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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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正門にて

おかげさまで1000PV達成しました。みなさまの1回1回のアクセスに感謝しております。

 沼にハマっているゴブリン達をなんとかしてカード化するために、引き返すことに決めた。


 しかし、説明できないのがとても悩ましい。下手なことを言うと怪しまれる。そもそも俺が足手まといだから戦闘を避けてくれたのに、その俺が1人で戻ってもいいのだろうか?


 うーむ、どうしたものか。だがやはりこの絶好のチャンスを逃したくない。


「あの、俺、節約のために木の実とか拾ってから入国するので、皆さんは先に王都に行っててください。」


「そのぐらいお姉さん達がご馳走してあげるから大丈夫よ!」


 やはりアーシャさんは母性本能が強い。そりゃ俺だってお姉さんと一緒にご飯食べたり、お姉さんといろいろしたいけども・・・・うむ。断腸の思いだ。


「いえ!そのぐらい自分でなんとかするので大丈夫です!俺もすぐ王都に行くのでまた会えると思います。本当にありがとうございました!!」


 お礼を言い強引に頭を下げた。分かれるための高等技術だ。我ながらなかなかのスキルである。


「うんそうか、わかったよ。ただ暗くなる前に引き上げるんだよ?夜の方が危険だからね。もし王都で何か困ったことがあったら俺達を頼るといいよ!」

「はい!それじゃあまた今度です!」


 再び頭を下げバノン達を見送った。


 たまたま道端で前を歩いていた、というだけで始まった関係だったが、本当に良い人たちだった。この世界に来て最初に彼らに出会えたことに感謝しよう。


 


 うん。じゃあそろそろ行きますか。

「アリス行くよ。」

「うん。」


 先ほどまで感じていた体の疲労など忘れ、猛ダッシュで先ほどのゴブリン達のところまで戻る。


 例の3匹は腰のあたりまで沈んでいた。もはや沼から抜け出すのを諦めたかのように沈みゆくのを待っている。下手に動くと余計にぬかるみにハマることを理解しているのだろうか?それとも本能というやつか。


 よしよし、早いとこカードにしてしまおう!


 俺は3枚のカードに魔力を込めて飛ばした。身動きの取れない3匹に当然のようにヒットする。だんだんコントロールもよくなっていると思う。


『ゴブリンを捕獲しますか?』×3と無機質な音声が流れたのでもちろんイエスを選択する。するとゴブリン達の体は、鏡が割れたようにひび割れ、光を放ちながらカードに吸収されていった。



 顔がニヤけるのを我慢できなかった。これでまたいろいろと実験ができる。


 ふふふ。


「ツバサ?顔がやばいよ?」

「アリスに言われたくないよ笑」

「むぅ~」

「そんなことより、早く王都に行こうか、暗くなってしまう前に。」 

「ツバサ疲れたからおんぶ。」

「ダメ。」

「おんぶ。」

「飛んでるだけだから疲れてないだろ?」

「えいっ」

「うおっ何してんだよ。」

「えへへへへへ。」

「まったく、、、」

 

 クンクン


「ツバサの汗良いニオイするね。」

「やめろって!恥ずかしいだろ!」

「ふふ、女の子おんぶできて嬉しい?」

「!?何言ってんだお子ちゃまのくせに!」

「お子ちゃまじゃないもん!」

「ああ、どうやら体重だけは大人だな。」

「んも~最低!」

「おい、暴れるなって!」

 

 ・・・・嬉しかったのはほんのチョコットだけだ。仕方なくおんぶしてやったのだ。うむ、うむ。


 アリスパワーを注入したためか、足取りはとても軽かった。


 あっという間にトリンドル王国王都が目の前に迫ってきた。一体どんな都市なのだろうか、心臓の脈打つスピードが徐々に上がってくる。不安もあるが何よりもワクワクが止まらない。何せ初めての場所なのだ。



 もともとは真っ白だったのだろうが、雨風などの経年劣化によりくすんでしまった外壁がぐるりと街を囲んでいる。とてつもない規模だ。外壁にそって作られた大きな掘りには水が張られ、街の中に入るには可動式の橋を渡らなければならない。


 その先の門には兵士が立って街に出入りする者を厳しくチェックしている。


 モンスターのいる世界はこれが普通なのだろう。それに対国家という意味でもこのセキュリティーならある程度安心だ。


 俺は意を決して街に入る人たちの列に並ぶことにした。7人ぐらいだろうか。馬車を引いた商人と冒険者らしき人たちが並んでいる。お世話になったバノン達4人組の姿は、すでに列には無かった。


