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Elder Gear Online  作者: 御堂 竜座
34/94

33話 【設定①】

 

 * * *


『――タイトル:『エギアダルドのススメ ①』││ファイル新規作成。


 〇項目

 ・ゲーム用語

  ・キャラクターについて/ゲームシステム

  ・世界観設定/ゲーム内用語

  ・種族/人物

  ・エネミー情報

  ・その他、考察メモ



 * * * * *


0) ゲーム用語


◆Elder Gear Online

 エルダー・ギア・オンライン。略称はEGO。

 現在はまだクローズドβテスト版で、正式販売ではないためプレイヤーは一般公募で当選した人に限る。

 応募人数は非公開だが、プレイヤーの情報サイトを見る限りでは国内で少なくとも総勢1万人程度はいる模様。


 ※βテスト:オンライン機能のあるゲームにおいて企業が公開に先駆けてサーバー負荷による回線状況チェックやゲームの動作確認など、プレイヤーを募集して様々なテストをすることを指す。一般的に、クローズドβは応募者や抽選などで当たった人、オープンβは自由参加でテストすることが多い。この記事に関してはβ版の情報としては触れず、『エギアダルド』の内容について触れていくことを先に述べておく。


◆『プレイヤー』と『オーナー』

 EGOのテストプレイヤーは二種類に分けられる。

『プレイヤー』は、一般的なゲームのそれと同様で、様々なゲームを遊ぶユーザ―のことを指す。

一方で『オーナー』は、ゲームのシステムや舞台をを自由に作って、ユーザーに公開することでプレイさせることが出来る。システムの詳細については割愛するが、後述する『エギアダルド』内でのキャラクリエイトを見る限り、かなり自由度が高いらしいことがわかる。

 βテスト版においてオーナーは、ファンタジー世界を作れる『ファンタズム』現代を舞台とする『ロア』近未来の設定向きの『チャイルデッド』の三つのワールドから選択してワールドを作成する。



◆『エギアダルド』/ワールド:ファンタズム

 今回の攻略主題となるゲーム。制作者は……そういえば『オーナー』ネーム聞いてない。あとで書き足すとして、ひとまずはハルトマンと書くこととする。

 世界観の第一印象はダークファンタジー。人間はもちろんのこと亜人や獣人、エルフ、ドワーフなど定番のキャラクターが作成可能。


 ※オーナー名を訊いて項目を修正するまでネット上での公開はしないよう注意!※




1)キャラクターについて/ゲームシステム


◆前置き

 『エギアダルド』においては、オーナーの意向によりデフォルト設定ではほぼすべてのUIは画面表示されていない。設定で変更可だが、この世界を楽しみたいなら、表示はデフォルトで行うことをお勧めしたい。

 ※UIユーザーインターフェース……HPやMPからターゲットマーカーまで、『エギアダルド』ではプレイヤーの操作を助長する情報表示がほとんど行われない。メニューや表示もほとんどが省略されている。NPCのセリフは字幕表示で、聞き漏らした場合にはテキストログがチャットボックス内に残っている部分を読むといい。


◆キャラクターメイク

 設定できる情報は多いので、ここでは他のゲームと大差ない部分をある程度省略して大まかにまとめる。


 ・『名前』……プレイヤーネーム。

変更はできない他、あまりふざけた名前だとNPCから「偽名では?」

と疑われる可能性ありとのことだが、情報はなく未検証。


 ・『外見』……設定は「体格」「色(髪や肌や瞳、異種族であれば鱗や毛並みなども変更可)」「傷/欠損」「ペイント」「失陥」などが設定可能。

 顔や体格は個々のパーツのサイズを詳細設定が可能。


 ・『出生』……「エギアダルド」ではプレイヤーは『異邦人』であるとされていて、別世界からの来訪者という設定でもある程度受け皿を用意されている。

 項目は「年齢」「来歴」「経験」の大枠があり、その区分の中に出自や所在、部族、信仰、職、習慣、禁忌、癖、家族構成、道、美徳、派閥、色などといった事細かな設定が100近く用意されている。

 これらは自動設定や記入ナシなども選択可能だが、それらの項目を設定することによって後述の『リスクコード』の条件になる部分もあるため、自分のキャラ設定にこだわりたい人は是非とも組み上げてもらいたい。

 

 ・『スキル』……ポイントを割り振り取得する技能。『スキル』の欄で後述。


 ・『CCS』……カスタム・クリエイト・スキルの略称。『スキル』の欄で後述。


 ・『リスクコード』……『外見』『出生』でデメリットのある設定を施して特定の条件を揃えることで、ステータスやスキルに補正を掛けることが出来る。

きわめて限定的な要素でありデメリットとセットとなることから非常に扱いづらいが、これもロールプレイをしたいプレイヤーには好ましい要素といえる。

 内容はデフォルトで17種類用意されているとのことだが、その条件すべては公開されておらず、自動選択からは3種類のみ取得可能。

 リスクコードの内容テキストに関しては自由編集ができる。


◆『スキル』と『CCS』

 『エギアダルド』は、いわゆるスキルツリーとジョブ形式を併用している。

 スキルは魔法も含めジョブはキャラメイクの「経験」の欄にある「戦闘技能」からメインとサブを選択する。スキルはその選択で選んだジョブ以外からも取得可能だが、必要なスキルポイントが大幅に増加するためおすすめはできない。

