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序章1

初投稿です。拙い文章ですがよろしくお願いします。

「ふはははははは、やるではないか、先にくたばった奴らを含めて私の想像以上だ、、、どうやら今の状態ではお前に勝てないようだが、お前も私に勝つことは出来ぬようだな。」


 謎の男が言った。


苦悶の表情を浮かべていても端正な顔立ちなのが分かる。白く長い髪は、長時間の戦闘によりじんわりと湿っている。そして彫刻のような肉体は汗と砂ぼこりが混じった液体が流れ、ある意味では見る者を魅了する。


「私は世界を守るためにここであなたに負けるわけにはいきません。あなたは存在してはいけない。」


 女の方も苦しそうに見えるが、その眼にはまだ諦めの色など微塵も感じられない。白色に少しクリームがかった綺麗な髪色をしている。


その立ち振る舞いは決闘をしているのにいちいち上品である。


「言うではないか!存在してはいけない・・・か・・はっはっはっは、確かにそうかもしれんな。だがこれが最後だ!」


 一瞬にして膨大な魔力が込められる。

「▽≨?*+◎」


 謎の男が魔法を唱えた瞬間、眩い光が世界を覆い、女の体は突如現れた複数の鎖によってグルグルに縛り上げられた。その内の一本は女の体の中に突き刺さるように入っている。痛みは無く不思議と血は出ていない。


(ウっ、、、何これ?、、、こんな魔法聞いたことがない。)


 指一つ動かすことさえ出来ない状況に女は焦りを隠せない。


 しかし同時に、魔法を唱えた張本人もあまりに強大な魔法の反動に吐血し膝をついている。


「はっはっはっはっは、たった今世界に魔法をかけた。この世界はこれより同じ100年を繰り返すだろう。この魔法の原動力はお前だあぁぁ!!お前の生命力が吸えなくなるまでこの呪いは続く。そしてお前がくたばった後、私は何事もなかったかのように再び目覚める。」


「この勝負私の勝ちだああああああぁぁぁぁ!!」


 謎の男は満足をした顔をしてそう叫ぶと目を閉じた。そして眠るように動かなくなった。

 トクン・・・・トクン・・・・トクンと脈打つ心臓以外は


 次の瞬間謎の男の体はどこかに消えてしまった。


 女はパニックになっていた。まるで恐怖という名の刃物にいたぶられているかのように。コツっコツっとその足音は確実にやってくる。汗が噴き出してくる。


 待って・・誰か・・こんなはずでは・・・・・だ・・れ・・か・・・



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


それから数百年後~現代日本~


 あ~布団から出たくない。もっとぬくぬくスリスリしていたい。気持ちいい。というか俺ではなく布団の方が俺の身体を欲している・・・気がする。まあ俺って布団にモテるタイプだからな、うん。


「早く起きなさいよ、学校遅れるわよ!お父さんなんてもう出勤するのよ!」

「う~ん、起きるー。」


 よし、あと10分だけ寝るか。


 そうして気持ちよく二度寝の余韻に浸っているとドシンっドシンっドシンと怪獣が階段を上がってくる音が聞こえてきた。この幸せをぶち壊す者、そう我が愛しの母上よ、ダイエットでもしたらどうだろうか?うん、階段さんがかわいそうじゃないか。


 パサっ


「うおっ何すんだよ。寒いじゃんかよ。」


 それに思春期の男子の布団をいきなりめくるなんてマナー違反だろ。どういう教育を受けてきたんだ。親の顔が見てみたい。


「早く準備しなさい!」

「はいはい。」


 俺は返事をするとようやく重い腰を起こした。急いで学校へ行く準備をして家を出た。


「行ってきます。」

「気を付けて行くのよ。」


 11月になり朝と夜はとても寒くなってきている。高校生になって2度目の冬を迎えようとしているが、そんなことより、今月の7日が重要だ。なぜなら俺の誕生日だからだ。


 どうしたものか?ポケットに手を突っ込みながらそんなことを考えていると、後ろから親友の亮太が声をかけてきた。


「よっ」

「おぅ」

「翼さ、今日の英語の宿題やってきた?俺忘れちまって。」

「ふっふっふ、甘いな俺がそんなものやってくると思うか?昨日帰ってスマホのゲームしてからバッチリ8時間睡眠してきたぜ。」

「まあそうだわな、昼休みにでも誰か写さしてもらわないとな。」


 亮太とは幼稚園からの仲だ。なかなかのイケメンでスポーツもそこそこ出来る爽やかな奴だ。


 まぁかくいう俺、黒木翼もそこそこ女子からの人気はあるはずだが、俺の場合それにプラス動物に好かれやすい。あと布団からも。…負けず嫌いではない、そう事実だ!


