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機巧人形の異世界譚  作者: 蛹太郎
第1章
5/67

ステータス?

5話が飛んでいました。

本当に申し訳ありませんでした!

VS.バルンは6話です

町の裏路地に1人分の足音と、カツ、カツと金属の音が響く。

とは言っても、この金属音は石畳を踏んで歩く俺の足音なのだが。


ユリアに渡されたフードつきのローブを目深に被り、顔を隠した俺は、前を歩く彼女を追いかけていた。


時は数十分前に遡る―――


「狩り、ですか?」

「そうそう、狩りだよ」

俺の前でお茶を啜る博士が言った。

博士がお茶を飲むのに使っているのはビーカーだ。

本当にビーカーで飲み物を飲む人がいるんだなと思いながらも、大人しく博士の話を聞く。


「このボディ、実はまだこの部屋から出した事がないの。さっきライト君に教えたのはカタログスペックだよ」

「へぇ、そうだったんですか。で、それが何故狩りに繋がるんです?」

「簡潔に言うと、ユリアちゃんと一緒に外へ行ってちゃんと動くか確認してきて欲しいんだー。んで、そのついでに保存食に使う食材を取ってきてほしいの。何を狩るかは、ユリアちゃんが知ってるから彼女に聞いてね」

「ま、まぁそういう事なら……」


―――――と、こういう流れで外へ行く事になった。


とは言っても、俺はまだ身分を証明する物がなく、その見た目も怖い。

自分の姿を鏡で見た時はビックリしたよ。

何せ、表皮の剥がれたター●ネーターのような見た目をしていたのだから。

いや、金属で出来た人体模型か?


ともかく、この姿で人を驚かさないよう、顔を見られないようにしているのだ。


機械の身体も、見られれば面倒があるしな。


と、外に出ている事を振り返っていると、

「あ、そう言えばあなたに伝えておきたい事があった」

とユリアが突然呟いた。


「伝えておきたいこと?」

「ん。身体状態視認魔法について」


身体状態視認魔法?

随分長い名前だな。というか何だそりゃ?


「身体状態視認魔法っていうのは、身体の情報を数値化したり、目に見えて確認出来るようにした魔法。」

それってまるっきりステータス魔法なんじゃ……?

異世界だからってステータス魔法とか、何でもありかよ……


「本来は奴隷とか、魔動傀儡ゴーレム機巧人形オートマタを管理する人が使う魔法。一般人には使えないけど、あると便利。ただ、生身の人間が使うと若干利用価値が下がる」


うーん、あまりいいイメージの魔術じゃないなぁ……

というか、それって俺も何か制限をかけられたりしてるのか?


「ちなみに私達は、博士に攻撃できないという条件でしか縛られてないし、扱い的には自分自身がマスターとしての権限を持ってる。つまりほぼ完全に自由。だから安心して」

「そ、そうか……」


いやぁ安心した!

人はやっぱり自由じゃないとね!


「それにしても、その魔法ってどうやって使うんだ?」

「使う事を意識しながら”確認チェック”って詠唱する。声には出さくても出せない事はないけど、慣れる必要がある。初めは声に出した方がやりやすい」

「そうか……分かった。んじゃあ、”確認チェック”」


ユリアに言われた通りやってみたら、目の前にいきなりパソコンのウインドウみたいなのが現れた。


そこに、俺の情報が乗っていた。



種族:機巧人形 個体名:ライト

状態:正常

魔導核:異常無し


物理攻撃力:5000

魔法攻撃力:4000

物理防御力:10000

魔法防御力:8000


耐久力:8000/8000

魔力量:1000/???


称号:無し

スキル:機巧人形、魔導核の恩恵、自動高速修復、形状変化、空間収納



うん、さっぱりしてるな。

その理由は機巧人形と魔導核の恩恵というスキルだった。

このスキル、どうやら複合スキルらしいのだ。


スキルの詳細を見ようとしたら、詳細欄にブワッといくつものスキルが出てきた。

……歩きながら見るには多すぎるな。

確認するのは研究所に戻ってからにしよう。


「ライト、ねぇ、門だよ」

と、ユリアに呼ばれてはっとする。

どうやらいつの間にか、門の近くまで来ていたようだ。


チラッとユリアを見る。


こういうのも何だが、ユリアみたいに義手とかを使ってる人って、こういう世界だと前の世界以上に悪く言われそうだ。

それに、門番のオッサンは遠目からでも分かるほど顔が厳つい。

いかにも怖そうで、こちらに文句を言ってきそうだ。


騎士っぽい鎧を身にまとってはいるが、それがとても不自然だ。

ぶっちゃけ、とても堅気には見えない。


なんて、いろいろと考えている間にユリアは歩きだしてしまったので、慌ててそれを追いかける。


門番の所まで着いた俺は、門番のオッサンを間近に見る事となる。

眉間に皺を寄せるその顔が怖い。


そんな門番に、ユリアは堂々と「門の外へ出る」と言った。

それに対し門番のオッサンは厳つい顔をユリアに向けて―――――ニコッと笑った。


「よぉ嬢ちゃん。また博士のお使いか?」

「ん」


え?と声が出そうになった。

さっきの怖い顔はどうしたんだってぐらいニコニコしてるぞ。

呆然とする俺を置いて、ユリアと門番は世間話を続ける。


「お互い苦労すんなぁ。ところで、後ろのでけぇ兄ちゃんは?」

「新しい助手。私の弟子」

「ガッハッハ!そうかそうか、嬢ちゃんにも遂に弟子がなぁ!兄ちゃんも大変だろうが、頑張れよ!」

そういうと、オッサンは俺の肩をバシバシと叩いた。

その後、「うぉ…固ってぇ……鎧でも着てんのか?」と呟いていた。


「んじゃ、気ィ付けて行ってこいよー」

「ありがと、行ってくる」

「い、行ってきます」


人は見た目で判断しちゃいけないな。

そう思った俺であった。



と、こうして外へ出た俺達だが……

「うぉぉ…すっげぇ……!」

広大な平原に、まるで子供みたいな声を出していた。

建造物のない、だだっ広い平原と青空が広がっていた。


俺のいた町にも山や森はあったが、ここまで綺麗じゃなかった。

人の手が加わってない自然が、こんなにも綺麗だとは思わなかった。

何と言うんだろう、心が洗われるようだ。


まぁ、この世界ではこれが当たり前なのだろう。

俺の奇行を見て、ユリアは首を傾げていた。


「ここから林まで、少し歩く。道があるから、そのまま進む」

「お、おう」


いかんいかん、すっかり自分の世界だった。

でも、自然が綺麗なのって、本当にいいな。

そんな事を考えながら、俺は林へと向かった。


しばらく歩いていただろうか。

視界の先に、変なものが浮いていた。

バスケットボールぐらいのサイズはあるだろうか。

茶色い球体が浮かんでいた。


「んん?何だありゃ……」

「アレはバルン。平原に現れる魔物。」

「ガ?」


お?俺達に気付いたみたいだ。

こっちを向いた。


そして、思い切り牙を向けてきた。

あまり強そうじゃないが、モンスター感満載のその顔は、ビビリな俺を驚かせるには十分な迫力があった。


「シャアアアッ!」

「うぉぉ!あれは敵か!?」

「バルンは気性が荒い。人にはよく襲いかかる」


おいおいマジか!

狩りの前にいきなり戦闘になっちまったぞ!

ちゃんと投稿したと思っていたのですが、上手く投稿出来ずに次の話を投稿してしまったようです


以後、気をつけたいと思います。

申し訳ありませんでした。

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