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機巧人形の異世界譚  作者: 蛹太郎
第1章
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vs.バルン

スランプに陥るか、1日1話投稿できなくなるぐらい忙しくならない限りは毎日更新していきたいです

「キシャァァッ!」

「バルンはすばしっこい上に、宙に浮いてるから攻撃が当てづらい。薄い魔力溜まりからも発生するから、初心者が討伐に慣れる為によく討伐してる。あなたのスペックがあれば何の問題もなく倒せると思う」


バルンに対峙する俺に、ユリアがアドバイスをする。


確かに高いところに飛ばれると厄介だな……だったら、飛ばれる前に…!


ぐっと力を入れると、頭の中に無機質な声が聞こえた。

『個体名:ライト システム、戦闘モードに切り替えます。』


おぉ、こういうのもあるのか。

なんかカッコイイな……


そう思いながら勢いよく地面を蹴って、そのままバルンに一撃食らわせる―――そんな事を考えていた時期が俺にもありました。


結果から言うと、俺の出したスピードが早すぎて頭が追い付かず、かすりもせずに勢いよく通り過ぎた挙句、そのまま正面にあった岩に衝突した。


痛くなかったが、それ以上にビックリした。そしてこれがユリアに見られてると思うとめっちゃ恥ずかしい。

何だよ今の……普通に走り出すイメージだったのに、どうなんだこれは?


「なぁ……これ、早すぎない?」

と、思った通りの言葉を口にすると、

「バルン相手には明らかにオーバースペック」

いつの間にか俺がぶつかった岩の上に立っていたユリアが冷静に分析した。


ですよね!知ってたよ!

でも、今ので何となく感覚は掴めたかも?


「あ、ライト……あまり無茶をするのは―――」

そうユリアが言い終わる前に、足に力を溜めて一気にバルンに肉薄した。

そしてそのまま、全力でパンチしてみた。


そうしたら、パンチがヒュゴッという音を立ててバルンにめり込んだ後、バルンが弾ける音をかき消す程の大きな音がなった。

ついでにソニックブームも発生したぞ。


……これは、日常生活でも加減しないとまずいんじゃ?


とにかく、これでひとまず討伐だ。

頭に響く声も、敵を確認出来なくなったのか『システム、通常モードに切り替えます』と言っている。


それにしても、変わった生き物だな。

というか、本当に生き物なのか?

名前の通り、風船みたいに弾けたけど何も飛び散らなかったぞ?

気になって倒したバルンの残骸に触ると、それは音も立てずにどこへ消えてしまった。

いきなり目の前からものが無くなった事に驚いていると、軽い音と共に視界にポップアップが表示された。

そこには、バルンの皮と書かれていた。


これはアイテムドロップというやつだろうか?

どこにしまわれたのかは分からないが、とにかく便利なのは分かった。


「すごい。あれだけのスピードを、一瞬で制御するなんて」


小走りでこっちへ来たユリアは、驚いたような表情で俺を褒めた。


「いやいや、このボディの性能がいいからだと思う。それに、相手はこっちのスピードについてこれてなかったしさ」

「それでもすごいものはすごい。いいものを見せてもらった。その勢いで次のステップ」


マジですかユリアさん。

何だかかなり段飛ばしに進んでるような気がするぞ。

しかしそんな事はお構いなしのユリア。

本当にこれでいいのか心配になってくるぞ。


「次は魔法。とは言っても、あなたはまだ魔力を感じ取れてない」


おぉ、やっと魔法か。

とは言っても、今ユリアが言った通り俺はまだ魔力がどんなものか分からない。


「そこが問題なんだよな。何か案はあるか?」

「ん」


ユリアは、しっかりと頷いた。

朗らかな博士とは違ってクールな見た目通り頼りになるな。


「私が魔法をぶつけるから、それで魔力を感じ取って。これが一番手っ取り早い」


前言撤回、この子かなり脳筋だわ。

つか、いくら手っ取り早いからって味方に魔法ぶつけるってどうなのよそれ!?


