第25話 悪役の似合わぬ男
誤字・脱字ご容赦ください。
ヒアデスの目の前には、確かに自分が刺した男がいた。こちらの慌てた声にひどく驚いていて、確かに幻ではなく確実に生きている。
(ど、どうしてだ!?確かに貫いたはずだぞ!?)
今回の仕事を請ける時、念には念を入れ、刃先には毒を塗りこめてあった。血中に入り込めば、即効性はないが確実に命を奪う。解毒剤にしても、毒自体がヒアデスの独自調合であり、彼以外には作れるはずもなかった。
「あ、あの。話戻しますよ?とりあえず」
孝和としては本来、ユノとカナエの2人に反応してもらえれば良かったのに、なぜかそれ以上に自分に大きく反応しているヒアデスを見て、何とか話を本筋に戻すようにエーイに頼んだ。
「本題は彼女たちだ。座れ」
エーイがヒアデスに命じ、着席するよう促す。倒れこんだ椅子を直し、しぶしぶながらヒアデスは腰を下ろす。確かに彼女たちが今、この場にいることが最大の問題である。
「……あんたの娘かい?二人してあんまし似てねェなァ」
ぼそりとトレアがヒアデスに小声で話してきた。
「まあな。いろいろあるんだ。だが、ここじゃ珍しくもないだろ?」
「……そりゃ、な。……わりィ」
そんな簡単な掛け合いがあったあと、タイミングを見てエーイが続きを話す。
彼女たちがここにいる訳、その一部始終を……。
「なにを考えている!?馬鹿者がっ!!俺を捕まえた彼に、仇討ちだと?俺は此処にこうして生きている。確かに捕まったかもしれないが、それに対する罰はこの稼業では当たり前だろうが!?その罰に対する復讐など下種の極みだぞ!!」
ヒアデスは最初は黙ってエーイの説明を聞くつもりだった。それが、ギャバン邸での流れを聞きおわった頃には、すでに我慢することが出来なくなってしまったのである。
カナエ、ユノには自分の仕事については説明してある。この街のスラム街で育つ彼女たちには、酷であることは判っていても話しておかねばならないことだった。自分の仕事で彼女たちに災難が降りかかる可能性を知ってもらい、それに対処する術として自身の暗殺術を仕込んだ。トレアの言うとおり、彼女たちはヒアデスの娘ではあるが、血の繋がりはない。ユノの肌は茶色、髪は黒、カナエは肌は白く、髪の色がアッシュブロンドで、姉妹で白と黒のコントラストが美しい。第一、ユノがカナエの妹になったのも10年前からと、そこまで長いわけでもない。
「で、でも父さん。あたしたちは、こいつが降伏した父さんをその場で斬り殺したって聞いたんだ!」
「はい……。私もそう聞きました。その間違いは、タカカズさんには本当に申し訳ないと思っています……」
猿轡を解かれたカナエとユノがヒアデスに言い訳を始めた。それを聞いて、ヒアデスは孝和に向き直り、深く陳謝する。
「タカカズ、キール。お二方には深くお詫びする。そして申し訳ない。2日続けて私と、娘たちに命を狙われているというのに、この対応。しかも、娘2人にいたっては死にかけたところを助けてまでいただいて、感謝の仕様もない……」
深々とヒアデスが頭を下げた。ユノとカナエはまだ言い足りないことがあるのか、口元をもごもごさせていた。それを見て孝和は焦る。キールは
『はえ?べつにいいよ?ますたーに、たのまれただけだし?』
と、まるで人事である。
