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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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古代ローマ人

昨日一応活動報告の方に書いたんですが、分かりにくくてすいません。更新時間なんですが、20時ぐらいで様子を見てみようと思います。

 さてと、弟君もいなくなったことだしお湯がぬるくなる前に体を拭こう。


 お風呂に入れないのは、日本人として多少残念だが、こちらの生活水準にも慣れなくてはならない。


 温かいタオルで体を拭くと思いのほか気持ち良かった。特に目の上にあったかいタオルを乗せると疲れが取れていく。


 しばらく上半身をフキフキして綺麗になったところで、ズボンを脱ごうとした。



 ん?・・・そういえば・・・


 ゆっくりと後ろを振り向いた。


 やっぱりか。


 頬を紅潮させ体をクネクネさせている。ギラついた目からビームでも出そうだ。


「体拭き終わるまでカードの中に入っててくれよ!」

「ブー。ケチ。」

「かわいい顔してもダメ!」


 頬をプクっとさせながら抗議していたが、渋々カードの中に入っていった。まったく、油断も隙もない奴だ。なぜ男の俺が狙われる側なんだか。


 その後下半身もしっかり綺麗にしてからまたしてもあることに気が付いた。


 そう、俺は着替えの服を持っていなかった。


 とりあえず、今日着ていた服は、汗臭いからお湯洗いするとして、、、乾くまで着ている服が無い。


 アリスもカードから出たがるだろうし、スッポンポンで過ごすのは流石に気が引ける。


 う~む。


 こうなったら奥の手しかない。ベットのシーツにくるまればいいんだ。どうせ誰も来ないし一晩ぐらいなら問題ないだろう。意外とイケる。


≪アリス、もう出てきてもいいぞ!≫

≪・・・何その恰好?≫

≪古代ローマ人だ。≫

≪・・・・。≫

≪何か言ってくれよ。俺だってオシャレでやってるわけじゃないんだ。≫

≪ダサいよ。≫

≪・・・うん。≫



 シーツで遊ぶのもひと段落すると、携帯があるわけでも無し、テレビがあるわけでも無し、ゲームがあるわけでも無し、ベットでゴロゴロするしかなかった。


 暇過ぎてだんだん目がトロンとしてきた。


「アリス~この世界って何か娯楽ないのかな?」

「知らない。」

「あ~もう寝ようか?」


 しかしその時、部屋のドアがコンコンっと鳴った。


 不意打ちだったのでビクっとなってしまった。


 こんな時間にいったい誰だろうか?


「あの・・バニラです。」

「なに!?」


 まさかの訪問客だった。


 急いでドアを開ける。


 するとニンジン柄のパジャマを着た、小さな女の子が不安そうに立っていた。手には枕を抱えている。


「やあ、バニラちゃん。ごめんよ、今替えの服が無くてこんな格好だけど・・・どうかしたのかい?」

「んと、あの・・今日ツバサお兄ちゃんと一緒に寝てもいい?」

「え?えーと・・それはマズイんじゃないかな・・」


 長いウサミミがしょんぼりする。分かりやすい。 


「・・・どうして?」

「俺はこう見えてオオカミになるからね。」

「え?お兄ちゃんてオオカミの獣人なの??」

「いや人間だけど・・・」

「だったら問題ないよ。」

「いや意味がちが・・・」


 バニラちゃんは不思議そうに首をかしげる。むむむむ。小さな子に説明するのは難しい。


「パパとママはOKしてくれたのかい?」

「・・・ツバサお兄ちゃんが迷惑じゃないならって・・・」


 少しだけ耳がピョコンと立った。

 