「そういや翼さ、7日誕生日だろ?桜井さんでも誘ってみたらどうだ?早くしないと彼氏できちまうぞ。」

「あー桜井さんは倍率高いからなー、でもまあ無理って言われるだろうな、話す機会があったらちょっと探ってみようかな。」



 するとまたしても後ろからかわいらしい声が聞こえてきた。


「2人とも私の名前が聞こえたんだけど何の話をしてるのかな?」


 驚いて固まる俺たちに少し笑みを浮かべた桜井さんが近づいてきた。


 やばい、今の話どこまで聞かれてしまったんだ?・・・・・・


「いやっあれだよ!あれ!なっ翼!?」

「そうそう、あれだよあれ!桜井さんの話なんて全くしてなくて・・・早く桜の木が開花しないかなーって・・・ただお花見の場所取りの倍率高いよなって話。」


 ジトーーーー


「あ、あとはあれだよ、思春期真っ盛りなお年頃なのに、今朝母さんがさ布団をいきなりパサってめくって起こしてきてさ、ありえねーよなっていう話だよ。なっ亮太!?」

「お、おうそんな話だったな。」

「え?なんで布団をパサってめくるのがあり得ないの?」

「う、あ、そ、そ、それはだな、なんていうか・・・・その、そう、寒いだろ?温かい状態から急に寒い環境になったら心臓に悪いじゃん?」

「ふーん。そう言われたらそうかもね。でもなんかめちゃくちゃ焦ってるから他の理由があるのかと思ったわ。何だか知らないけど思春期真っ盛りの男の子も大変だね。あはははははは笑笑」


 この女もしかして男特有の事情を分かってて言ってるのか!?クソっなんて女だ、だが可愛い。


「もう学校着くね。じゃあ私日直だから先行ってるね!」

「お、おう、分かった。じゃあまた後で。」

「あ、そうそう、それと私今月の7日予定空いてたのにな~、、、、、じゃあね!」


 うおおおおおぉぉぉぉぉ、なんて女だ!


 初めから俺と亮太の会話を聞いてたのか。誕生日デートに誘われるかもしれないと分かったその上でとぼけてやがったのか・・・本当にけしからん女だ。まったくけしからん。


 それに短いスカートをヒラヒラさせやがって、けしからん。あの細くて、白くて、すらっと伸びた脚を見せつけやがって。クソっ、だが可愛い。クソっもう少しお喋りしたかったのに、クソっ。


「お前さ、桜井さんの手の平で転がされてるな笑、でもけっこう脈アリなんじゃね?」

「どうだろうな、とりあえず早く教室行こうぜ。」


 内心の動揺が亮太に悟られぬように努めてポーカーフェイスで答えた。


 からかわれているのか?

 それとももしかして本当に可能性があるのか?


 俺が桜井さんに対して好意を抱いているのはどうやら自分でも疑いようがない。いつも気が付くと何となくその姿を探している。たまに目が合ってニッコリしながら手を振ってくれる時なんかは、その日1日幸せな気分になる。


 だが女心は分からない。さっぱり分からない。


 結局その日はそれから何事もなく終わって帰宅した。それからご飯を食べて風呂に入っていつものように飼っている犬としばし戯れる。興奮しすぎてグヘグヘ言いながら尻尾をフリフリさせている。


 こいつのように世の女性にも尻尾が生えてりゃ分かりやすいのにな。そしたら日本の少子化も止まるんじゃないかと思う。


 犬とのリフレッシュタイムが終了したあとベットに潜り込んだ。



 少し早いがもう寝よう。


 しばらくして、ウトウトしていると意識の彼方でメールアプリの通知音がしたような気がした、が、俺の意識はそこでシャットダウンした。


 その日不思議な夢を見た。


「たす・・け・・・だ・・・・か」


 鎖に繋がれた少女?だろうか、目を閉じていて分かりにくいが、それでもその人がとんでもなく美人なのが伝わってくる。服装や顔立ちからして日本人とも思えない。というか服装はボロボロである。左肩から腕は、はだけて胸元が見えているし、スカートは破れ右足の太ももが露になっている。そして白い地肌に鎖が食い込んで妙に色っぽい。


 おおおおおおおおぉぉぉぉ、なんという俺の想像力!!


 ごくりと唾を飲み込んだ。

 

 これは俺の睡眠中の夢だ!何をしても犯罪にはならない。


 そして美少女に一歩ずつ近づくのであった。





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