 従来のスキルツリー形式では初期魔法や基本技をツリー上で取得していって上位の攻撃手段を取得するが、『エギアダルド』ではツリーそのものをプレイヤーが取得できるスキル一覧から任意に作成できる。スキルツリー形式の為上位の位置に配置したスキルほど消費ポイントが大きくなるほか、初期スキルと上位スキルのバランスは一概に強弱だけではないため、安易な設定を行うとスキル発動が出来ないなどの弊害がある。そのためスキルツリー設定には注意が必要。


 カスタム・クリエイト・スキル……これはアプリやゲーム内では省略して『CCS』と表記されている。

 既存のスキルを連続して使用することのできる特殊スキルで、プレイヤー一人につき1枠だけ用意されている。連続して使用するいわゆる格闘ゲームのようなコンボのようなシステムであり、連続使用以外にも利点もいくつか存在する。


 ・組み合わせによるスキル能力の各種追加補正

 ・発動時間のリキャスト時間短縮

 ・特定の組み合わせ方式でしか発動できない特殊なスキル効果の発生


 またデメリットとしては、


 ・スキル発動の際に必要なMPやTPが不足した状態で発動すると構成したスキルのいずれかの発動硬直が発生すること

 ・発動可能/不可能にかかわらず1戦闘につき3回までの制限があること


 が大きな挙げられる。


 スキルツリーとCCSはいずれも組み合わせの再設定は可能だが3日間のクールタイムが必要で、β版に関しては週に一度だけの設定が可能ということになる。

 また、『エギアダルド』ではゲーム内でスキルポイントを割り振る設定が出来ず、装備やスキル編集などはゲーム外で後述のアプリケーションを利用して行うことが可能としている。

 


◆『EGO:エギアダルド βtester's App』

 ワールドの制作者が作成したアプリケーション。PCやブラウザからもアクセス可能。スキルの設定や装備の編集、所持品整理など、ゲーム内で行う様々な動作を代用する。プレイヤー情報の通知やコミュニティチャット、パーティチャットなどの機能も豊富。TIPSの検索や、更新情報のチェックなども行える。また、補正効果や影響はないがスキルのリネーム機能がここから行うことができる。



2) 世界観設定/ゲーム内用語


◆『薄闇の伝承』

 エターラン・グレゴリオ・オーウェスという人物が書いたとされている文。

 ゲーム内ではもちろんのこと、アプリの起動時、読み込み画面中でも稀に表示される。いわゆるフレーバーテキスト。

 ゲーム中に出てきたエネミーの名前が『渦』という総称であるなど類似点もあることから、今後の展開でゲームシナリオ上の根幹に関わる要素があるかもしれない。

 

◆言語

 言語に関してはアプリ上で掲載されている情報を元に掲載。


 ■使用言語

・エギアダルド大陸の統一言語『公言語エギア』

 統一言語である為、よほど教養のない環境で育ったか、あるいは言語を解さない/介さない種族でない限り習得している。現在大陸上に存在する言語はすべてこの言語が基本形。もっとも古い言葉とされる。

 そこから種族ごとに発展していったものになっているため、この言語はどのような種族であっても一番最初に学ぶ言葉となっている。


・エルフの部族共用言語『フィウェレン第三古代語』

 エルフ同士が魔力の乗った【言素】を用いて発音することで、虚言や不徳とする言葉がないか、お互いに判別することが出来る。文字は異なるが、言語音声は『公言語エギア』とほぼ同様の発音形態となっている。


・『ラング語』

ドワーフの用いる短縮言語。坑道や炭鉱といった場所での会話は時間が掛かると命にかかわることもあるため、発音や語句を短縮・省略してできた言語。エルフと同じく、基本的には『公言語エギア』と同様のものとなる。


 ■TIPS転載:ドワーフとエルフは仲が悪い?

