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現実

同僚達に配属の挨拶を済ませた新兵のリュウは、その後の部隊ブリーフィングに参加し、今後の整備計画を基地司令官から直々に伝えられた。


「……整備計画は以上だ。最初の侵攻から5年、帝国からの追撃は未だにない。だが、敵は必ず来る。準備だけは怠るな」


 ブリーフィングを終えると、優しそうな男性がリュウに声を掛けてきた。


「リュウ一等兵!私はシマダ伍長だ。長い付き合いになると思うが、よろしくな」


 年の頃は20代中盤だろうか、明朗な口ぶりに好感を抱く。油にまみれた作業服が、実直な仕事ぶりを連想させる、爽やかな青年だ。


「おいシマダ、リュウ君は外装の配属だ!機関科の手伝いは他をあたるんだな!」


 悪意のない牽制で、シマダ伍長の目論みを打ち砕いた声の主は、外装科のタカノ伍長。オールバックの金髪と、焼けた肌が眩しい。サーファールックなスタイルをしている。


「なんだ、タカノにはお見通しだったか」


「ヘッ、シマダと話すと嫁さんとガキの自慢ばっかしてくるから気をつけろー」


「お前も女の話ばっかりだろうが」


 どうやら2人、かなり砕けた仲のようだ。


「じゃあ早速だけど、外装のメンテ教えるから。リュウ君はしばらく俺とバディだな!」


「よろしくお願いします。タカノ伍長」


「よせよ!タカノさんとか、タカさんでいいから。階級呼びは軍隊みたいで鳥肌が立つ」


「ココ軍隊ですよ、タカノさん」


 リュウの指摘は最もだ。


「それでいい。だが、俺は平和主義者だからさ」


 おちゃらけた口ぶりではあるが、彼の目は真剣だ。この時代に生きる者は、例えどんな思想を持っていようと、戦争と無縁ではいられない。

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