 親御さんから信頼されている。友達の家でお泊り会をするノリか。俺が理性を保てば問題無い。



「そっか・・・」

「いい?」

「じゃあおいで。一緒に寝ようか。」


 そう言うと、長い耳がピンピンになる。かわいい。


「うん!」

「ちなみに弟君は今どうしているんだい?」

「寝てるよ。」

「あ~そうなんだ。」


 ふふっバニラちゃんの騎士様が聞いて呆れるぜ。


「ちょうど俺ももう寝ようかなって思ってたとこだったからタイミング良かったよ。」

「あのツバサお兄ちゃん・・・迷惑じゃなかった?」

「もちろんだよ!かわいい妹が出来たみたいで嬉しいよ。」

「かわいい・・・妹・・・へへへへへ。」


「じゃあ眠たいし寝ようか。」

「うん!」


 バニラちゃんはそう言うと、ベットにピョンと飛び乗り頭から布団に潜り込んだ。しばらくもそもそ動いてピョコっと顔だけ出すさまは、まさしく小動物だった。


 その時俺がノックアウトされたのは言うまでもない。がしかし、もちろんそんな素振りを見せるわけにはいかない。


 相手は俺を慕ってくれるかわいい妹だ。しかも今日怖い思いしていて心も傷ついているのだ。


「ツバサお兄ちゃん、手貸して。いつもパパかママの腕を抱き枕にして寝てるの。」

「えっと、、いいけど。」

「ありがとう。」


 ギュっ


 おほっ。ほほほほほ。左腕に人の体温を感じる。物理的なあったかさだけではなく、心までホッコリするあったかさだ。


「えへへへへ、あったかいね。」

「そ、そうだな。」


「お兄ちゃんさ明日も冒険者として依頼受けに行くの?」

「うん、そうだよ。」

「そしたらまたうちの宿に泊まってくれる?」

「うーん、しばらくお世話になろうと思ってるけど、なんだか弟君に嫌われちゃってるかもしれないからどうしようかな。」

「そんなの気にしなくていいよ。」

「そうかな?」

「なんでか分からないけど、弟はいつも男性の宿泊者が来るとあんな態度になっちゃうの・・・」

「あ~なるほどね。いつものことならあんまり気にしなくていいかな。それじゃあしばらくお世話になるよ。」

「うん!」


「イテっ!」

「どうしたの??」


≪ちょっとアリス、ツンツンしないでくれよ。≫

≪ふん。≫


「あ、いや、何でもないよ。足をぶつけちゃっただけ。」


 う~む、ちょっと拗ねてしまった。どうしようかな。


≪アリスもおいでよ!3人で寝るよ。≫

≪ふん。≫


「お兄ちゃん大丈夫??」

「うん、大丈夫、大丈夫!じゃあそろそろ寝ようか。」

「うん。おやすみなさい。」

「おやすみ。」


 結局左側にウサギの獣人バニラちゃん、右側に少し不機嫌な霊体美少女アリスという配置で寝ることになった。


 左右では美少女達が俺の腕につかまりながらスヤスヤ寝息を立て始めた。なんて甘いシチュエーションなんだろうか?


 安心して無防備に寝ている姿を見ると、俺も眠気を誘われ、案外すんなりと眠りにつけた。


 昨日は途中からクレアさんに怯えていたので久しぶりの快眠だった。



 まあ、それも明け方になって何やら左手の指に違和感を感じるまでの話だが、、、、、


 気が付くとバニラちゃんが俺の人差し指をガジガジしていた。甘噛みなのでそこまで痛いわけではないが、何の夢を見ているのだろうか?


 気持ちよく眠っているみたいなので起こすのは止めておいた。


 しばらくすると自然にガジガジはしなくなった。


 もちろん紳士たる者、ガジガジが名残惜しいなどとは思っていない。うん。断じて、もう少ししてくれていても良かったとは微塵も思っていない。・・・・微塵もだ!


「う、、、、うぅん。」


 モゾモゾし始めたからそろそろ起きるだろうか?この歳で艶めかしい声を出しおって、けしからんな。まったく。


「う~ん・・・パパ?」

「ツバサだよ。まだ寝ぼけてるの?」

「あ、おはようございます////。」

「おはよう。よく眠れた??」

「うん。ツバサお兄ちゃんがいたから安心してぐっすり眠れたよ。」

「そっか、それは良かった。」

「それにね、ニンジンいっぱい食べる夢見たんだ。とてもおいしかったの。」


 ニンジンか、間違いなく俺の指がニンジンとなっていたのだろう。かわいいもんだ。


 いつまでも余韻に浸っていたいがそろそろ起きて朝の準備でもしよう。今日も1日頑張らなければいけない!!


昨日ブックマークしてくださった方ありがとうございます。日々感謝です。


ちなみに活動報告は画面一番下の作者マイページから見ることが出来ます。更新が大幅に遅れる時や何かあるときは、最新話かそこにお知らせするので宜しくお願いします。

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