最悪の出合い
こんにちは始めまして。
ちょこちょこ違う作品を見てくださってくれてる殿方にはお久しぶりです。
この作品はもろ趣味です。
グロいの書きたいなと思った瞬間に書き始めた僕の願望作です。
ではどうぞ。
「眠いし退屈すぎだ…」
授業中に居眠りをしていた水戸部光楽の毎日は決まって憂鬱だ。
と言っても別に不幸を呼ぶ少年でも格段に優れた才能を持ち合わせた優等生って訳でもないのだが、いやしかし、だからこそ光楽は毎日のように憂鬱だった。
退屈な日常にして変わりのない世の中。
世間の人はそれでこそありのままの世界と言うだろうが、光楽にとってはそれがとても嫌だった。
「はぁ~」
大人は皆自分の将来の為に、社会の為にとこどもに言い聞かせて学校に行かせる。
こどもはそれを言われるがままに学校に行く。
それは仕方がない事だし、これと言ってこどもが反攻出来るわけでもない。
だって学校行かないと自分の将来が無いんだから。
学校にいけば将来に希望を持てるんだから。
学校に行けば親がご機嫌になるから。
さしずめ学校を通う学生達の理由は所詮こんなところだろう。
通う理由はこれらのように探せば沢山溢れてくる。
それでも光楽が思うに、納得がいかなかった。
本当にそれでいいのだろうか?
好きでもないものを徹することは正しいことなのだろうか?
そんな哲学者的なことを考えても光楽には答えを見つけることが出来ないでいる。
ただ、好きでもないことを行動にするのは嫌いだし不本意だ。
自分は自分で他人の言いなりになるために存在しているのではなく、もっと広々と暮らして行きたい。
今思うに自分の生活はまるで世界に支配されているようだ。
そう思う光楽は何よりも自由を求めていた。
「なんだか難しい顔になってるよ? こうちゃん」
隣の席にして幼馴染みな鈴森鈴がそう言った。
クリクリとした丸い黒瞳にショートヘアを決めた黒い髪は見事に似合っており、背が小さいといい鈴は回りにロリオーラを放している。
「いつもと同じだよ鈴、意味がないとは言わないが自分が納得のいかないことをするのは嫌なんだよ」
「はいはい、どうせそんなとこかなって想像してたよ。こうちゃん難しいことを考えてると友達できないよ?」
「……お前も知ってるだろう、僕が話し掛けてもすぐにあしらわれるんだよ」
「それはこうちゃんが楽しそうに話さないからだよ。見ている限り不気味だもん、もっと表情を豊かに」
「それは僕が表情変化が苦手と知っていながらの当て付けか?」
「そうだよ、苦手苦手ってただ逃げてるだけのように見えるよ。こうちゃんそこんところ分かってないよね?なのにりっ君はこうちゃんを手放さないってまさに奇跡的光景だよ」
「ぐぅ……」
まさか起きてそうそうだめ押しされるとは。
憂いな気持ちを心の内にし舞い込み、光楽の唯一の友と呼べる安城陸に助けを求めるべく安城の座る席へと見やる。
すると光楽に気づいたのか安城が軽く振り向き、ニッと歯を見せて親指を立てた。
「グット」
「なにがだよ……」
全く助けにはなっていなかった。
1
学校が終わり放課後。
帰宅しようと鞄を背負った光楽は陸と鈴に呼び止められる。
そのまま3人で帰宅し歩道歩く中、陸がこんなことを言う。
「光楽、俺はお前と友達になれてとても誇りに思う」
「なんだよ唐突に」
いきなり言われたことに少し照れる場面を見せる光楽だが。
「だって光楽と言えばボッチだろう?」
「堂々と僕のハートを削るなよ!?」
小さい友情が芽生えそうなところで粉々に砕けた。
「違うよりっ君! こうちゃんはボッチじゃないよ、私がいるもんっ!」
「まぁ聞けよ。鈴は幼馴染みなポジションがあるから光楽と一緒にいるのは分かるけど、友達関係でというのは唯一俺だけだろ、それって光楽を攻略したみたいで意外に凄くね。友達を引き寄せない光楽が俺だけって!」
「お前これなのか?」
と、光楽は軽蔑した眼差しでオカマポーズ披露する。
「…自分で言って吐き気がしてきた」
「バカだろうお前」
自分の失言に気づいた陸は地面に膝を付けた。
その陸と光楽とのやりとりに、鈴はクスッと笑みを見せては思う。