「いや、全部誤解なんですからいいですよ。それより、わざわざ此処に来て皆さんを集めたのは訳があります」
ちら、とエーイを見ると、軽くうなずいてくれた。それを見て、エーイから説明のバトンを受け取ったと判断し、続きを話し始める。
「何だい。兄さん。俺らにもわかるような話なのかい?」
アルフの横の若い男、名をイストというのだが、彼が尋ねる。昨日の大怪我で死に掛けていたが、キールが治療し今はこうして会話も出来た。アルフも同様で、砕けた顎は会話が十分できる状態に回復していた。
イストの説明に孝和はコクリとうなずいた。
「昨日のことを聞きたいんだ。あのキャラバン襲撃のときのことだ。あれ、誰からの命令だったんだい?」
その場の全員がぎょっとする。内心冷や汗を掻きながらヒアデスが代表して言葉を返す。
「何のことだ?あれは俺たちにとって、いつものことだ。誰からも命令されたものじゃないぞ?」
「嘘ですね」
孝和はヒアデスの言葉を嘘と断言した。孝和自身少年期の経験から、嘘をつく大人をそれこそ数え切れない程見てきた。勘といえばそれまでだが、孝和はこれには確信に近いものを感じている。しかも、先ほどまでと違いヒアデスの言葉遣いが、非常に事務的に変わった。それに断言したときのヒアデス以外の、特にアルフやイストは面白いくらいに孝和の勘が正しいと、証言してくれる反応を示してくれた。
「この状況で嘘をつく意味があるんですか?アデナウ・コーン氏が戻ってこなければ、死罪なんですよ?」
現状は優しくない。協力が得られず、コーン氏が帰ってこなければ、後任の行政官のサインで、彼らは死ぬ。
「ぐっ……」
唇をヒアデスがかみ締める。
「あの襲撃時に襲ってきた者たち以外に、遠くから観察していた部隊は何です?ただの野盗なら全員で襲うはずでしょう。しかも、ヒアデスさん。あなただけ、他の人とやってることが明らかに違うんですよ。全員逃げを打っているのに、エーイさんを殺そうとしてたでしょう?何人か他にそんな人もいたみたいですね。明らかに他と連携の取れてない人がいましたし。まあ、攻めあぐねて逃げ出したみたいですけど、ケンネルの盗賊団はここじゃ鉄の掟と残虐・傲慢で有名なんでしょ?スタンドプレーをするような周りと上手くやれない奴が、そんな何人も生き残ってる訳ないですよね?」
一気に自分の感じた疑問点をぶつけた。相変わらず、ヒアデスはポーカーフェイスに努めていたが、他はそうもいかない。滂沱の汗を流すアルフ、目が泳ぐイスト、トレアは孝和に興味を持ったのか、ヒアデスとの駆け引きを見る観客のようになっていた。
「……知らんよ。俺はただ突出しすぎてタイミングを失っただけだ。最後の悪あがきにそこの隊長さんに一矢報いるつもりだった、それが事実だ」
目をつぶり、孝和を見ないようにして回答を返す。完全な拒絶の姿勢だ。他の者も何か理由があるのかこちらに協力したくとも、出来ないジレンマのようなものが見える。
(まいった。これで話してくれれば良かったのに。……嫌われるだろうな。……はぁ)
孝和の心中はズンと重くなった。これから自分のすることに対し、とてつもない嫌悪感を禁じえない。
(まあ、別にいいか……。やるのは完璧に悪役だしな。憎まれるのは、俺だけのほうが後々問題も少ない、だろ?覚悟を決めろ、俺!アリアが帰ってきてから悔やめ!後日土下座でも何でもやればいい!でも、……許してくれるかなぁ?)
