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チートカードで異世界最強 ~成り上がりほのぼの冒険物語~  作者: ちゅん
第一章 始まりの国篇
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ツバサ、怪しまれる

アリスは尻軽女では無いので、お礼の投げキッスは止めるそうです。笑

「そろそろお昼にしようか?」

外人イケメンリーダーのバノンの一声によって俺たちは適当に腰を下ろした。


 冒険者の話を聞いてから翼はそのことで頭がいっぱいになっていた。


 俺の場合、そもそもこの世界の常識を何も知らない。身元も不明なので兵士になることは難しい。何か商売をするノウハウを持っているわけでもない。まあ運び屋にはなれるかもしれないが、、、


 冒険者として、自由に世界中を旅してこの世界を満喫するのもいいかもしれない。世界中をめぐることで、日本に帰る方法が見つかる可能性もある。


 そんなことをずっと考えながら、お腹が減ったので何気なく体から木の実を取り出しムシャムシャかぶりついた。


「え?今の何だ???」

 4人全員が何が起こったのか理解できずポカンとした顔をしていた。


 しまった!俺としたことが!


 迂闊にも自分の体から普通に取り出してしまった。彼らが良い人たちであるのは分かったが、バラすのはまだ危険すぎる。何とか誤魔化せねば・・・・


「あ、あ~ちょっとした手品ですよ!手品!!記憶は失ったんですけどなぜかこの技だけ体が覚えてたんですよ!」


 ・・・まずい、誰も納得していない。しかも、日持ちしない木の実とか冒険者からしたら怪しすぎる、むむむむむ、どうしたものか。


「・・・そ、そうね、そんな魔法見たことないし人間には不可能よ。異空間収納なんて空間魔法でもないと使えないおとぎ話だもの。」

「ま、まったく手品かよ、久しぶりに驚いちまったぜ。」


 元気っ子のミーナと筋肉ダルマのミストは、なぜか今起きたことを勝手に納得し始めた。未知に対する人間の心理機能か?2人ともふむふむと独り言を言っている。


 リーダーのバノンと母性の強いアーシャは未だに俺の説明に納得はしきれていないようだが、、、こちらから下手に説明し続けるのも却って怪しいので、この話題にこれ以上自分から突っ込むのは止めた。なにより墓穴を掘りそうだ。


 落ち着いたところでバノン達が持っていた食料を少し分けてもらう。持ち運びやすさと日持ちが第一の干し肉で、正直全く美味しくなかった。カチカチで噛み切るのも一苦労だ。だがこれが冒険者の定番アイテムで日常らしい。


「・・・初めて食べた味です。」

「ははははは、慣れないうちはおいしくないだろ?」

「そう・・ですね。毎回これを食べているんですか?」

「まあね。でもモンスターのドロップ品がお肉だったらそれを食べることもあるよ。」


 ドロップだと!?カード化していたから気が付かなかった。まるでゲームのようだ。


「水分とかはどうしてるんですか?」

「それは魔法を使うのよ!こんなふうにね!ウォーターボール!!」

 そう言うとアーシャが水魔法を唱えた。名前からして初級の魔法だろうか、小さな水の塊が空中に浮かんでいる。なんとなくスライムのロマンに似ている笑。俺は手を御椀の形にして少し飲ましてもらったが、本当にただの水だった。


「水分は1番大切だから、魔力の多い魔法使いはパーティーに必須なのさ!特に水属性が得意な人は人気だよ。」


 ふむふむ。


「剣士のバノンさんは使えないんですか?」

「人間の場合、魔法ってのは生まれ持った才能によってどの程度扱えるかほぼ決まってしまうからね。僕もチョロっとなら出るけど、それはスキルとして使えないレベルなんだ。コストパフォーマンスが悪いから余裕のある魔法使いに任すのが普通かな。」


