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赤ちゃん?

くそっ。今日も晩飯はカップラーメンかよ。


お湯をカップラーメンにそそぎ、ふたを閉め、そしてふたの上に箸をのっける。

家賃が安いということで部屋が狭い。

狭いもんだから、ちゃぶ台をおこうもんなら寝る場所がなくなる。

だから何もない。

何回か、ごはんや汁をこぼしてしまったからか、そこら中にしみの残る畳の上で、

飯を食う。


いや、カップラーメンはうまいんだよ。うん。

でも、何日も続けるとね。

健康に悪い感じもしてくる。



それもこれも、金がないからだ。金さえあれば、と毎日思いながら、うっすい毛布にくるまり、眠る。

この布団で寝返りをしようとすると、体が痛くなる。

それを防ごうとしてもマットレスすら買えない。


次は金持ちに生まれたーい。

なんて思いながら俺はいつものように眠りについた。






俺はいつものように目を覚ました。



はずだった。

いつもより、朝が明るい。

安い家で、しかも裏に高い建物が建ってるせいで日の光なんて入ってくるはずがないんだが?

日照権なんてものは存在してなかったんだが?

と、いつもと違う光景に驚き、そしてツッコミを入れる。


よーーく見てみたら、天井も広くなってる。

視界の中に、両方の壁が見えていたのが、視界の中に、どちらの壁も入っていない。

しかも、前の住人がどうやってつけたかわからない、あの謎の黒シミすらなくなっている。


(もしや、俺不健康すぎて、病院にでも運ばれたか)


そーーだよ。よく言うじゃん。天井見つめるとか、そんな感じなんでしょ。

おっ。足音が聞こえる。誰か来るようだぞ。

まー、ナースとかかな?

一応、話を聞いてみるか。


「おぎゃあ、おぎゃあ」


ああ、赤ちゃんの声がする。

そりゃ、そうだよな、病院なんだもの。

赤ちゃんいるのは当然でしょ。


よーし聞くぞーー。


「おぎゃあ、おぎゃあ」


ん?

俺の声出てなくね。

っていうか、赤ちゃんの鳴き声、俺のじゃね。


なんて思っていると、天井がだんだんと近寄ってくる。


な、なんだ?

違う。天井が近づいてるんじゃなくて、俺が近づいてるんだ。


「国王、元気な男の子ですよ」

と優しそうな女性が俺を抱きかかえる。


そして俺の体を回転させる。

すると、立派なひげを蓄えた男性の顔が、目の前にぬっと出てくる。

「お前はの名前は、メリル。この国の次の王様だぞーー」



(えっ、俺転生したの?しかも、王家に?よっしゃーセカンドライフ、ヌルゲー確定じゃん)






それから、12年がたった。


お城の中庭は、緑が多く、小鳥がさえずる。

様々な花が植えられ、特に、バラに似たような花が、この時期では、可憐に咲き誇る。

俺は、この世界の犬に当たる生き物をペットとしてかっていて、今中庭で追いかけっこをしている。


いまのところ、争いなどは起きてないし、平和そのものだなぁ。

ほんとにヌルゲーだなぁ。何もしなくても、好きなものは手に入るし、好きなことができる。

幸せってこのことなんだろうなぁ。


「メリル様、国王様がお呼びです」

こう俺を呼ぶのは、侍女のサラだ。

 サラは、この国の王に代々使えてきたポーラ家の人間で、年は自分より、6つほど上で、ブロンズのそして、長い髪を蓄えた女性だ。

なんだってできるから、俺の教育係も兼任している。

ぶっちゃけ美人で、才色兼備って言葉が似合う女性で、俺のあこがれの女性でもある。



「わかりました。今から向かいます」


 父上がお呼びになるってことは何か大切なことがあるのか。

 ちょうど12歳になったってことだから、誕生祭でもやってくれるのかもしれないなんて楽観的なことを考えたりしながら、二階にある玉座の間へ向かう。


「お父上様、ただいま参りました」

 左ひざだけをつき、右手を胸の前に持ってきくるという、偉い人の前ではしなければならないポーズをとる。


「うむ。まぁ、そこまでかしこまらなくていいぞ。」

と、父上は、近くの椅子を指さし、座るように指示する。


王様の椅子とあってふかふかだぁ、なんて思いながら座る。


「わしはな、国王を辞めようかと思っているんじゃ」


「えぇっ。それはどうしてでしょうか」


「いや、わしもお前ぐらいの年の時に国王になったし、おぬしは、その年にしては聡い子じゃ。わしも、年だからいいタイミングじゃと思っての」


 まあ、そりゃ中身が年言ってるからね。

でも、こんなに早く、国王になれるなんて。と心の中でガッツポーズをする。


「国王になるにあたって、試練があるんじゃ」


「試練?」


「そうじゃ、ここから南へ行ったところにある山奥にいる、ドラゴンを倒すんじゃ」


「ドラゴン・・・。ですか?」


 ドラゴンっていうとあの火を吹いたりする例のやつだろうか。そんなん、怖くていやなんだけど。


「こいつを倒さねば、王位をやることはできん決まりでのう」


「あの、もし、失敗するようなことがあったら?」


「大丈夫じゃって、わしもできたんだから心配するじゃないぞ。仮に失敗したっておぬしには弟がいるから、心配ないぞ」

 と冗談めかしていう。


 冗談に聞こえなくもないんだが。

 いや、ヌルゲーじゃないぞ。しかもドラゴンって何?初めて聞いたんだけど。

 今んとこ、平和に生きてきて、モンスターとか、魔物とかそういった話が出てこなかったのに、いきなりドラゴンがいるって設定だしてくるなんて卑怯じゃない?


 なんて思ったが、機会を逃してはならないと思い

にっこりとわらい、

「やらせていただきます。お父上様」

と返事をせざるを得なかった。


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