第3話
王都メレセディアの城壁は北から東側にかけて壁はない。
そこからは崖になっていて、トーテン山脈に続く山の麓になっている。
見るひとが見ないでも、北側から攻められることはないだろう。
北西側の壁に沿うように貧民街があり、ちょっとした街のようになっている。
なぜ壁の外に街があるのかとゆうと、下水が流れているからだ。
どうやら、垂れ流しではなく壁の向こうに処理施設があるみたいで飲むことはできないが何かしら使うことはできるみたいだ。
そして、その下水を掃除するために人を雇い掃除させている。
掃除は小型の船で下水が流れる川を移動し王都全域を掃除しているらしい。
もちろん、掃除は処理前の部分も行っており雇われてる人たちは
臭うのだ。
王都全域なのだから、かなりの人数がいる。
その人々の街となっている。
役所、食堂、ギルド支店、酒場、歓楽街、宿、武器屋、道具屋。
サイズ的には小さいが一通りのものは揃っている。
そして、ゴミがある。
山と森の間に大量にだ。
いくつかの区画に分かれていて、ある程度貯まると魔法によって消し炭にされている。
その消し炭にされる前に、掘り出し物を探すのだ。
「お兄ちゃん、これ使えるかな?」
イリアがいくつかのものを握ってきた。
60センチくらいの短めの剣と、折れた杖の造形部分、動物の毛皮でできた何か。
剣は握る部分と切れる部分の接合部が錆び錆びでぐらぐらしてる。が
「でかした!! イリア! 木片で楔でもつくってぐらつきを無くせばまだ使えそうだよ」
イリアの顔が綻ぶ。
「こっちと、こっちは?」
「杖の先っちょは使えないみたいだなあ、魔石もぬかれてるし」
「そっか」
「そっちの毛皮は洗って乾かしてみよう」
「うん、洗ってくるね」
タタターっと川に走って行った。
今日の飯は、廃材で作った虫網みたいなもので捕って焼いた小さめの魚4匹だ。
もちろん、二人で分けた。