(よかった、こうちゃんず友達できないからずっと心配していたけど、こうしてりっ君仲良くなってくれたのは私にとって凄く嬉しいことなんだよ)
とても過保護な思考を持った鈴は二人を抜いて振り向く。
「ほらこうちゃんりっ君置いてっちゃうよー」
笑顔を見せつけて言う鈴の表情がとても可愛く、二人の思考は一瞬停止し、顔が赤くなっていることが分かる。
「お、おう?」
「ちょっ、置いてくなよ!」
二人の声が重なり、鈴の後ろに着いていった。
「チラシ配っていまーす、よろしければどうぞ」
若く大人らしい雰囲気を醸し出している女性に声を掛けられて足を止める光楽。
「どうぞ」
「どうも」
女性の大人らしい魅力につい袋に詰められたチラシを受け取り、ハッと我に戻った。
(いかんいかん、僕としたことがつい)
「光楽? 早く行こうぜ?」
「ああ、今行く」
陸に呼ばれ、今度こそ二人に着いていった。
2
光楽が家についた頃には二人とは別れていた。
玄関で靴を脱ぎそのまま自分の部屋へと直進。
部屋に入ると、勉強に使う机、椅子や本棚、身体に包まれたら暖かそうなベットなど高校生としてはシンプルな部屋だ。
光楽はぶっきらぼうに鞄をベットに投げ捨て、ドサッと自分の体重に任せベットに倒れこむ。
「……僕もあいつら見たいに笑いたいな」
表情を作るのが苦手な光楽にとって二人は嫉妬を含めとても眩しい存在だった。
自分だって表情を作ることは出来る……はずなのに。
どうにもそれは人を怖がらせてしまう顔になってしまう。
笑うと歪に顔が歪み、自分がいじられているのを分かっていて相手に怒ろうとしても眉間にシワが出来るだけだ。
本当はもっと穏やかに注意をしたいだけなのに。
上手く出来ない。
それは生まれ持っての光楽がかかげるコンプレックスで、光楽自信も治したいと思っている。
鈴にも陸にも手伝ってもらったこともあるのだが、結局はもう諦めた。
諦めがついた。
自分にはもうこのコンプレックスはどうしようもない
光楽はそう決め着けている。
別に一人じゃない、鈴も陸も居てくれる。
無理して変わろうとしなくてもいいんだ。
自分は自分らしく行こうと光楽は自ら蓋を閉めていた。
「全く、名前と似ても似つかない」
と、ふと光楽は本棚に詰まっている一冊の本を見つけた。
「そういえば陸に借りっぱなしだった」
読み終えていたその本はもう読む必要もなく人のだしいつまでもここに置いて置くわけにもいかない。
そう思いベットから立ち上がり鞄を持つ。
「チラシ、もらったんだっけ」
鞄を開けると学校の帰宅中に透明な袋詰めにされてるチラシを思い出す。
手に持つと新しく出来るらしいショッピングの広告が書いてあった。
すると光楽の手の平に固い弾力をした丸い物に触れる。
「あめ玉まで入っているのかよ……」
呆れがちの口調で呟き、この手の企業は金持ちとこの時光楽は思った。
せっかくだし頂くことにして、包み紙を解くとそれを口のなかに入れる。
「……マズっ」
なんともいえない香りが口の中に蔓延する。
せっかくもらったものだからと、嘔吐を戻し歯で噛み砕き、喉を通した。
3
「あら、光楽どこかにいくの?」
「ああ、ちょっと友達の家に行ってくる」
鞄を持ちながら玄関で靴を履いてると、リビングから
光楽の母である水戸部由美が現れた。
美貌と言えるその小顔。
プリっとした唇に聖母のように偽りなく、いくおくの事柄を見つめているような透き通った眼差しは誰がみても魅了に吸い込まれてしまう、まるでフォロモンでも流出しているかのように男も異性も目が離せなくなってしまう。
ただ一部を除くが。
答を返すと由美ママは顔を歪ます。
「あまり遊んでばかりは駄目よ、きちんと勉強をしないと、だらけてばかりいるとお天道様に怒られちゃうわ」
「分かってるよ母さん、借りた本を返しに行くだけだからすぐ戻ってくる」
「そうなの? ……でも友達関係も大事だけど勉強のほうも大事だからね。きちんと区別をつけないないといけないわ」
「……分かってる」
「こうしつこく言っているのも全部光楽に立派な社会人になって欲しいからだよ、それこそ立派に成長していく光楽を見ているのが私の幸せでもあるの。
