成長
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タタタタタ。
垂れ耳をピン! と立てた。
何かがこちらに向かって来ている。
暇をもて余してクッションをふりまわしていたジニアは、ポテポテと裏口に向かったのだ。
バタン(扉を開けた音)
オリホック「ハッハッハッ。ただいまジニア」
目の前には、若くて甘い顔の青年が立っている。
ジニアの中に、あれあれあれ? とした気持ちが湧いて……。
持っていたクッションをポトンと落とした。
苦笑しながらも自分を見ている優しい瞳。
ジニア「オーオー!」
ピョンと飛びついたのだった。
オリホック「嘘だろう?」
ジニアは、ふわっふわの垂れ耳を擦り付けてきた。
オリホック「覚えてくれたのか? ジニア!」
ジニア「オー、オー」
オリホック「ジニ」
ギュッとすれば、温かい体温がキュッとしがみつく。
ここが、自分の帰る場所なんだなと強烈に魂に刻み込まれた。
オリホック「ジニア……」
ジニア「キャア」
それから嬉しくて、高い高いしながらいつまでもくるくると二人で踊ったのだ。
試験を無事合格したオリホックは浮かれ過ぎていて、ジニアが目を回してしまうまで続けた事で嫌われてしまい、しばらく近寄らせてもらえない目に合うのだが、それも家族ならではの事である。
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