しかし文句を言う間もなくユリアは呪文を詠唱していく。


「我は火炎の力を行使する者。我が力を持って燃え盛る火の球を放て。『フレアブラスト』」


ユリアがかざす機械の腕の前に、赤い魔法陣が浮かび上がり、呪文を読み終えるとそれが光り、そこからボーリングの球ぐらいある炎の球がこっちに向かって飛んできた。


それが俺に着弾し、ボコン!と爆ぜた。

「痛てぇ!つかあっちぃ!!」

「早く魔力を読み取って。でないと何回も撃ち込まなきゃいけない」

「やめろぉ!」


割と本気で叫びつつ、意識を集中する。

くそぉ、痛いし熱い……けど、それを生み出す何かを感じる……

モヤッとした何かが……あっ、魔法が消えた!


「くそーっ、もう少しで見えたのに!」

「じゃあ、あと何回かでいけるかも」


そう言ってユリアはまた呪文を唱える。

畜生!あいつ何の躊躇いもねぇ!


でも、これも魔法を覚えるため……!

2発目の魔法が飛んでくるのを見ながら、「チクショォォォォォォォォォ!!」と全力で叫んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


結局あれから5発も食らって、やっと魔力が認識出来るようになってきた。

ちゃんと自分の体を巡る魔力も認識できる。


腕の表面が若干溶けるぐらいには頑張ったぞ。

そして、それだけ魔法をぶっぱなしてたユリアは、若干疲れたような顔をしている。


「なぁ、魔法ってそんなに疲れるものなのか?」

「魔力を多く使えば使うほど、体力を消耗する。魔力は私達の命と繋がってる。いわゆる気力とか生命力だから、魔力を放出する魔法とかを使えば疲れる」

「ユリアって結構強いんだろ?お前が疲れるって、そんなに大袈裟な魔法だったのかあれ」

「私が撃ってたのは中級魔法。それなりに威力は高いのに、あなたはちょっと熱がったのと痛がったぐらい。悔しい」


ちょ、いきなり中級魔法撃ってたのかよ!

こういうのって、最初は単純にエネルギーぶつけるだけとか、弱い魔法使う場面だよね?!


「弱い攻撃だとあなたの防御力を超えられないし、近接攻撃は加減が難しいから」

「一応ちゃんとした理由はあったのね…」


理由もなく中級魔法撃たれてたら流石にショック受けたぞ。


とにかく、魔力を使えるようになったんだから良しとしよう。

というわけで、使えるようになったなら使ってみたいよね!という事になり、とりあえず見よう見まねでそれっぽい事をやってみる事にした。


とりあえず、さっきぶつかった岩をターゲットに、ユリアがやってたように炎の球を撃ち出してみる。

とはいっても、そんなに威力はそんなに高くなくていい。


とりあえず威力がそんなに高くない火の球を撃ち出す魔法を……


そんな事を考えていると、頭の中に文章が浮かんできた。

これを読めばいいのか?


「ふむ……よし、我は火の力を行使する者。我が力をもって、燃える球を放て!『ファイアショット』!」

その掛け声と共に、先ほどのものより随分と小さい炎の球が勢いよく発射され、岩に接触してバンッと弾けた。


「……!すごい、もう魔法が使えるの?」

「いや、見よう見まねだよ」

「いや、詠唱もしっかりしてたし、撃った火球も安定してた……これなら、魔法だけで狩りをしても大丈夫そう。時間はまだあるし、行こう」

「え?マジ、もう狩りできるの?」


何だかものすごい勢いで進展してる気がするけど…大丈夫なのかこれ?

ともかく、俺はユリアに言われる通り林の中で狩りをする事になった。

話を更新するに当たって、時間を定めた方が見やすいと思うのですが、どのくらいに更新すれば見やすい等の意見はありますか?


出来そうであればその意見を参考に更新時間を一定にしたいと思います。

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