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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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進化

 バニラちゃんの弟君がわざとらしい咳払いをしてくる。姉ちゃんに馴れ馴れしくするなと言いたいのだろう。


 仕方がないので、部屋に戻ろうと席を立つ。


「あ、ツバサお兄ちゃんもう行っちゃうの?」 

「ああ、ご飯美味しかったよ。」

「う~・・・もう少し・・・」


 ふふ。


「よしよし。」


 バニラちゃんの頭を撫でてやると、照れながらも目を細めて気持ちよさそうにする。猫みたいだ。


「なにしてんだ!バニラ姉に触るんじゃない!」

「おっと、弟君ごめんよ。じゃあ俺は部屋に戻るよ。」

「さっさと行けピョン!後で、俺が、お湯とタオル持ってってやるから待ってろピョン!」

「なんだ、バニラちゃんが持ってきてくれないのかい?笑」


 ムキィィィ!


「はっはっはっは。」

 

 弟君はちょっとからかいがいがある。めんどくさいが少し面白い。


 そのまま睨まれながら食堂を後にした。お腹が張って歩きにくい。



 ゴロゴロしたいところだが、ロマンたちの強化をしよう。


 俺の強化もまだまだしなくてはいけないが、まずは全体の底上げだ。


 霊体美少女のアリス、スライムのロマン、ゴブリンのグリンのカードを除いて、今手元にあるカードは全部で20枚だ。内訳はゴブリンが10枚とスライムが10枚。


≪みんな今から我が秘密結社の秘密の儀式を行う!まずはアリスからだ。カードに戻りなさい。≫

≪なに?≫

≪いいから空気読んで。≫

≪うん?うん。≫


 問題は彼女が霊体だということだが、、、物理攻撃のスキルは習得しても意味が無い。というよりできないだろう。


 習得出来たら嬉しいのは魔法系のスキルだが、、試してみないことには何とも言えない。


 左手にアリスのカード、右手にゴブリンカードを持ちながら魔力を込めて合成する。


 すると無機質な音声が響いた。『ベースとなるカードを選択してください。』


 俺自身に合成するときはこんなこと聞かれなかったが、、、おそらくマスターカードは自動的にベースになるのだろう。


 ふむ。もちろんアリスをベースに選択。ここで間違えたら1ミリも笑えない。


『受け継ぐスキルを1つ選んでください。』

 

 ふむふむ。


『ロックボール』を選択っと。


 貴重な魔法スキルなので失敗したらもったいないことになるが、どっちみち実験はしないといけない。今で良いだろう。


 ゴブリンのカードが発光しアリスに吸い込まれていく。神秘的な光景だ。


 すぐにステータスを確認してみた。


 しかし残念ながらロックボールは習得出来ていなかった。その他のステータスも?としか表示されていないので上がったかどうかも分からない。


 う~む、やはり出来なかった。もともと物理攻撃は無理だと分かっていたが、魔法攻撃も無理なようだ。理由はよく分からないが、霊体では厳しいのだろう。


 これでアリスは攻撃要員ではなくサポート要員として頑張ってもらうのがハッキリした。



 あとは、気になるのが気配探知レベル1だ。


 もともと絶対にバレない諜報部員として有能すぎるので、これを覚えられたらさらに有能になってしまう。


 ダメもとで気配探知レベル1を合成してみた。


 するとアリスから反応があった。


≪ツバサ!なんか体が変になる・・・≫

≪少し我慢してくれ。≫


 いけるかもしれない!魔法はダメだったが、こういった、もともとの機能を強化したようなスキルは覚えられるかもしれない。


 よしよし。


≪アリス、出てきていいよ!≫

≪うん。≫

「成功だよ!」


「どうやら魔法はダメだったみたいだけど気配探知は習得出来てるよ!アリスは戦闘タイプじゃないみたいだから諜報部員として、忍者として頑張ってよ。戦争や戦闘は情報が命だったりするからね。アリスの存在はとても大きいよ。」

「そっか。ちょっとショック・・・だけどツバサのために頑張る。」

「うん!それにアリスはいてくれるだけで嬉しいよ。」

「えへへへへへ。」


 ううん!この顔がかわいい。悪魔の一面を持ってるけどそれも含めてかわいい。



≪みなのもの、アリスは強化された。拍手だ。続いてのメンバーはスライムのロマンだ。≫

≪ツバサの急なそのテンションなんなの?≫

≪無礼者!空気を読め!今はロマンの番だ。≫


 

