ミルクティ
ミルクティを入れて、
炬燵に入る。
おはようの一言、
斜め前の君に言う。
君は絵本に夢中。
カップを口に、
運びながらつけた
ラジカセのラジオ。
聞こえてきた
ひまわりのメロディ。
昔の映画だ。
朝らしくない。
ミルクティを飲んで、
炬燵に寝転ぶ。
君がふいに言う。
映画、見に行こう。
寝転んだままで、
何が観たいの。
窓の中にあった
空を見て聞いた。
聞こえている
ひまわりのメロディ。
戦争の映画だ。
空が悲しくなる。
ミルクティをいつも、
二人飲んでいた。
年の瀬の朝の
他愛ないひとコマ。
いつの間にか
君と暮らしていた。
まるでエデンの園。
君と観た映画。
聞こえてくるよ。
ひまわりのメロディ。
耳に残る映画は
今でも、ひまわり。
聞こえてくるよ。
ひまわりのメロディ。
でも君の映画は、
ひまわりじゃない。
でも君と同じだった
朝のミルクティ。