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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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お風呂に入る

昨日はいつもよりアクセスいただきまして嬉しかったです。

「はいアーンして!」

「めっちゃおいしいです。美味です。」

「うふふふふ。まだたくさんあるからね。」

「あのまだ熱そうなんで、念入りにフーフーしてもらっていいですか?ついでに上目使いでお願いします。」

「もうっ甘えんぼさんなんだから!」


 食べさせてもらって恥ずかしいなどという羞恥心は5口目あたりで消え失せていた。

 というか途中から存分に楽しんでいた。


 実際料理も本当に美味しくて言うことがない。

 ポテドンのステーキはジューシーで噛めば噛むほど肉汁が溢れ出してくる絶品だったし、特製スープは体が温まり、飲めば飲むほど元気が漲ってくる。




「ごちそうさまでした。」


 両方ともお腹いっぱいになるまで食べさせてもらい休憩していると、クレアさんが食事の片づけをしながらお風呂に入るか聞いてきた。まさかこの世界に、お風呂の文化があるとは思っていなかったので驚いた。


「え?お風呂あるんですか?」

「あるわよ。私これでも人気№1の受付嬢なの。で、どうする?入る??」


 人気№1だとなぜお風呂があるのかよく分からないが、、、お金を持っている人しかお風呂に入れないのだろうか、、、まあぜいたく品てことかな。


「せっかくなんで入らせてもらいます。」

「お風呂場は通路を左手に行ったあそこよ。脱いだ服は籠に入れといてくれればいいから。あ、そうそう通路の右手にある部屋には絶対に入らないでね。」

「はい、ありがとうございます。じゃあお風呂お借りしますね。」


 なんて至れり尽くせりなんだろうか。


 ギルドで殴ってきた傷の男に感謝しなければいけない。


 日本人の俺としては、1日でもお風呂に入れないのが苦痛だったのでこれほど嬉しいことはない。


 案内に従って脱衣所に行き、鼻歌交じりに服を脱いだ。ところどころ森の中で負ったひっかき傷があったがこれは頑張った証だ。


 生まれつきある左胸のアザは、カードに触れた時に変化した1つを除き、変わりないみたいだ。この先一体どうなるのか分からないが、、、、


 ひとまず風呂に入ることにしよう。


 風呂場はそんなに広くなく、日本と同じように洗い場と湯船に分かれていた。違いといえば、大きな石が壁にはめ込まれ、その上に術式のようなものが描かれていることだ。どういう仕組みか分からないがしっかりとお湯が張られていた。


「はあぁぁ~気持ちいい~」

 全身の疲れが癒され俺は思わず声が出てしまった。


 日本では当たり前にあると思っていたものが、こんなにもありがたいものだったとは。あとでクレアさんにもう一回お礼を言っとかないといけない。いっそのこと本当にずっとここでお世話になってしまおうか?


 いや流石にそれはダメか。


 するとその時、脱衣所のドアをノックする音が響いた。


 コンコン。


「失礼しますね、どうですか?お風呂??」

「最高に気持ちいいです。本当にありがとうございます。」

「いえいえ、そもそも私が原因ですし、、、喜んでもらえて良かったです。」


「あ、せっかくなんで、良かったら背中流しましょうか??」

「え?あ、いやそれは・・大丈夫です。そ、それよりこの石ってなんですか??」

「チっ」

「え?」

「ああ、それは、専門の人があらかじめ魔法の術式を刻み込んだ魔石ですよ。それに私が魔力を込めることで、魔石に刻み込んである魔法が使えるってわけです。魔石っていうのは魔力の塊みたいなもんですからね、普段魔力が足りなくて使えない魔法も魔石の補助で使えたりするわけです。」 