「……あの、ですね」
覚悟を決めて孝和は話し始める。先ほどまでの澱みない物から比べると、じつに歯切れ悪い。
「?」
その様子にヒアデスは目を開け、孝和を見る。彼は両手を合わせ、指先をこすり合わせていた。しばらくそれが続き、両手を離すと孝和はまっすぐにヒアデスを見つめる。
「現在、ユノさん、カナエさんにはエリステリア・クラーディカ子爵令嬢、イゼルナ・クラーディカ嬢に対する武器を持っての威嚇行為の疑いが懸かっています。疑いといっても、彼女の目前で暴れていますので、訴え出れば認められるでしょう。その上、ギャバン氏の邸宅への不法侵入及び器物損壊。私に対する明確な殺意を持った殺害・障害未遂。これらが追加されます。私とギャバン氏は違いますが、イゼルナ嬢は貴族です。それに対する刑罰がどうなるかわかりますか?」
あえて自分のことを「私」と名乗り、事務的に感情をおさえ、ヒアデスに告げる。先ほどまでの、言葉の端々に感じられた優しさは全てそぎ落とされていた。後ろでビクッと2人が身じろぎするのを感じた。罪状の文言の一部は現代的な言い回しなので、この世界で通用するのかは賭けだが、どうやらそれには勝ったようだ。
「な、何だと!娘たちを助けておきながら、殺すというのか!?」
ヒアデスの怒号が孝和を打つ。それに真正面から孝和は対峙した。
「いえ、刑罰は死罪ではありません」
「な、に?」
ヒアデスは勢いをそがれる。一方事態を見守っていたトレアは、孝和の言わんことを理解した。
「マジかよ……。エゲツねェ……」
トレアはパンと音を立てて顔を覆う。その様子に残りの3名はどういうことかの説明をトレアと、孝和に求めた。
「トレアさんはお分かりな様ですが、ほかの皆さんにわかるように説明します。彼女たちは現在のままでは懲役刑となります。場所は此処から最も近いバクスタイン監獄となるはずです」
「あ、あああ……」
ヒアデスは先ほどまでの勢いどころか、魂までも吸い尽くされたかのように席に座る。呆然と意味の無い言葉がただただ口元からあふれ出す。後ろの両名からはヒッと恐怖に彩られた声が聞こえる。
「なあ、タカカズさんよ。そりゃ、ちょいと女の子にゃきつ過ぎねェかい?」
トレアが言うのも無理はない。バクスタイン監獄はこの地方では罪人を収監するものとしてよりも、むしろ残虐な苦行を与える地獄として有名だ。看守もいるにはいるが、この中ではリグリアの法の光が行き届かない。毎年、収監できる以上の人数が新しく入り、出て行くものはそうはいないはずなのに、一向に監獄があふれる気配がないという恐ろしいうわさがある場所であった。そして、そのうわさを裏付けるように、そこからの帰還者は全員心を壊し、出獄後しばらくのうちに亡くなってしまうのである。
その場所に、うら若い女性を放り込む、と孝和は説明、いや脅迫しているのだった。
「現状、打開策がひとつだけあります」
孝和はそう切り出した。
「そういうことか。エグイな、あんた」
トレアが話を引き継ぐ。ヒアデスも気付いていた。そういうことなのか、と。彼女たちを此処に連れてきたのはどうしてなのか。その理由が目の前に示される。
「では、これを……」
エーイが孝和の言葉を受け、どこかで見た書面を出す。
「……減刑嘆願書、減刑許可書だな」
「ユノ、カナエの分か……。用意周到だな」
そこには先ほどと同じ減刑嘆願書、減刑許可書がある。そして同様に、アデナウ・コーン氏の分のサインは抜けていた。
「説明は不要でしょう。ご決断を……」
孝和がヒアデスに迫る。しばしの沈黙がその場を支配する。その後、ヒアデスは横の3人を見て、全員が頷くのを確認し、重い口を開くのだった。
「なるほど、依頼主はそれぞれ別なんだな」
エーイが全員に確認する。ヒアデス個人に依頼というか命令を下したのは、盗賊ギルドのトップの補佐に位置する人物だった。トレアたちも、それとは別口のルートで依頼を受けていたようだ。
