↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

砂の人

作者: 秋葉竹
掲載日:2025/11/27


 


砂塵のなかで

無言でこちらをみつめる女の人がいた


なにも知らないほど

まだ若そうでもあり

なにかを諦めるほど

歳を経ているようでもあり

黒ずくめのスウェットを着て

漆黒の髪は短く切りそろえ

針金で編み上げた

細い影かなにかのようにみえた


それで

正しいものをみて生きようとする

光を放つような目の力が印象的だった


わたしと目があうと

くるりと背中を向けて

女の人は砂塵のなかへ消えていった



わたしについて来いと

云いたかったのだろうか


それでもわたしは日々を過ごして

その後ろ姿を忘れられないまま

ずっと暮らしに埋もれて来た

悔いはある



それでも

祈ることと云えば

明日からは

世界がいつまでも明るくありますように

そんな綺麗なことばかり



砂漠のまんなかへ

あの女の人が還っていったのは

砂漠の世界のほうが綺麗だと

知っていたから


だろうに


音と云えば

正しい風の音ばかり

ほかは砂を踏み締めあゆむ足音のみか

灼熱の太陽は

いつもなにかを燃やしつくそうとしている



そういう世界の果てを夢にだけみる


こんな灰色の風の吹く

暮らしのなかで

まるで泣いてるみたいな笑顔で


かなり照れながら








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。