再会
「..........久しぶりだね。ルカくん。」
忘れたくなかった、でもどうしても思い出せないでいた、可憐で暖かみのある若い女性の声。しかしひとたび聞けば、その声の持ち主が誰なのかなんて一瞬にして理解できる。
「あぁ、あぁ、そうか...私は...いや俺は、賭けに勝った訳だ。」
「ふふ、賭けって。まぁ、勝ちか負けかで言ったら勝ちかな?」
「大勝ちだ。完全勝利だよ。わた...俺はこのためにここまで生きてたんだよ。」
「冗談に聞こえない熱量だね。まぁ嬉しいから良いけどさ。あと、無理しなくても慣れた一人称でいいんだよ。」
「無理なんかしてない。せっかくサラと再会できたんだ。あの頃みたいにまた話したいんだ。」
病院のベッドで、柚木ルカ と 雪谷サラ は無邪気に笑い合う。
「私、ずっとお見舞いに来てたんだよ。」
「うん、そんな気はしてた。ありがとう。」
「でも、まだまだ会話なんてしたくなかった。話しかけるのは私だけで良かったんだよ。」
この言葉になんて返そうか、複雑な感情が渦巻いて整理がつかない。だからあえて本心を、ありのままに伝えることにする。
「俺は、本当は1秒でも早く会いたかっ」
「ってかルカくんめっちゃ老けたよね!!!イケオジになるって言ってたけど、イケオジ通り越して長老じゃん!!ツルツル!髭サンタさん!はははっ」
「っ!!スゥーーー...サラは変わらないね。色々と。」
「お、褒めてるってことで良いのかな?素晴らしいこと言うね。ご褒美あげます!」
サラはそう言うなり、いきなり俺の頭に飛びつき、禿げ上がった額にかぶりついた。タタタタタタタッと額に何かが当たる感覚があるので、恐らく彼女の舌は時計の振り子を倍速再生したような動きをしているだろう。
「お前は犬か。」
と言いつつ、内心ではこの変わらない無邪気さにひどく安心して、今にも泣き出しそうである。
「よし、せっかく起きたんだし、日が沈む前に散歩行くよ!この辺に良い夕日スポットあるんだから!それに、ルカくんがいない間にいーーっぱい行きたいとこ見つけた!休んでる暇ないからね!」
「あぁ、そうだな。これから取り返すんだ、俺たちの時間を。しかもまだ、サラをあんな酷い目に遭わせた奴にこれっぽっちも仕返ししちゃいない。」
「もう復讐なんて考えなくて良いの!こうしてまた会えた訳だし、これからの時間の方が圧倒的に永いんだから!」
これは、かつて同級生だった男女二人の、時を超え、歳を超え、現世を超えた物語。
「これからもよろしくね。生まれて間もない長老さん。」
「こちらこそよろしく。75年、待たせてしまったね。」
初めての投稿です。最近このサイトで小説読み始めてからだんだん自分でも書きたくなってきて、ついに1歩踏み出しました。書いてみて思ったこと「みんなすげぇ....」
やっぱり物語が上手な方って妄想を言語化する能力が高いですね...痛感しました....。
超初心者なので色々と読みづらい箇所あると思いますが、どうか生ぬるい目で見守って頂けると幸いです...。




