が散乱していく。


 しばらくすると洞穴から出てくるゴブリンの姿が見えなくなった。


 終わったのだろうか?一応警戒しながら洞穴の様子を窺った。


 先ほどまでの喧騒が嘘のように静寂に包まれている。辺りには焦げ臭いニオイが漂う。


 やはり俺自身も気配探知か、暗闇でも普通に見ることが出来る夜目を習得しなければいけない。今回カードにした奴に持っている奴がいたらいいのだが、、、確認はとりあえずあとだ。


≪アリス、グリン!聞こえるか?洞穴の中にもう敵がいないか確認したい。それぞれ気配探知と夜目で確認してみてくれないか?≫

≪分かったわ。≫

≪・・了解です・・≫




≪ツバサ・・・気配が探知出来ないわ。なんだか邪魔されてるみたい。≫

≪マスター・・・まだいます。しかも大きいのが3匹です。≫


≪気配探知出来ないのに存在するのか。ということは・・・気配遮断のようなスキル持ちがいるのかもしれない。しかも大きいということは群れのボスである可能性も高い。≫


 う~む。これほどの大所帯の群れのボスとなるとなかなか厄介かもしれない。しかも洞穴から出てこない。夜目を持たない俺が暗闇で戦うのは危険だ。


 グリンの話から大体の狙いをつけて、試しにファイアーボールを放ってみた。


 しかしゴブリン達に当たることはなく、直前で水魔法により炎が消えてしまった。


 これには多少驚いた。いくら俺の火魔法の方が威力があっても、やはり属性の有利、不利はあるみたいだ。属性の優劣差を覆すには圧倒的な力が必要ということか。


 気配遮断系のスキルに水魔法持ちまでいる。どうしようか?暗闇の中ではよく見えないのでカード化するのも難しいし、近接戦闘するのも厳しい。


 う~ん、火魔法を明かりにすればいいか。


 大きめの魔力を込め丸い炎を空中に浮かせてみた。すると初期魔法とは思えぬ大きさになってしまった。周りの空気がユラユラ揺らめき、心なしか肌がチリチリする。


≪マスターこの魔法は何っすか!?≫

≪ただのファイアーボールだけど?≫

≪普通こんなに大きく出来ないっす!≫

≪そうなのか??よく分からんが・・・≫


 そんなことより問題は、こんなものを空気の流れの悪い洞穴にしばらく浮遊させてしまうと、一酸化炭素中毒にでもなって死んでしまうのではないかということだが・・・・はっきり言って俺には俄かの知識しかないのでよく分からない。そもそもこの世界にそんな中毒があるのかもよく分からない。


 彼らを逃がすわけにはいかないので、とりあえず実行するしかない。早いとこ決着をつけてしまおう。


 炎の塊を上空に飛ばし真ん中あたりで固定した。すると洞穴の中が明るく照らし出された。


 獣臭いニオイに鼻を摘まみながら辺りを見回す。布切れ、棒、剣などがそこらじゅうに散らかっている。


≪マスター・・・あっちです。≫


 そう言われて、グリンが指差す方向を見ると、壁際に3匹のターゲットがいた。目を見開き動揺しているようだ。


 しかし武器を構えているということは、まだ戦意を失っていないのだろう。


 左右のゴブリンも平均より大きそうだが、真ん中のゴブリンはさらに体が大きい。おそらくコイツがこの群れのボスだろう。


 しかも持っているのは剣ではなく刀だ。それほど良いものではないと思うが、少なくとも俺の剣よりは質が良さそうだ。


 冒険者から奪った物だろうか?腕には数珠のようなブレスレットをつけている。間違いなくゴブリンが製造できるものではない。


 すると、真ん中の刀をもったゴブリンが1匹、前に進み出てきた。


 もちろん全員カード化するつもりだがその前に、俺の強さを理解させるのもいいかもしれない。


「おいお前がボスか?悪いが捕獲させてもらう。」

「;。▽・。;@@^-、;。△」


 ・・・うむ、なんて言ったのかさっぱり分からない。


「悪く思うなよ!」


 俺はゴブリンに向かって走り出し斜めに切りつけた。


 しかし、あと少しのところで防がれ反撃を食らう。もちろんボスとはいえ、ゴブリンの攻撃など体に当たるわけないが、受け止めた衝撃で、剣を持つ手が多少痺れた。おまけに武器の性能差がある。


 うむ、ゴブリンにしてはなかなかやる。


 並みの新人冒険者ならこいつの餌食になっているだろう。というかこいつの恰好を見るに、実際餌食になってしまった冒険者が何人かいるのだろう。


「どうした?ゴブリンのボスなんだろ?こんなもんか?」

「△?**+|\〇▽!!」

「あん??なに言ってんのかさっぱり分かんねーよ。」


 ドシュ!


 俺の剣がクリーンヒットした。かなり効いたようだ。


 ヒュン!


「おっと。そんな大振りじゃ俺には当たらないよ。」 


 休憩させるつもりもないのでもう一発切りつける。すると目に見えて動きが悪くなった。


 息もゼイゼイとさせ激しく肩を上下させている。チェックメイトだな。


「これで実力差が分かったか??悪いが俺には弱者をいたぶる趣味は無いから、これで捕獲させてもらう。」


 トス!


『ゴブリンを捕獲しますか?』

『はい。』


 その際、ボスゴブリンが持っていた刀はありがたく頂戴しておいた。

 

 これでボスは片付いたので、残りの2匹に目を向ける。


 俺と目が合うと下を向き縮こまる。


 どうやらボスが簡単に破れたのを見て、観念したようだ。大した抵抗もなくカード化されていった。


≪よし!これでゴブリンの制圧完了だ!ここは空気が悪いから急いで洞穴の外まで戻るぞ!≫


≪マスターやったっすね!ほとんど1人で倒しちゃったっす。≫

≪ツバサすごい。神の生まれ変わりだわ。≫

≪マスター・・強い・・≫


≪ああ、上手いこといって良かったよ。みんなありがとう!今日はもう少し頑張ろうか!≫

≪うん!≫

昨日評価、ブックマークしてくださった方ありがとうございます!少し悩んでいたのでとても救いになりました。


大坂なおみなさん8時現在まだ分かりません。応援してます。


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