 うむうむ。ロマンの場合スライムだから何かその特性を生かしてもらいたいんだけど、、とりあえず10枚のスライムを使ってスキル:亜空間接続レベル1を強化してみようか。


 今回も左手にロマンのカードを、右手にスライムカード10枚を持ち合成してみた。もちろんベースにするのはロマンだ。


 時間短縮のため複数のカードをいっぺんにまとめて合成する。


 が、途中で予想外の事が起こった。


 無機質な音声が『スライムのレベルが最大になりました。5枚を使って進化させますか?』と言ってきたのだ。


「!?」


 驚きつつもとりあえず『はい。』を選択するとロマンのカードが眩しいくらい発光し中で何かが起こった。一瞬のことだったがとても長く感じた。


≪マスターエネルギーが溢れてくるっす!≫


 恐る恐る目を開けカードを見てみると



ハイスライム:レベル1 ランクF→E

体力  9→15

魔力  8→14

攻撃力 9→17

防御力 7→15

素早さ 15→22


スキル:亜空間接続レベル1→2



「おお!」


 ただのスライムからハイスライムに進化している。レベルは1に戻ってしまっているがステータスは上がっている。しかもスキルのレベルもだ!


 まさか強化だけでなく進化まで出来るとは大発見だ!!


≪ロマン出ておいで!≫

≪おいっす!≫


 カードから出てきたロマンは一回り大きくなっていた。他の変化は・・・いまいちよく分からないが確実に強くなっている、と思う。


≪マスター!オレっち進化しました。どんどん力が溢れてくるっす。見てくださいこのボディ。前よりもツヤツヤでハリがあるっす。≫

≪お、おう。良かったな!≫


 人間の俺にはスライムボディーのハリが増したと言われてもよく分からない。しかし本人が喜んでいるのだから結果オーライだろう。


 これでロマンはひとまず完了だ。


≪みなのもの、ロマンは私の力により進化した。感謝するがよい。続いてのメンバーはゴブリンのグリン、お前だ。心の準備をしろ。≫




≪お願い・・・します≫


 残りのゴブリンカード8枚全部を使う。


 ドキドキ!


 慣れた手つきでグリンのカードとゴブリンカード8枚に魔力を込めて合成する。


『ゴブリンのレベルが最大になりました。3枚を使って進化させますか?』


 おや?先ほどのロマンよりカードが少なくていいみたいだが、それは種族によって違うのだろうか。もちろん進化してくれ!


≪マスター・・・体が熱い・・・です・おおおおお!≫



ハイゴブリン レベル1 ランクF→E

体力  11→18

魔力  9→16

攻撃力 12→20

防御力 11→17

素早さ 12→15


スキル 夜目、剣術レベル1、棒術レベル1



 よしよし!こちらも成功したみたいだ。


 これでカードが全部なくなってしまったが、また明日カードを増やせばいい。


 ロマンたちの進化という思いがけない収穫もあり大満足で実験を終えた。



≪みなのもの、これにて我が秘密結社の第一回目の儀式を終了する。解散!≫

≪・・・・。≫

≪そこは、「はっ」って答えるんだよ。空気を読んでくれよ。≫

≪はっ≫



 と、その時だった。


 コンコンコンとドアがノックされた。


≪ロマン念のためカードに戻ってくれ!≫

≪おいっす!≫


 ガチャ!


「やあ、弟君」

「お湯とタオルだ。」

「そうか、持ってきてくれてありがとう。」

「仕事だからな。終わったらドアの外に置いといてくれ。」

「分かったよ!」

「バニラ姉ちゃんは1階の寝室で寝るけど夜中に変な気を起こすんじゃないぞ!」

「そうか1階の寝室で寝るのか。それはいいことを知った。ふふっ。」

「き、貴様~卑怯だピョン!」

「卑怯?君が教えてくれたんじゃないか。ははは。」

「もういい、俺は戻るピョン!」


 まったく。笑


 体拭くか。


最後まで読んでくださってありがとうございます。


みなさんインフルエンザ大流行みたいなので気を付けてくださいね。


それにしても大坂なおみさん全豪オープンベスト4ってすごいですね。才能と努力が無いとムリですよね。いつかこの小説読んでもらいたいですけど、日本語読めるのかな?英語だけなんでしょうか?

・・・英語で書籍化すれば問題無いですね!

はは・・ははは

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