そこんところ分かって……って待ちなさい光楽! まだ話しが終わってないわ!」
終わりそうにない言葉に嫌気をさした光楽はせっせと無言で玄関から出た。
「ああ、大人いつだってそうだ」
ー光楽には立派な社会人になって欲しいからだよ。
「押し付けだ……」
さっき言われた言葉を思いだしそう呟く。
別に立派にならなくたっていいじゃないか。
その景色は忙しいという言葉でしかないのだから、下過ぎず上過ぎず、普通にいれば失敗はないのに。
最低限不十分なく暮らせればそれでいい……大人は何故そう上に行きたがるんだろう。
光楽はそう思う。
歩いている内に電車が通る線路がとなりに繋がっている。
線路にそって更に歩いていくと陸の家に着くのだが。
「どうしよう、このまま陸と遊んで行こうか」
なら、どうせなら鈴も呼ぼうとポケットから携帯と取り出そうとした瞬間、光楽の前から声が聞こえた。
「やっと、見つけた」
赤いパーカーを着ているせいか姿は見えないが、声が高く女性かと判断したときにはそれは唐突だった。
女性は手に持っていた小石を光楽の立つ位置に投げ、刹那に風を切り裂く。
光楽の頬にかすりジワジワと遅れて血が溢れると、ようやく痛みを実感し、目をパチパチと2回ほど瞬きをするがまだ情報整理が着いてきていない。
「ほら、もう戦闘は始まっているんですからあなたもいつまでも呆けた面は止めて戦いに応じてくださいよ」
「な、なにいって、るんだよ……」
「分からないですか? ということはまだ成り立て? とぼけには全然みえないし、これはとんだ無駄足だったようだ。まぁでもそういうことでしたら……」
ククッと笑い言う。
「御愁傷様です」
いまだに分からない。
戦闘? 無駄足?なんのことか記憶にない光楽にとってその呆けた姿はすきだらけ。
1歩後ろに下がる。
分かることはとにかく目の前の女性は危険だということ。
今はそれだけでもいい。
とにかく逃げる事を優先に、狙われている理由は後にしよう。
そう思った光楽は女性に背を向けて駆け出した。
「あれーにげるんですかー? つまんないなー。僕と一緒に戦いましょうよお兄さん」
女性が駆ける言葉を無視をし逃げ切ろうと黙々と走る光楽だが、彼はまだ気づいていない。
口を尖らせた女性はポケットから無数の小石を手に取り、光楽を目標に定めた直後それは一直線を描くように無数の小石が光楽の背中を貫く。
「つッッッ!!」
悲鳴にもならない悲鳴が回りに響く。
「ビンゴ! お兄さんいい声を奏でてくれるね」
(なんでただの小石が体を貫通させるほどの威力があるんだよっ!)
一瞬にして身体の脱力感が消え失せ、地面に倒れる。
身体が焼けるように熱い。
あまりにも痛く、錯覚で痛みが熱いに変わっていく。
「たすけ…て…」
「今ので肺に胃に肝臓に腸に、その他諸々使い物にならないぐらい穴が空いたんじゃないかな、良かったね心臓に貫通しなくて」
冷淡な声が光楽の耳に届く。
これは本当にやばいとこの時感じた。
口から吐血し、頭がガンガンと痛い。おまけに目眩までしてくると光楽は死を覚悟する。
「僕は……死ぬのか……?」
由美ママに親父、陸に鈴の姿が頭で連想し写し出される。
皆の表情がとても笑顔で光楽は自分の名前を呼ばれているような気がして手を前に伸ばす。
「ククッそのようですね、残念ながら。でもあなたが弱いのが悪いんですよ」
他人事のように放つ女性は無限ポケットのようにまたポケットから小石を手に持つ。
「もう少し手応えがあれば良かったんですが、これじゃあいくらなんでも呆気なさ過ぎるし……今あなたがここで開化してくれるなら結末がどうなるかはなんともいえませんが?」
「なんの…ことか……わからない……」
んーまぁこれも運命なのかな、じゃあ仕方がないということで死んでください」
手を解きパラパラと雨のように小石を降らす。
それがまるで光楽の背中が豆腐のように綺麗に貫通し、身体にはこれでもかというほど穴が空いた。
「本当運のない人ですね、成り立ての童貞が僕に会うなんて」
最後にそのような言葉を聞いて水戸部光楽の意識はここで切れた。