第14話
「で?? どういうことよ!?
アズマが魔法を使える!? 本当なの!?」
夕食後、魔法のことをはなした。
「うん」
そう言いながら拳大の炎を手の上だした。
「はあぁ!? どういうことよ!? 詠唱はどうしたのよ!!??」
サリーナさんの顔が少し怖く感じた。
「詠唱なんてどうしたらいいのか……、もっと小さいころに念じたら使えるようになった」
「はぁあ?? なにそれ…」
「ってか、今でさえ最大で両手大ぐらいだせるけど、昔なんて小指の先ほどの炎しかだせなかったんだよ。
だから、薪に火を付けることくらいにしか使えなかったし」
サリーナさんは頭を抱え込んで、項垂れていた。
「威力や大きさが問題じゃないの!
アズマ! あなたどうして魔法という現象が起きるのか知ってるの?」
「いや、知らないけど…」
そりゃMP消費して使ってるんじゃないの?
「この世界には目に見えない精霊がたくさんいるの。
その精霊に気に入られた人だけが、魔法を使えると言われているわ。
そして、気に入られた人であっても言葉にだしてお願いしないと、それぞれの精霊は働いてくれないの」
サリーナさんはじっと俺の目をみている。
「じゃあ合言葉みたいな呪文が必要なの?」
イリアが聞いている。 興味があるみたいだ。
「呪文なんて難しい言葉を知ってるわね…。
でも、そうじゃないの。
だれに・なにを・どうするってことを伝えればいいとされてるわ」
イリアの方に笑顔でそういってるが、俺にはその笑顔がちょっと怖い。
「あと、精霊は歌が大好きらしいの、だからお願いをメロディにのせると威力があがるそうよ
っと話がそれたわ」
俺の目を見つめ直して、お茶を一口飲んでから言った。
「ただし例外があるの、詠唱や歌を使わないで魔法を行使できる者たちがいるわ」
なんだいるんじゃん、それそれ!
「魔族よ!!」
えー!! ダメじゃん。
しばらく沈黙が続いたが、それを破ったのはイリアだった。
「お兄ちゃんは、魔族じゃないよ!! 」
イリアが叫んだ。
「落ち着いて、イリア。
私もそうじゃないと思っているわ」
イリアの頭を撫でながら、サリーナさんは言ってくれた。
「魔族があんな美味しい料理作れるなんて思わないもの」
えー!? そこ!? もっと内面的な何かじゃなくて!?
「お兄ちゃんボク、信じてるから。
お兄ちゃんの魔法は寒いとき暖かくしてくれて。
魚やお肉を美味しくしてくれて
魚やお肉を冷たくして長く食べられる様にしてくれて
お水沸かしてくれたり
えーと…それから…えーっと、ううぇえ~ん
とにかく魔族なんかじゃないよ!!」
イリアは大粒の涙を出して顔を真っ赤にしている。
こんなにイリアが叫んだり、感情をだすところなんて初めて見たかも。
俺は慌ててイリアを抱きしめた。
「ありがとう」
しばらく泣き続けたイリアは、疲れたのか寝てしまった。
少しぬるくなったお茶を二人で啜りながら話をしている。
「で? どうするの?」
「え? どうするって??」
「さっきも言ったけど、魔法をちゃんと使えるようになるには歌を覚えるのが一番の近道なのだから、学校行ったりしないのかなと思って?」
あー、そっかみんながもってる才能じゃないからな。
生かせば、いい生活が得られるわけだ…。
「サリーナさん、俺にはこの家で暮らせてることが、今まで生まれた中で一番の幸せなんです。 イリアも楽しそうだし」
「だから今まで通りってのじゃだめかな?」
「いいわ、そうしましょ。 さあ、明日稽古もキツいわよ!!」
「えー!! ちょっとは手加減してよ」
「あら? 幸せな人なんだから少しキツイくらいじゃないと、ダメ人間になっちゃうわよ~」
にこーっと笑顔で言われた。




