白色玉 オーナ: 佐藤 哲太(8)
「いやいやまじですか...?」
「でも、おぬしの好きなやつにも会えるじゃろう」
「ああ!里美ちゃんか!!ってなんで知ってるの!かめじい!」
「いつも水槽でデレデレしてたのは誰だと思ってるんじゃ」
「くーー。動物が人の言葉を理解できるとは思ってなかったんだよ!! まあでも、これで里美ちゃんの家に行く口実ができた!早速明日の朝に行こう!」
ピンポーン
その時、誰かがチャイムを鳴らした。
「はーい。どちら様ですかー」
「あのー木野里美です。佐藤君いますかー?」
「え...」
本丸来たー!!!!
なんで?なんで、里美ちゃんがわざわざ俺の家に来るの!?
「佐藤君の忘れ物を届けに来ましたー」
忘れ物かーい!!
限界の扉を開くとそこには、かわいい少女がぽつんと立っていた。
「こんにちは!あ...こんばんは...かな?もう夕方だもんね!」
かっかわいい!!もう天使と呼びたい....。彼女の笑顔がまさに俺の心をドストライクしたとき、ふと思った。
今なら里美ちゃんの心が読める.....!! でもそんなことしちゃいけないような....でも、見なきゃ俺はもう一人の使用者を見つけられないし...
とその時
「ほれ!早く心を読みなされ!心を読むには息を止めればできるぞ」
隣の部屋からかめじいの声が聞こえた。ただ、俺にしか聞こえないのだけれど。
「....佐藤君どうしたの..?ぼうっとしちゃって...今日もずっと静かだったけど大丈夫?風邪ひいちゃったの?」
天使の下から除きこむ心配そうな顔を見つめなおしたとき、俺は里美ちゃんの心を読む決意をした。
俺は息を止めた。
そして、かずかにこもったような声が頭に直接響いてくるような感覚で聞こえてきた。
「私の感覚が正しければ、きっと佐藤君も、宝玉を持ってるはずなんだけど....」