 ……厳密には、それぞれの言語体系に原因がある。

 エルフが言葉で相手の発言の真贋を判別するのに対し、ドワーフの『ラング語』は極端に短縮されていて【言葉から真意を読み取る前に会話が終わってしまう】という現象が起こる。

 結果として、ドワーフはわざわざ1から10まで言葉にしなければならないエルフを信用しないし、エルフは真実かどうかもわからない短い言葉ばかり言うドワーフに信用が置けない、といったことが起きる。

 要約すると、種族自体のそりが合わないのではなく、互いに【相手の言葉が信用ならない】という状況になる。なので、根本的嫌悪があって共生、共闘などが出来ないというわけではない。


・鱗人族の言語『ソユ・シーャラ話術法』

 蛇人や蜥蜴人といった爬虫類系に近い特徴をもつ種族が、自らの生態に合わせ発音しやすいよう発展させた言語。サ行の発音で喉を鳴らして会話するため、他の種族には発音の区別が難しい単語が多く存在する。た同じ公言語を基準にした派生言語の中でも、とりわけ慣れないと聞き取りが難しい。

 上位言語として、ブレス等の特殊な発達と引き換えに発声器官の退化した、竜族のみが使用する言語がある。

 魔力の乗せて精神感応で意思伝達を補助する魔言【ソル・ジアル】と、竜人族が歌唱する際にのみ使用する【ソル・グラル】という言語体系が存在する。



・『ルガ音節語』

 知られている派生言語の中では、公言語エギアからかなり派生した形態を持つ。

 音程や音階、構文の単語数のリズムにより同じ文字、同じ言葉でも意味合いが複数存在する場合がある他、積極的否定や消極的肯定といった微妙なニュアンスを、獣独特の唸り声を交えて意思疎通するという特徴がある。

 獣人はその身体的特徴を生かし古来より伝令などをこなしてきたという側面があるためか、意外にも書面を書くことが多かったとも。

 文字に起こす際の意図の汲み取り違いをなくすために文字に書く際は「音節記号」という特殊な記号が用いられている。

 その種類も地域による方言も最も豊富に存在しているため、その正確な数は知られていない。


◆大陸について

 『エギアダルド』に大陸は2つ。

南北で海を挟んで横向きの陰陽図のようにいびつな半円形を描いた大きな大陸と、その合間に海を隔てて存在する大小さまざまな島が浮かぶ形で形成される。

 エルフや人族が人口の大半を占める新緑と氷壁の地『リムダルド大陸』

 リムダルドとは交流が絶たれて久しい赤土と砂漠が占める大地『セレグトラニア大陸』。

 加えて、中間に浮かぶ群島を『グラム列島群』で大きく区分される。

 



3) 種族/人物


 ◆人族……最も人口が多いとされる種族。各地に都市を築き、城を構えていたりするため、情報や物流が盛んな地域が多い。

 確認されている者の中では【ノーフィス】や【アイオーン】はこれに属する。

 

 ◆狼人族……人狼族とも。

 両者は細かな区分があるが、種族としては同じ獣人の一種族。嗅覚や聴覚に優れ、他の亜人には見劣るが人族以上の筋力と、それをはるかに上回る素早さを備えるものが多い。【アラン】がこれに該当する。


 ◆エルフ族……住処とする森ごとに呼称は異なるが、研究や技術に長ける「知」の部族、戦や狩りに長ける「武」の部族、交易や外交に長ける「公」の部族の三つに分かれて存在する。確認されている者の中では武の部族の『猟兵』の一族、【フィオセア】がこれに該当する。


 ◆龍人族……確認された個体が少ないため情報そのものが広まっていないものの、その鱗の硬さと重さの特性や竜族特有の『ブレス』は非常に強力なものが多いとされる。【ドラウ】がこれに該当する。



4) エネミー情報


 ◆『渦』

 『薄闇の伝承』に「音なるる影」と書かれる、正体不明の敵。

 全身が黒いという特徴以外は必ずしも一致せず、形状は不定形で獣型のものもいれば蟲型であったりゲル状であったりもする。基本的に本能で動くが、一部の存在には知性的に戦略があるかのような面も伺える。


 ◆渦の波音(ナミネ)

 他の「音なるる影」とは異なり人型をしていて会話もすることが可能な、正体不明の存在。

チャットボックスの発言表記が「白色」であることから、『プレイヤー』であることは確か。

 『薄闇の伝承』に基づいた設定背景がうかがえるがそれ以外は全く情報がなく、詳細は不明。コミュニティサイトの情報ではほかにも人型の目撃情報があるそうだが……




5) 考察メモ……』


「っふぁー……もうこんな時間か。まだ途中だけど、今日はこの辺にしとくかな」


 時計は日付を跨いでいて、随分長いこと集中して書いていたことに気付く。


「改めてまとめてみたものの、まだまだ情報の理解が足りないな……公開からの情報交換も見据えて定期的に書き足してってみるかね」


 あくびで眠気を自覚したら途端に瞼が重くなっているのを感じて、守谷はPCの電源を落とした。




今回は設定書きでした。

設定や用語の多い作品ですが、それをただ書き並べるのもつまらなかったので、アランこと守谷が主観で書いているというていで書かせてみました。

なのでわざと穴のある所もありますし……作者がやらかしている場合もありますがそこはご愛敬ということでひとつ。

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