告白篇
真美ちゃんとの(家族ぐるみの)付き合いが始まって一年近く。
ついでに補足するならば、中学時代に友人ともども巻き込まれたクソ最悪な事件から二年以上は経った。
その事件以来、異性に対して基本的に悪感情しか抱いていなかった俺は…………大人の教師を始めとする、どうしても会ってしまう異性を除いた、他人の異性の中の……真美ちゃんにだけは、悪感情を抱かなくなっていた。
最初はさすがに警戒してた。
といっても、彼女が腹痛になった時は除くけど。
だって、最悪な目にこそ遭ったけど……だからって他人の不幸を願って、それで他人が危険な目に遭ってるのに放っておいたら、それこそ俺や俺の友人に嫌な思いをさせたアイツらと同じだから。
とにかく、腹痛が治った真美ちゃんと再会してから…………俺は彼女に警戒していたけど、彼女と、彼女の家族……担任の伊皆先生とその再婚相手と付き合ってく内に、真美ちゃんに対する警戒が自然と解けた。
少なくとも彼女は、誰かを不幸にするような人間じゃない事が、付き合いの中で分かっていって……少なくとも彼女とは、良き友人でいたいと思ってる。
「そういえば、みんな聞きましたか?」
そしてそう思うようになったある日。
久しぶりに友人――中学の時に俺ともども最悪な事件に巻き込まれたヤツの一人である竜司が、県外の進学先から帰ってくる事を知り、それでみんなで会おうって事になって何度目かの再会をした日。
その帰省した竜司がこんな事を言ってきた。
「中学の時に僕達をハメたグループの一人が、彼氏だと情報サービスで自慢してた男の会社の株価が、急に下がり始めてるみたいですよ」
「いい気味だなぁ」
「因果応報とはこの事だよなぁ」
「ざまぁみろ」
「スッとしたな」
思わず俺達は安堵した。
笑ったらアイツらと同じになるからただ安堵した。
いや、あんまり変わらないか?
だったらこれからは反応を変えなきゃだけど……。
いや、それはそれとして。
脳裏にあの時の事――先ほど話題に出た、俺達をハメたクソ女の一人である女が彼氏と一緒に、俺のバイト先でもある、俺の遠い親戚にして養子にしてくれた人が経営している喫茶店から、慌てて出てきた瞬間を偶然目撃した事をふと思い出す。
ちなみに、友人に訊くと……どうやら株価が下がったのはその前後のタイミングだそうな。
無関係とは、思えなかった。
ちなみに、そのクソ女共が俺のバイト先から去った後……店内にいた、遠い親戚の店長や常連さん、さらには俺と出会った後くらいから常連さん、というか喫茶店の看板娘と化している真美ちゃんに何があったのか訊いたけど、それについては俺の過去を考えてか、何も教えてくれなかった。
まぁでも、状況からして。
正体不明で計り知れないなんらかの力が働いた影響で、ざまぁな展開になったのかもしれない。
家族ぐるみで付き合ってきて最近分かったけど……真美ちゃんは、どうやら普通の小学生じゃないらしいし。
なんにせよ、彼女には感謝しかない。
友人の小学生が、高校生を相手に無茶した事については複雑な気持ちだけど……それでも、なんというかスカッとした。
ただ、あの女の事だ。
一度恥ずかしい目に遭った程度ではめげなさそうにも思う。
一応警戒しよう。
「そういえば、バレンタインが近いな」
友人の一人の和行が言う。
嫌な話題から方向転換するために。
「みんな、本命チョコをくれる相手はいるのか?」
「「「「いやいやいやいや」」」」
俺達は同時に否定した。
さすがにそこまで期待はしていない。
最悪な事件もあったし。
「せいぜいが義理チョコだよ」
「本命チョコなんて身近のモテ男のヤツでしか見た事ないって」
「というかバレンタインの陰謀とかに乗るかよ」
「…………下手をすると大恥だよな」
「馨くん、今の間は何ですか?」