 クンクン、クンクン、スリスリ。うふん。


 なるほど、魔石か。持っているとなかなか便利そうだ。


「じゃあ魔石を使うことで攻撃魔法とかも使えちゃったりするんですか?」

「まあ理論上は不可能ではないけどね、、魔石に術式を刻み込むのって相当難しいの。一歩間違うと魔石の魔力が暴走して大惨事になっちゃうから、攻撃力の高い魔法を刻み込もうとするほど危険なの。そもそも術式を刻み込めるほど大きな魔石ってほとんど無いし、うちのお風呂場にある魔石の大きさでも、効率などの問題もあって湯ぶねをいっぱいにするぐらいだしね。そんな物を、冒険者が普段の依頼の時にいちいち持ち運ぶのは現実的ではないでしょ?だから攻撃魔法を刻み込んだ魔石は、ほとんど存在しないはずよ。」


 クンクン、はあぁ~、クンクン、スリスリ、うふん。


「そうなんですね、勉強になります。」

「いえ、クンクン、お役に立てて良かったです。」


「・・・ところでクレアさん?さっきから何やら僕の脱いだ服を使っていませんか??」

「え?えっと、いや、何の話ですか??そんなことより新しい着替えここに置いておくので使ってくださいね。脱いだ服は洗濯するので持っていきますね。うふふふ、ではごゆっくり。」


 絶対に俺が脱いだ服のニオイ嗅いでたよな。間違いない。しかもどっかに持っていってしまった。まあ気にするほどのことでもないが、あんな汗臭い服の何が良いんだろうか?


 それからしばらくして、体の芯まで温まったので出ることにした。


 しかし扉を開けそこで今日一番の衝撃が走った。


 新しい着替えを用意してくれたみたいだが、、、、これがどう見ても日本の幼稚園児の格好だった。上はボタンの付いた淡い水色の長袖で、下は膝上の短パン、ご丁寧に黄色い丸帽子まで置いてあった。


 流石に言葉を失った。俺の他に日本から転移してきた人間でもいるのだろうか?それともこの世界で自然に発明されたものなのか?


 どちらにせよ、なぜこのタイミングでこの服を着なければいけないのか??コスプレの趣味があるということか?、、、何の意味もなく、ただ善意で用意してくれただけなのか?、、、分からない。


 まあ文句を言っても他に選択肢があるわけでもない。帽子以外は普通に着ることにした。思ったより素材も良くて着心地が良かった。


 リビングへ行くと、満面の笑みを浮かべたクレアさんが待っていた。俺の全身を舐め回すように見た後、入れ替わりでお風呂へ入りに行った。一瞬クレアさんの目線に全身ブルっとしたが、俺は何事も無かったことにして、ゆっくりさせてもらった。


 しかし、そんなリラックスタイムもしばらくするとクレアさんによって破壊された。なにやら風呂場から俺を呼んでいるようだ。仕方なく、本当に仕方なく向かうと


「ツバサ君、バスタオルを用意するの忘れてしまったの、部屋に干してあるの持ってきてくれないかしら?」と言ってきた。


 わざとだろうか?

 あざとい女だと思ったが、もちろん言われるがままバスタオルを脱衣所まで持って行った。


「あのバスタオル持ってきました。ここに置いておきますね。」

 そう言って視線を下に向けた時だった。クレアさんの脱いだ服が置いてあった。


 あざとい、本当にあざとい女だ。けしからん。

 うむうむ。だが嫌いではない。

 いただきます。


「ありがとう。あ、そういえばツバサ君て荷物ほとんど何も持っていないのね。さっき洗濯しようとしたら小金貨が1枚出てきたけど、それ以外何も無かったから。」


 カードと一緒にポケットに入っていた金色のコインはやはり金貨だったのか。

 あの1枚でいくらぐらいの価値なのだろうか。

 クンクン。カードは自分に収納しておいて良かった。


「あぁ、俺ちょっと記憶を失ってまして荷物も目が覚めた時には何も無かったんですよ。ちなみにあの金貨ってどれぐらいの価値でしたっけ?」


「まぁ!それは大変でしたね。ツバサ君が生きてて本当に良かったわ。」


 やはりクレアさんも、俺がショッキングな出来事により記憶を失ってしまったと思ったらしくかなり動揺している。クンクン。少し良心が痛むがそこは許してほしい。クンクン。

・・・色々な意味で許してほしい。スリスリ。


昨日評価、ブックマークしてくださった方ありがとうございます!!

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