口が重かったのは盗賊ギルドの報復を恐れてのこと。しかし、彼らのポート・デイ脱出をサポートする約束も、減刑許可書に盛り込まれていることが判り、それから先は非常に協力的になった。この配慮も孝和の提案だったが、それを今この場の囚人たちには知る術はなかった。
先ほどの部屋から場所を移したこの場には、エーイのほかにはヒアデスたち4人以外は誰もいなかった。
「しかし、まさかな……。此処までひどい状況だったとは、予想外だ」
ヒアデス達から入手した情報はすさまじいの一言だった。役人連中の癒着やら、賄賂の横行、他にもごろごろと。非常事態とはいえ、孝和の提示した作戦でここまでの情報が手に入るとは思わなかったのである。人道的な配慮は十分に必要であろうが、今後治安維持に役立つどころか、この街の転換点を迎えるような大きな大きな重要情報となるだろう。
この世界でもこういった取引は、軍の諜報部門で使われている。ただし、表に出ないようひそかに行われている為、エーイのような治安部門の責任者では使われていない方法だったのだ。
「それで、此処まで協力したんだ。約束は守ってもらうぞ。行政官が救出されれば、全員のサインを頼むぞ」
睨むようにエーイに向かってヒアデスが念押しした。その目にはいらつきが隠せない。
「ああ、言われるまでもない。まずはこの件の関係者たちの捕縛だな。そこから糸を手繰るしかあるまい」
手元の資料を眺め、自分の為すべきことを確認する。
その様子をヒアデスは苦々しく思う。自分は仕方ないといえるが、娘たちは誤解からこの件に関わる事になったのだ。あの後に詳しく事情を聞くと、ギルドの連絡員からヒアデスの最後を聞いたそうだ。それから考えれば、その連絡員は補佐の子飼いだろう。ヒアデスの失敗を、娘たちで補うつもりで、あえて捻じ曲げた情報を与えたのであろう。ヒアデスが娘を鍛えているのは補佐の耳には入っているはず。ヒアデスが今の執行部とは距離を置いていたことで、反抗分子予備軍として監視されていたのは、間違いないだろう。
「ああ、そうだ。ヒアデス、ひとつ連絡がある」
尋問が終わり、部屋を出て行く前にエーイが後ろを振り返り、テーブル前の椅子に足を縛られた彼らに話し出した。
「ユノとカナエだが、傭兵団の本部で保護することになった。よろしくな」
「な、どういうことだ!?」
何気ない世間話のように語られた内容だが、それは聞き逃せない内容だった。
「タカカズには内密にしておくように言われたんだがね。私はどうやら、おしゃべりのようだ。口が軽くていけない」
オーバーアクションでお手上げのポーズをとり、頭を横に振る。
「2人の罪状は、イゼルナ様への威嚇行為・傷害未遂、タカカズへの殺害・傷害未遂、ギャバン邸への不法侵入及び器物損壊……だそうだが、タカカズがイゼルナ様に交渉して、アレをなかったことにしてもらったんでね。罪に問えるのはギャバン邸の一件のみになったんだよ。そうすると、2人のやったのはギャバン邸に侵入して、ガラスを叩き割ったことだけになる」
「そ、そんなバカな!?だが、もうひとつは?タカカズへの殺害・傷害未遂は!?」
「本人が誤解だし、別にいい、との事だ。そこら辺はうまい具合にやってくれ、ということでごまかして欲しい、だとさ。それよりも怪我させてごめんなさいと、お前たちに会わせる前に2人に変形の平伏までしていたしな。法に照らせば、バクスタイン監獄への収監は間違いないんだが……。この情報の報酬としてはまさに妥当だが、甘いとしか言いようがない」
ちなみに変形の平伏とは、要するに土下座であった。
「そ、そうなのか……」
「イゼルナ様にもかなり絞られていたからな、かなり精神的に参っているようだ。まさに一人だけ貧乏くじを引いているな」
はっはっは、と笑いドアからエーイが出て行こうとする。
「ま、待ってくれないか?」
その背に向けて、ヒアデスはエーイを呼び止めた。
「ね、眠い。正直きついなぁ。もうガッタガタ……」
軽く屈伸運動をして、傭兵団本部前に孝和はいた。ちなみにキールは本部受付の女性職員から毛布を借り、すやすやお休みだった。イゼルナはすでに馬車に乗り込み準備している。その彼女と2人きりになるのを避けるため、ここで体調確認しているというのも理由のひとつではあった。