みんなの視線が俺に集まった。
あ、まさか無意識にも間を作ってしまったのか。
「まぁ、一番胸を痛めてた馨くんにこそ、一番に春が訪れてほしいですよね」
「「「うんうん」」」
「おい、何を考えているか分からんけど勘違いだぞそれ」
いや、そうは言いつつもみんながそう言う心当たりはある。
なにせみんなは真美ちゃんと面識があるから。
そして彼女の俺への眼差しが、なんというか……他の人に向けてるそれとはなんだか違うような気が、最近してきたから。
勘違いだったら凄い恥ずかしいけど。
というか真美ちゃんはまだ小学生なんだから、その想いがいつの間にか別の人物に向けられる、なんて事があるかもしれないけど。
今でも正直、信じられないけど…………俺の勘違いでなきゃ、真美ちゃんは俺に対して、親愛以上の気持ちを向けているような気がする。
何度も言うけど、信じられないけど。
あの事件のせいで女性不信になったが故に。
※
久しぶりに友人達と再会した後。
俺はまっすぐに家――遠い親戚の人の家でもあるそこに帰った。
その親戚が経営している喫茶店のアルバイトの時間までまだある。
それまでは物凄く暇だ。
ちなみに俺には残念ながら趣味はない。
再会した友人の一人は、仕事にしてしまうほど趣味を満喫しているっぽいが……そこまで熱中できるモノは俺にはない。
しいて言えば、遠い親戚の人の経営する喫茶店のアルバイトが俺の趣味か。
最悪な事件を忘れるため、一番ガムシャラにやったのがそれだし……だけどそのアルバイトの時間まで暇だ。
「…………今日は早めに行くか」
親戚の店長には苦笑されるかもしれんけど。
※
喫茶『ルシャーナ』。
日本語に似ている(らしい)インドの言語の一つであるタミル語で『おいしい』という意味らしいその名前の喫茶店が、俺を養子にしてくれた親戚が経営している店だ。
そして、そのルシャーナのドアには、移転場所の住所どころか地図すらも、どこにも書かれていない『移転のお知らせ』の紙が貼られていた。
俺と俺の友人達を最悪な事件に巻き込んだクソ女共の一人の彼氏がこの店を……撮影などを禁止にしているこの店を、ルールなんて知った事かと言わんばかりに、写メで撮りまくって、必要以上に客が来る事態になりかけたのが原因らしい。
ゆったりと時間を過ごせる隠れ家、がコンセプトなのにだ。
いわゆる迷惑系だったのだろうか。
だとしたら余計に腹が立ってきたな。
ちなみにそのクソな彼氏は、竜司によれば、真美ちゃん達の影響でトンデモない事になっているみたいだけど……いったいどんなざまぁを受けたのやら。
ちなみに店長曰く、移転後はいろいろと変わるらしい。
店名とか、営業形態とか、それに会員制にするとも店長は言ってた。
常連さんの中には今まで来てくれた近所の方々だけでなく、真美ちゃんの両親を含めた真美ちゃんの知り合い――『そういう場を求める』方々も含まれてるから、その方々を本当の意味で守るために会員制にするそうだ。
これで、情報サービスの方で騒いでいた連中もおとなしくなってほしいけど……果たして真の平穏はいつ訪れるのやら。
まぁたぶん、世の中からストーカーなどの犯罪者がいなくならん限り、こういう戦いは永遠に終わらないかもしれないな。
まぁそれはともかく。
俺は表の出入口から堂々と店内に入る。
「いらっしゃいま……ッ!? か、馨さん!?」
キッチンに店長と一緒にいた真美ちゃんが、目を丸くした光景が目に飛び込んできた。
すると同時に、俺の鼻孔に甘い香りが入ってきた。
これは……ああ、なるほど。真美ちゃんが店長と一緒にバレンタインデーのための準備をしているのか。
店長はそういう季節にちなんだイベントをルシャーナで毎年してるし。
「すみません、暇なので来ちゃいました」
