白色玉 オーナ: 佐藤 哲太(6)
「大丈夫、来週にはまた帰ってくるから」
この時の父さんの笑顔が頭から離れない――――
父さんはあっという間に去っていった。
俺は父さんが去った後、言われたままに二日間、白色玉を握り続けた。白色玉を握っている間、なんとか父さんに言われた信じがたい一つ一つのことを反芻し、理解するように努めた。
ご飯の際、母さんに多少怪しまれたり、残り二日あった学校生活中も幸太郎の視線から逃れながら。
そして、遂に48時間がたった時―――俺は水槽の目の前に立った。かめじいと言われる佐藤家の亀は、20年前の俺が生まれる前から飼っているが、佐藤家はかめじいより前にも亀を飼っていた。
「まさか、本当に亀としゃべれるわけないよね」
「まあ、普通わな」
「そうですよね。まあ、一応話しかけて....ってかめじいですか?」
「ああ。いかにも。私がかめじいと呼ばれておる」
「ほ、ほんとにしゃべれるんだ...」
「白色玉の力じゃな。ちなみに動物たちといっても人間社会にいる動物たちしか、しゃべることはできん。人間社会で育てられ、人の言葉を聞き、人間の言葉を見ていた動物たちは人の言葉を理解できる。まさに人間のこどもが言葉を覚えるようにな。」
宝玉が本物である事実に改めて驚きつつ、俺は平静を保ち、かめじいのほうを見た。
かめじいは小さな首をゆっくり動かし俺のほうを見た。
「かめじい、一から教えてほしい。宝玉ってなんなのか、父さんが何から狙われてるのか。そして、俺はどうすればいいのか」
「よろしい。教えてやろう。おぬしの使命についてもな」
「使命….?」