「お前、ホントによく寝る子だね……」
ちらりと、キールを見てそうつぶやく。まあ、朝からいろいろあって今はもう夕日は沈み、夜の明かりがあちこちに見えるようになっていた。エーイが聞き出した情報を精査して、動くことになったので今はそのエーイ待ちの状態である。
パキパキと、体をほぐして現在の体調を確認する。どうやら両腕と、両足にだいぶだるさが残っている。まだ十分動くことの出来るレベルだが、やはり昼の一戦と、その後のユノの蘇生が効いていた。
「弱音は言ってらんないし、やってやるかい!うっし!」
勢いを付けて背伸びをする。ぐっ、と背を伸ばして横に立てかけてあったジ・エボニーを手に取る。
「待たせたな。すまん、時間がかかったのでな」
エーイの声が聞こえて、そちらに孝和は振り返る。
「ああ、どこに行くのか決まっ……たぁ!?」
視線の先にはエーイのほかにユノとカナエがいた。しかも、カナエの手には昨日ヒアデスの使っていたカタールがある。
「ど、どういうことですか?なんで外に出したんですか!?」
平然と彼女たちを外に、しかも武装した状態で連れ出すなど正気の沙汰ではない。彼女たちへの口封じの可能性が否定できないので、本部での保護となったはずなのである。エーイの腕を掴んで自分の側に引き寄せた。小声でエーイに質問する。
横目で見たカナエは、自身の持ったカタールの刃をそっと指でなぞり、その感触を確かめているようだった。もう一人のユノはなぜか地面を見つめ、こちらを見ようとはしない。
「いやあ、それがだな。ぜひとも私たちに協力したいそうでね。私の権限で特別に許可した。一発今回の首謀者にカマしてやりたいそうだ」
(駄目だろ、それ。て、言うかあなた、ここまでの経緯知ってるでしょうが!?俺、彼女たちへの印象最悪じゃんか!?)
そう考えていたのが表情から判ったのだろう、エーイがポンと肩を叩く。
「まあなんだ、結論から言うと、これまでの演技も含め、全部バラした。彼女たちも納得済みだし、安心しろ。刺されはしないよ」
「刺され……!?ものっすごく気まずいですよ!」
後ろを振り向くと、笑顔でカナエがこちらに手を振っている。頭巾を取った素顔は、派手目ではあるが、間違いなく美人であり、こんな状態でなければ顔を真っ赤にしていた自信がある。じっと地面を見つめているユノも、美しいというよりは可愛い部類ではあるが、若さにあふれる肌や、つややかな黒髪がアクセントとなって、魅力ではカナエに全く劣っていない。
あははは、と引きつった笑顔を返せたのは上出来だったと思う。
バッ、とエーイの首もとを掴む。
「一般市民を巻き込んでいいんですか?何かあったらどうすんです!?責任問題ですよ!?」
彼女たちには未来がある。このまま成長すれば、どちらもすばらしい女性となって、多くの可能性を掴むことが出来るだろう。それだというのに、エーイはこの危険な仕事の協力を彼女たちに頼んだのだ。
「問題ない。父親を助けたい娘2人の心意気に打たれたからだ、と万が一の場合はそのシナリオが用意されている。強制はしていないし、場合によってはスラム街への案内人も必要からな。それに君も一般人だろう?」
「……勘弁してくれよ。マジで……」
孝和は小さく目の前のエーイにも聞こえないような、小さな声でそうつぶやき、頭を抱えるのだった。
「ひとつ、いいです?」
「なんだ?」
確信といってもいいものを感じているが、確認する。
「下衆いですよ……」
「……さてな」
そっぽを向くエーイを見て先ほどより深く、ため息をつくのだった。
(解りましたよ!守って見せます!!)
ユノは、はにかみながら、カナエはにっこりとこちらに笑顔を見せる。それを見て、孝和は強い決意を漲らせるのだった。
感想とか見て元気出たので、投稿します。
あと、皆さんの登録数がとんでもない数になっていてありがたいことです。
なるべく失望させないようやっていきます。本当にありがとうございます。
でも、ちょっとプレッシャー……