 なるほど、なるほど


 スキルの使える魔法使いがいることで生存率が上がるのか


 目の前で水魔法を使われたことによってワクワクが止まらなくなっていた。俺のカードも魔法の類なんだろうがやはり魔法の王道は火や水魔法だ。


 問題はそれらの魔法が俺にも使えるのかだが、どうなんだろうか・・・

 なかなか大変そうだな。だが簡単に諦めるわけにはいかない。



「そういえば自分のステータスを確認できることは覚えてるかい?」

「え?いや知らないです。覚えてないです。」

「魔力を込めてステータスオープンと念じてごらん。他の人には見えないから大丈夫だよ。」

「はい、やってみます!」


黒木翼:人間 職業 なし レべル2


体力  45

魔力  125

攻撃力 34

防御力 30

素早さ 38


オリジナルスキル カードマジック


 んん~これは強いんだか弱いんだかよく分からない。レベルが1ではなく2ってことはロマンとグリンをカードにしたからだろうか。


 ・・・職業なし。うん。


「一応目安として、入隊したばかりの新米の兵士だと、レベルが10ぐらいで、その他の数値が20前後だよ。」


 おお、ということはレベルが2でこの数値はなかなか優秀な方ではないか。うんうん、冒険者としてやっていけるかもしれない。


「それとスキルは才能や訓練によって熟練度やレベルが上がったりするんだ。もちろんレベルがないスキルもたくさんあるけどね。」

「あのオリジナルスキルって何ですか?」

「ああ、オリジナルスキル持ちなんて普通に生きている限りまず出会うことはないよ。他の種族の国がどうなってるかは、国家機密でもあるからいまいちよく分からないけど、少なくとも人間の歴史上では数えるぐらいしかいないよ。・・・!?、まさかオリジナルスキル持ってるのかい!?」

「おいおい、バノンそんなわけねーだろ。お前も冗談は顔だけにしろよ。ははははは笑笑」

「ははは・・はは。まさかそんなの持ってないですよ。はは・・・はは。」


 ジトーー


「そうか、俺にはさっきツバサ君が体から木の実を取り出したのがどうも手品には見えなくてね。」


 うっなかなか鋭い。


「まぁ、持っていないならそれでいいさ。」


 ・・・困ったな、これはどうしたらいいのだろうか。もしバレたら間違いなく大ごとになってしまう。いくらオリジナルスキル持ちとはいえ、今の俺では弱すぎて利用されるだけの人生になってしまう。なるべく早く強くならなければいけない。


 その後、皆お昼を食べ終わり一服ついたので、夕方にはトリンドル王国の王都に帰れるように出発した。



 ひたすら歩き続け、視界の片隅に建物が見えてきた時だった。


 不運にも10匹ぐらいのゴブリン達の集団に出くわしてしまった。


 今の俺はむやみにカードを使うこともできないし、武器を持っているわけでもないので、4人の戦闘を応援するしかない。


 カードの合成実験の素材でも手に入れば儲けもんなのだが、、、



 残念なことに、バノン達は軽く足止めだけして先に進むことにしたみたいだった。


「土魔法:沼地獄」

 ミーナが俺達とゴブリン達の間の地面を沼のように変えた。サラサラだった土がまるで雨が降ったあとのようにぬかるんでいる。


 ゴブリン達はあまり知能が高くないらしく、ミーナの魔法がどういったものか分かっていない。警戒しながらも最初の3匹が沼に足を踏み入れた。するとズブズブと足が地面に沈んでいき、慌ててもう一方の足で地面を蹴ろうとするが焼け石に水状態だった。それを見ていた他のゴブリン達は、さすがに後に続くこともなくギャアギャア叫びながら逃げて行った。


 俺達もゴブリンが頭まで沈んでいくのを見たいわけでもなく足早にその場を後にした。


「便利な魔法ですね!」

「あの魔法は魔力の消費が大きいわりに直接攻撃じゃないし、相手が賢ければいくらでも対応できてしまうからそんなに使えないのよ。それに地面が土じゃないといけないし、範囲も考えないといけないから使うシチュエーションが限られてるの。」


 なるほど、一見強力に見えたが知能の低い奴にしか使えないのか。落とし穴みたいなもんだしな。


 んんん、、、それよかあの3匹ろくに身動きとれずに沈んでいくのか。

 ・・・カードにするには絶好のチャンスなんだが。


本日もアクセスしていただいてありがとうございます。地道に頑張ります。

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