「気にしないで、馨くん」
俺に見られて、思わず真美ちゃんの手から離れた物を、床に落ちる前にキャッチしながら店長――遠い親戚のお姉さんでもある玲子さんは言った。
「そういうコンセプトの喫茶店なんだから。たとえ移転してもね」
さらにはそう言いながら、真美ちゃん――高さの調整のため、台の上に立つ彼女の前にある、調理台の上の物を素早く隠した。
バレンタインデーイベント用のチョコレート。
一年ごとにその種類が変わる、いわゆる『どんなチョコかは当日のお楽しみ』なチョコだろうからそりゃ隠すわな。
「あぁそうだ、真美ちゃん。馨くんは今はまだお客様なんだから、手を洗ってから席へとご案内して?」
「あ、は、ひゃぃっ!」
真美ちゃんの声が裏返る。
そして、もはや看板娘というくらいこの喫茶店で活躍している彼女は手を洗った後に、緊張しているのか、ぎこちない動きになって「こ、こここちらの席へッ! どどどうぞ!」さらには声を震わせつつ俺を席へと案内した。
いつものしっかりした彼女からは考えられない姿……だが、この、言い方は悪いかもしれないが、ちょいポンコツとも言える姿に真美ちゃんがなるのは、俺がいる時だけだったりする。
といっても、この一年の間で慣れたためか、最近は手伝いを始めた当初より緊張しなくなっているけれど。
そして、その事実を思うと…………どうしても、彼女の俺への想いの事が、俺の頭を過って。
とても嬉しくて。
そしてどうしても信じられない気持ちになる。
過去の最悪な事件のせいで。
そして俺がその事件を今も乗り越えられないせいで。
真美ちゃんからもチョコの香りが漂ってくる。
今はその香りだけだった。
俺の心に平穏をもたらすのは。
※
バレンタインデー当日。
ご贔屓になさっている常連さんが全員集合した。
先ほども言った通り、近所の人だけじゃない。
真美ちゃんの両親を含めた『そういう場を求める』方々も集まっている。
イベントといっても、バレンタインデースペシャルなメニューを食べられるとかそういうので、別にクリスマスパーティーみたいな事はしないのに、みんな開店と同時にご来店してくださった。
もしかすると、この住所でやる最後のイベントかもしれないから、送別会みたいな感覚でみんなご来店したのかもしれない。
ちなみに、店の出入口のドアには『貸し切り』と書いた紙が貼られてる。
実質、貸しきりの状態と言ってもいい状況なんだから嘘は一切書いてない。
そして、これで不用意に店内に入ろうとする不届き者はいない……と信じたい。
「はい、連藤さん達はレイコスペシャルカクテル入りのチョコケーキね♪」
「おぉー! メグムさんメグムさん! 酒入りですって酒入り!」
「はいはいエバはちょっと落ち着こうかー」
「ザ・ライナーズのみなさんにはまず、チョコレートバターケーキね♪」
「おぉう! これこれこれぇ――ッ!」
「うぅ~ん、玲子さん達の料理は見た目からして癒やされる」
「そうか? 普通にうまそうなケーキやろ?」
「それはともかく、いっただきま~す!」
「それじゃあ次は――」
俺を養子にしてくれた店長こと玲子さん、そして真美ちゃんの作ったチョコ料理が、次々にテーブルに並んでいく。
それなりに常連さんはいるため、さすがに俺も料理を運ぶ二人を手伝う。
それを見た玲子さんは「馨くんにはホワイトデーで頑張ってもらうから」と言われたけど、真美ちゃんと出会う前と後じゃ常連さんの数が段違いなのだ。
文句はない。
むしろ喜ばしい事だけどさすがに大変なのでここは手伝わせてほしい。
というかホワイトデー……去年以上に大変な事態になりそうな予感しかしない。
これは下手をすれば……俺の友人達どころか、真美ちゃんが料理を出した相手にして真美ちゃんの知り合いでもある、男性アイドルグループのみんなにも手伝ってもらわなきゃいけないかも。