 どうやら前の人たちを見ていると、少し話をした後、身分証らしき物の確認をされている。パスポートのようなものだろう。


 しかしどうしたものか?もちろん身分証の類は何も持っていないが、、、無いと入国できないのだろうか?こんなところで目立ちたくはない。不安が大きくなってきた。だが並ばないわけにもいかない。


 そして前の人たちが順調に終わり俺の番になった。中年ぐらいの人のよさそうな兵士が話しかけてきた。


「次の方、名前は?」

「ツバサです。」

「おや?というと君のことかね?、バノン達が言っていたのは?」

「あーバノンさん達とは先ほどまで一緒にいました。」

「そうかそうか、話は聞いているよ。大変だったね。まずここで仮の滞在許可証作るからちょっと待っててくれるかな。」

「はい。」


 そう言われたので、門の脇でしばらく待つことになった。どうやらバノン達が話を通してくれていたらしい。訳ありの立場としては非常にありがたい。


 その間も続々と街の中に人が入っていく。


 すると列の後方からなにやら男たちの乱暴な声が聞こえてきた。

「ええぇい、なぜ並ばなければならぬ!邪魔だ邪魔だっ!!俺達は南の島国コケッコー国より参ったチキン公爵の私兵だぞ。道を開けよ!!」

 そう言って鳥人間達が強引に前に出てきた。


 貴族の私兵か。なんと横暴なのだろう。


 騒ぎを治めようと門番が5名ほど詰所から出てきた。

「何事だ!?」

「先に門を通せって話だ。」

「それは出来ない。最後尾に並びたまえ。」

「あん?俺達はチキン公爵様の部下だぞ?」

「それがどうかしたのか?順番は順番だ!この国はおたくの国と違って平民にも人権が認められている。よって入国に際して貴族の特別扱いは無い。あるとしたら事前に正式な連絡を受けている場合か緊急事態のみだ。今回はそのどちらでもない。ましてや、お前たちはそのチキン公爵本人でもないのだろう。」


「そうだ!そうだ!並べ!」

「恥さらし~」


「ぐっ覚えておけよお前たち!」


 俺は初めて鳥人間を見て感動しつつも、面倒事に関わりたくなかったので門の端に立っていた。 

 ここの門番はなかなかやるじゃないか。国自体が信頼できそうだ。


 しかし、俺自身はこうして外野を決め込んでいたにもかかわらず、なぜか「邪魔だ」と言われ突き飛ばされた。突然のことに対応できず、おかげで前に突っ伏してしまった。


「すまない、手が滑ってしまった。」


 見事な八つ当たりだ。


 アリスはカンカンに怒っている。丸焼きからの焼き鳥にしてやるなどと連呼している。・・・顔がイッチャッテル。先程俺に対応してくれた中年の門番も苦々しい表情を浮かべている。


 俺としてもこのまま黙っているわけにはいかない。

「そんなに手が滑るなら滑り止めでも付けたらいかかですか?それとも手がヌルヌルで汚いんでしょうか?手洗いうがいは大切ですよ?」


 すると周りからドッと笑いが起きた。


「貴様~!」

 鳥人間たちが逆切れし向かってきた。


「おっと、これ以上暴れるならトリンドル王国国王の名をもって連行させてもらうが」

 応援の兵士がさらに増えみんなで取り囲む。

「くそがっ!」



「ツバサ君、すまないね、大丈夫かい?」

「はい、乱暴な人たちですね。」

「ああ彼らの主人は小国の貴族でね、何でも今話題の虹の国、つまりエルフの国のお姫様に求婚している男たちの1人らしい。もっぱらの噂になっているよ。」

「そうなんですか。」

「おっと、仮滞在許可証だったな、これを無くさずに持っておくんだよ。今日から2週間はこの許可証が有効だ。その間はこれを門番に見せればスムーズに通ることが出来るから、期限内にちゃんとした身分証を作るといい。おすすめは冒険者ギルドの身分証だ。あれは大体の国で身分証明書として使えるからね。じゃあトリンドル王国王都へようこそ。」


 そう言われ俺は門をくぐって街の中に入った。



ブックマークありがとうございます!作者の投げキッスあげます。「ちゅ」


やっと次回から街です!

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