表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/58

第23話

次の日、ギルドにワームを持ってきた。

「おはようございます」


ワームは結構デカイし、重い。

長さ4メートルほど、全体的に蛇腹になっており皮は硬い。


「ワーム2匹ぶんですね、ありがとうございます。これで安心して種まきができますよ、あとこれ旨いんですよ」


「え!? そうなんですか? 」


「ええ、しっかり中を洗って、一番外側の皮を一枚剥いでからしっかり火を通してあげれば、とてもおいしいですよ。なので討伐報酬は1000メセタになります。」


「へー」

ちょっと取っておけばよかったな。


「ノートン、今日はコボルトのほうだ」


「コボルトも一人で、ヤらせるつもりですか??」


「俺が手伝ったら修行にならねぇじゃねぇか」


「いや、そうでしょうけど……」

ノートンさんは俺のことを心配してくれている。


「いいかいアズマくん、コボルトはゴブリンよりも知能はないので、武器なども使わない、だがスピードに優れいているんだ。 常に囲まれないように戦うんですよ」


「はい、ありがとうございます」


「ちぇ! いいんだよ、余計なことは言わなくて」


「アドバイスくらい、いいじゃないですか」

俺はノートンさんにお礼を言ってからギルドをでた。


森は村から出て更に東にいったところにあった。

綺麗な小川があり、木の高さは全体的に低い。

草も繁っていて見通しが悪い。


小川の近くで昼御飯をとったあと、リナルドは村に帰っていった。


さすがにこの森の中に一人は寂しい。

人の声に聞こえる動物の鳴き声、明らかに大きい獣が動いた様な木々の揺れる音。

心細さからつい、声を出してしまう。

「たしか、小川の上流で目撃したんだったよな…」


しばらく上っていると、


バチャバチャ!!


と水の音がした。

見ると50センチほどの魚が浅瀬に入り込んで、出られなくなっていた。


「うはー、デカイ魚だ。 今日はご馳走だ」


魚を掴んで岸に上げたとき、


ガウァ!!!


狼と人間を合わせたよう獣が襲いかかってきた。

一見すると狼男だと思われるが、その身長は1メートルくらい、腕も足も細め。

なんとかかわせたが、気づいたら4匹ほどになっていた。


「囲まれないようにって、フラグだったか……」


と思もっていたら、連携もあったもんじゃな。

爪の攻撃に噛みつき攻撃、どれもスピードだけは速かった。

だがリナルドの剣ほどじゃない。

かわしつつ、すれ違いざまに切り込んでいく。

囲みを抜けた頃には、もう3匹増えていた。


「不味いなぁ 、だけど勝てないわけじゃない」


顔が狼なんで強そうだが、そうでもない。

皮は毛皮に覆われていいるが、関節部分に剣をいれるとスルリと斬れていく。


そう思いながら4匹目を片付けたとき、木の上から予想外の奇襲を受けた。

焦った俺は思わず、無詠唱で炎を使った。


ギャワン!!


顔面に炎を受け、苦しむコボルトの首を即座に斬った。

残りを片付け、討伐証明の部位を切りだそうとナイフを取り出したとき。


パチパチパチ


「いや~見事!! 神力による剣技だけじゃなく、まさか無詠唱で魔法を使えるとはよぉ? その歳でお前本当に何者だぁ??

答えによっちゃぁ、今ここで斬って棄てる」


そう言いながらリナルドは、剣を抜いた。

今までの稽古の時とは、比べ物にならないくらいのプレッシャーだ。


殺気だ、本物の。

全身が泡たつ。


「ちょっ!! ちょっと待ってください!!

何者もなにも、俺は俺ですよ。

サリーナさんにも、無詠唱で魔法を使えるのは魔族だけって聞きましたけど。

そもそも魔族を知らないのに……」


「魔族を知らんねぇ……。まあ、普通の子供で街の中で暮らしてたら知らんかもなぁ まあいいや、嘘は言ってねぇみてぇだし、話してやる。

とりあえず討伐証明部位を切り出して村に帰るぞ」

リナルドは剣を納めてくれた。


コボルトの討伐証明部位は尻尾だ。

意外にコイツら、ウ

サギみたいな尻尾がついてる。

全部取って、さっきの魚も持って帰った。


ギルドに付き、換金してもらう。


「凄い! アズマくん!! 7匹一人で狩ったんですか? コイツらの皮堅くてなかなか斬れないんですよ」


「え?? 堅くなかったですけどね……」


「ちょ!!」

ノートンさんはリナルドさんに目で合図した。


「あぁ、神力が使える。 しかも本人その事に自覚ねぇみたいだな」


「そのしんりきって確か巫女が使えるやつだよね? 俺は使った覚えがないんだけど……」


「あのですね、アズマくん。 一般的にキミくらいの年齢の子が、ワームやコボルトを斬ったり噛みついたりしたところで、傷もつかないと思いますよ」


「そうなの?」


「まあ、そうだな。ましてや、その何処にでも売ってるような剣ではむりだろうな」


「神力ってのは巫女が使える能力とされるが、巫女ってのはどうやって選ばれていると思う?」


「さあ?」

イリアが選ばれた理由なんて、まったく思いつかない。


「そう! だれもわからんのよ」


「家系とじゃないの?」


「違う。誰もが成る可能性がある、しかし誰もが成れない可能性もある、だから学者は、全ての人に神力が備わっているっていってるなぁ

備わっていたところで、使いこなせなきゃ意味ないからな」


「ちなみに、勇者って言われている人たちは皆、神力を使えますよ」


「神力の使い方は、明日からの稽古でやるとして。

まずはてめえの魔法のことからだ」


言うと、ギルド出て宿向かった。


しばらくゆっくりして、夕食をとった後に自室にて話だした。


「魔族ってのはなぁ、簡単に言うとそんな生き物は存在しない」


「えぇ!?」


「ゴブリンや、コボルト、オークやらガルートなど、基本的に人型の獣、または人に憑依した悪い精霊のことよ」


「ガルート? 精霊!??」


「あぁ、ガルートってのは北の寒い地方に住んでる、鳥と人間を合わせたような獣だ。 そう精霊って説が学者同士の間では一般的なんだよ」


「じゃあ魔法とかを司ってる精霊と同じってこと?」


「正確には同じじゃない、やつら魔族のほうが、普通の精霊より立場は上なんだよ。 だから無理やり精霊を働かせ魔法を使えるってわけだ」


「その魔族って何処からきたの?」


「さあね、ちょうどいい、北の方の国で出てるやつがいるらしいんで、会いに行こう」


「北?」


「俺のとこに来てた指名依頼、そいつの討伐なんだよ。

出発は明後日だな、寒い地方だからしっかり準備しておかにゃならんし」


「え?? 寒い地方って、どれくらいかかるの?」


「馬車で2カ月ってとこかぁ?」


「ちょ!? イリアのことは??」


「心配いらねーって、エミリアが付いてる。」


こうして、北向けて旅立つことになった。


すみません、暫くは更新に時間がかかります。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