「か、かか馨さんッ!」
するとその時。
補足すると、手に持ったチョコレート料理を全て運び終えて、店の隅の方の椅子でひと休みをしている時の事。
全ての席に料理を出し終えたのだろう。
真美ちゃんが俺の前の椅子に座り声をかけてきた。
顔が赤らんでいる。
そしてそれは俺に一つの事柄を想像させた。
いや、酒入りチョコを食べてしまったとかの想像じゃない。
かつて、俺の気持ちを……俺の友人達の気持ちを……嘘の告白により踏み躙った女子共がしていたのとは違う、本気の告白……それを想像させたんだ。
※
中学の頃、学校で嘘の告白が流行った。
いったいどんなキッカケで流行ったのかは分からない。
もしかすると、別の学校で流行っていたからとかのクソくだらない理由かもしれないけど。とにかくその嘘の告白……それに、流行っている事を知りもしなかった初期に、俺と俺の友人達が引っかかり呼び出した女子共に笑い者にされた。
そしてそれ以来、俺は、そして友人達は女をなかなか信じられなくなった。
俺の場合は、玲子さんや伊皆先生のおかげで、信用できる女性もいると、少しは信じる事ができるようになったけど……みんなもそうなるといいな、と今も思う。
それはともかく。
そんな中――信用できる女性がまだ少なかった頃に俺は、伊皆先生の再婚相手の連れ子である真美ちゃんと出会った。
彼女はタイミングさえ合えば、俺と玲子さん、さらに自分の家族である伊皆先生とその旦那さんを遊びに誘った。
といっても、真美ちゃんは大半は緊張しててあまり楽しめていないような印象を受けたりしたけど……それでも帰る頃には満足そうな顔をしていた。
いったいどうしたんだろう、とその時は思ってた。
一方で玲子さんと伊皆先生は苦笑してて、伊皆先生の旦那さんは俺を羨ましそうな顔で見ていた。
でも、何度か一緒に遊ぶ内に。
信じがたい事に、彼女が俺に好意を持っているんじゃないか、とふと思ったん、だけど……。
※
まさか、彼女は今から告白するのだろうか。
バレンタインデーだからこそ。
目の前に座っている俺に対して。
そう思った途端、俺の心臓の鼓動が高鳴る。
告白されるかもしれない緊張だけじゃない。
かつて経験させられた最悪な思い出がフラッシュバックするが故の緊張だ。
真美ちゃん達との付き合いの中で薄れてきていたそれが、再び俺の中で暴れそうになる。彼女はあの女共とは違う。今までの付き合いの中でそんな事は分かってるハズなのに、それでも目の前の彼女を警戒してしまう。
あ、ダメだ。
どうしてもあの時の、世界が終わったかのような衝撃がフラッシュバックして、世界が揺らいでいるように見え――。
――真美ちゃんが、俺に…………手作りのチョコケーキを差し出した。
「あ、ああああのっ、あたっ……ふぅ……ふぅ……ふぅ……」
緊張により、真美ちゃんの言葉が途切れる。
しかし彼女は、それくらいではめげなかった。
何度か深呼吸を挟んで…………ついにそれを口にする。
「あ、ああ……あのっ、アタシ……馨さんの事…………好き、ですっ」
それは、とてもまっすぐな言葉だった。
俺と俺の友人達の気持ちを踏み躙った女共がかけてきた言葉とは、とても似ても似つかない純粋な言葉だった。
「あ、ああ……アタシは、まだっ、小学生、だから…………犯罪になるんで、男女の付き合いは…………できないです、が……」
深呼吸を挟んだものの……まだ、緊張は残っている。
けれど彼女は、ただただまっすぐに、俺へとその想いをぶつけてくる。
なんか途中でリアルな事情とか入ったけど。
いや彼女は基本的に良い子で、理解力もあるからそういう言葉が出るのも、納得なんだけど……いや、年齢の問題を無視しないのは立派だよ?
