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痛恨の一撃

「ちょっ!え!待ってよそんなのありかよ!」


困惑するように叫び、いや実際かなりテンパっている青年は目が見開き、次の攻撃備え小石を持つ。


だが手が震えているせいで小石を地面に落としてしまう。

この緊張もすべてあいつが悪いんだと言わんばかりにキッと睨みつけるが、もう彼の目を見るのも恐怖を感じる。


「なんなんだよ君は! そんな常識はずれな行動とって正気の沙汰じゃないよ!」


あまりにもの動揺にもはや青年は敬語という言葉を忘れていた。

クソッとやけくそに小石を投げるが光楽はそれを。


「……痛っ」


全面的に身体で受けとり青年の立つ位置へと歩いていた。


まるでダムの栓がとれたかのように出血が流れるがそれもすぐに直る。

そう、青年の目に映るものは目の前の男に自分がどう攻撃しても避けなくなったという光景だった。


ガハッと吐血する姿も、そしてなにより生死の綱を渡る目の前の光楽という男の怒り混じりの死の覚悟をするその表情がとても怖い。


これほどにも迫力を人間が出せれるものなのかと青年は恐怖に陥り1歩後ろに下がった。


「ど、どうして避けないんだよ! 」

「いつまでも避けていたらお前を殴れないだろ、だからもう避けることを止めたんだよ。それだけの理由だ」

「君狂ってるよ!」


簡単に人を殺そうとしているお前に言われたくないと思いながらも前に突き進む。


「なぁお前、人に痛い目に遭わせる時当然お前にも痛い目に遭われる覚悟ってものがあるよな」

「ないよないに決まってる! 僕は痛いのが大嫌いなんだからさ」

「おいおい、それって不本意じゃないのか? こっちはさんざん痛い目遭わされたのに、自分は嫌ってお前それワガママにもほどがあるぜ」

「う、うるさい!」


悲鳴をあげながら次々に小石を投げつける。

それに対して光楽は呆然と、獲物を狙った蛇の如く睨みつけてゆっくりと着々に青年の立つ位置を目指す。


「ひぃぃぃっ!!」


そんなような声が目の前から聞こえ、当然この状況からして青年が放った声だ。


身近に聞こえたその声の主は気がつけば光楽は目の前に立っていて、姿が見えた。

目が泳ぎ涎、鼻水が流れる。


最初見た時はパーカーを被っていて姿こそ見えなかったが声が女性ぽかった。

だがこうして実際に見てみるとナヨナヨとした姿に不良に絡まれてはいじめられる。

そんなキャラ的な男だ。


でもそれでよかった。

女性だと殴れないしなと自分に安堵し男を見つめる。


「はぁ食いしばれ」


大きく右腕を放りかぶり溜める。


「ぁ………あぁ……」


まるで化け物に殺されるみたいな表情で見られ内心にお前のほうがよっぽど怖いよと突っ込むと同様に、痛恨の一撃を披露した。


バコーン!! と派手な音を鳴らしながら盛大に吹き飛ぶ青年の姿をみて、フンと鼻を鳴らしては満足感がみなぎった。






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