表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚されてきた五人の他人  作者: あま かける
3/7

渡辺さんの推察

「あれ?渡辺さん、食がすすみませんか?」

 春原が渡辺の様子を見てそう言った。

「なんの肉かはわかりませんけど、牛っぽいですよ」

「いや、そうじゃなくてだな。」

 渡辺はグラスの水を一口飲んで山本の方を向いた。

「山本さん」

「はい」

「あなた、この世界は二度目というお話でしたよね」

「はい、ご質問があれば、なんなりと。ただし、前回はこの国ではなく、内海を挟んだ対岸のサギャー国でしたから、このワウ国についてはそんなには」

「いや、そこじゃなくて。一度現世というか、日本に戻ったときの話なんですけど」

「はい」

「そのときも死にかけたんですか?」

「それはよくわからないのです。」

「とは?」

「寝て起きたら戻っていたもので」

「戻ってどうでした?」

「どう、とは?」

「失礼、順番を間違えたようです。最初の転送のときはどうでした?」

「気絶してました」

 春原がステーキを平らげ、二人を見ながら言う。

「栄養が足りてなかったんじゃないですか?」

 一瞬、手を止めた工藤が春原にむけて皿を押し出す。

「足りないのは君じゃないかな?食べ盛りの高校生なら足りないだろう?これ、食うか?」

「マジっすか?ごっつあんです」

「ぼくのもあげるよ。入るなら、だけど」

「喜んで」

「で、今の話は転送の条件についてってことかな?」

 山崎が渡辺の様子を見ながら尋ねる。

「そうなんですけど、よくわかりませんね。」

「まあ、魔力ってことなんだろうけどね」

「あとは意識を失っていることぐらいかな」

「それ、大事ですよね」

 黙って聞いていた工藤がゆっくりと食べ終わってナプキンで口を拭く。

「転移は意識がない状態で起こる。それには魔力が必要。僕らはここの人間より強い魔力を使える資質があるらしいけど、意識がない状態では使えませんよね。」

 つまり、その他の条件を全員がクリアしてもだれか一人はこの世界に残らなくてはならないということらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