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第7話

冷たさの混じる風が吹く日が多くなってきたある日。

その日は朝からしとしと雨が降っていた。


雨が降る日は困ることが多い。

この家(?)はかろうじて濡れないようにはなっている程度だ。


まず移動が困難だ。

傘なんてないから、拾ってきた毛皮のコートを着て移動する。

1人分しかないのでイリアは留守番だ。

次に火だ。魔法を使うといっても雨の日は極端に火力が落ちるからだ。


罠を全部見終わって家に帰ると、イリアがずぶ濡れになっていた。


「どうしたの? 家にいなかったのか?」


「魚獲ってきたよ」


見るとかごに3匹魚が入っていた。


「ずぶ濡れじゃないか風邪ひくぞ?」


「大丈夫、大丈夫」

にっこり笑ってる。

3匹も獲れたのが嬉しいみたいだ。


早速2匹は焼いて、1番大きいやつはスープにした。


ゴブリンの一件以来サリーナさんには、良くしてもらっている。

依頼書の見方だとか内容の説明、採取の依頼が良く出る薬草などのことを教えてもらった。


ギルドってのは登録だけなら誰でもできるらしく、先日俺とイリアも登録してもらった。

なんでも獲得報酬によってランク分けしてあるらしく、俺たちもこの前の200メセタで[貢献度200]ってことになるらしい。

森から薬草を採ってきて依頼があれば納めるって仕事を何度かこなしたから、貢献度はもうちょっと上がってる。

それによって1日1食なんとか食べられるくらいになった。


あの時、勇気をだしてゴブリン倒してよかった。

やっぱりなにかしらのアクションを起こさないと、結果ってでないよな。


その日も前日からの雨だったが、薬草の採取と罠の確認に1人で行ってきた。

帰ってみると、またイリアはずぶ濡れになっていた。


「ちょ! また魚獲りにいったのか?」


「お兄ちゃんごめんなさい」

ちょっとションボリしてる。

どうやら獲れなかったらしい。

冬が近づいているこの時期、雨は冷たい。


「すぐに火を起こすから、服ぬいで」


「うん…」

ちょっと照れているらしい。


火を起こして、寝るときに使っている毛皮を羽織らせ着ていた服を絞って火の側に干した。


お湯を沸かし、買い置きしておいたトウモロコシみたいなもの粉末をいれ、岩塩を小刀で削って入れ味をつけ即席のスープを作った。


「ほら、トロみがついてるからな火傷するなよ」

イリアに渡す。


「ありがとう、熱っっっっっ!!」


「あー! 熱いって言ったろ? ちゃんと冷まして飲めよ」


「美味しーい」

ニッコリ笑う。


こんなものが旨いわけがない。

干し肉でも入れたら違うだろうけど塩と粉だけだ。

俺もカップに注ぎ飲み始める。


「熱っつ!?」


「あはは! 一緒だー!」

コロコロよく笑う。


「……」

濡れた髪に満点の笑顔、少しドキッとした。


ちょっと!! アズマさん!?


第1話年齢の部分を少し修正しました。

よろしくお願いします。

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