けどなんか…………告白っぽくないような気がする。
「あ、あああアタシがっ、高校生になったら…………彼女にしてくださいっ」
だけど、それでも……気持ちは嬉しい。
まだ、中学の時のトラウマは乗り越えられてないけど。
「こっ、こここれはアタシの……気持ちですっ。受け取ってください!」
俺の事を本気で好きになってくれる女の子がいてくれるだけで……幸せだ。
「…………ありがとう、真美ちゃん」
けれど、そんな彼女の想いに対し俺は。
果たしてどう返事をすればいいのか……過去の事がどうしても引っかかってるのもあって、分からない。
だけど、目の前の彼女の想いに…………いい加減に応えるワケにはいかない。
「…………その気持ちは、とても嬉しいよ」
かつて、俺と俺の友人達が受けたような傷を、彼女の心につけないためにも。
「だけど……年齢差も、あるけど。俺は真美ちゃんを……まだ、一人の女性として見れないんだ。悔しい事に……まださ、乗り越えられてないんだよ」
真美ちゃんは、俺の過去を知っている。
俺の友人達の話の中で出たクソ女が、この店に来た時に、そのクソ女がペラペラと俺の過去をブチまけて知ったらしい。
その事件の後、伊皆先生が電話で教えてくれた。
ついでに言えば。
いつだったか言ったかもしれないけど……真美ちゃんが中心となって、そのクソ女をざまぁな目に遭わせたかもしれない事も。
「俺としては、乗り越えたいと思うけど……もしかすると、乗り越えきれないかもしれない。だけど、そんな俺でもそばにいてくれるのなら……こんな俺なんかを、高校生になっても好きでい続ける事が、負担にならないと思うのなら…………そばに、いてほしい」
「ッ!?」
次の瞬間、真美ちゃんは静かに……笑いながら泣き出した。
しかし真面目な彼女は、俺へと差し出したチョコケーキの位置をそれでも維持し続けた。
そんな彼女を、いろんな意味で見ていられなくて。
というか腕への負担を真っ先に考え、このままじゃいけないだろうと思って……素直に彼女が作ったチョコケーキを受け取って。
その涙を、ハンカチで拭った。
一応、俺の素直な気持ちを告げたけど。
その答えが最善のモノだったかは分からない。
もしかすると、俺や俺の友人達の気持ちを踏み躙った女共……ほどではないかもしれないけど、それでも、彼女の期待を裏切ってしまった可能性は捨てきれない。
だけど、真美ちゃんとこれからも一緒にいたい気持ちは、本当だから。
ズルいかもしれないけど。
真美ちゃんがいない世界に希望はほとんどないと思うから……俺はとりあえず、彼女の気持ちを受け取った。
いつかは……答えを出さなきゃいけない。
俺も。
そして真美ちゃんも。
それはお互い分かってる。
だけど今は……今の関係を大切にしたいと、俺は強く思う。
ふと気づくと、世界が元に戻っていた。
さっきは、トラウマのせいで、揺らいでるように見えた世界が……いつの間にかいつも通りの世界へと。
※
ちなみに。
真美ちゃんはある程度、声を抑えていたけれど……それは絶対に聞こえない声、というワケではなく。
バッチリと、常連さん達にも聞こえていたけれど。
その常連さん達は、俺達に対して何も言ってこなかった。
俺へと複雑な顔を向ける真美ちゃんのお父さんでさえも、である。
おそらく、みんなも真美ちゃんと同じく俺の過去を知ったからだろう。
告白シーンを見て冷やかして、それで俺のトラウマが抉れないようにと気遣ってくれたのだ。
俺も、真美ちゃんも、その事実を後で知って恥ずかしくなったけど。
同時に俺は、理解のある常連さん達に囲まれて……改めて幸せだと思った。
え、嘘告白?
私の学校にはありませんでしたが嘘ラブレターはありましたなぁ(遠い目