魂心機ソールドロボ
俺と八生は遅刻せずにいつも通り学校にいった。
先生達は昨日現れた謎のロボット、銀色のマネキンの様な奴と紅いロボットについて今後の方針を会議する為に一時間目は自習になった。
先生が居なくなると田中、山田、上田の三人が話しかけてきた。
「なぁ、昨日の巨大ロボ見たか?」
田中は聞いてくる。
(見たどころか襲われたんだがな)
「まぁ、ちょっと...」
「まじか〜。俺も見たかったな〜」
上田が残念がる。
その時。
パキンッ!!
何かがひび割れる様な音が響いた。
学校の外からだ。
窓から外を覗くと。
あの時の亀裂があった。
「なんだアレ?」
「さぁ?」
俺以外の三人が疑問の声をあげるがそれを知っている俺は動揺した。
(あの時の空の亀裂...!!)
教室の扉が思いっきり開かれる音がした。
八生だ。
八生は僕達の所に来ると俺に向かって言った。
「宰!アレ!昨日のアレ!」
「わかってる」
事情を知らない山田達三人は?の文字を浮かべていた。
そうしてるうちに亀裂から何かが出てきた。
今度は銀色のマネキンでは無くて二足歩行の亀の様な奴だった。
「なんだアレ!?」
「でっか!!」
「なんだなんだ!?」
山田達が突如現れた亀型の巨大な物体に動揺する。
教室に先生達が来る。
「今すぐ避難だ!落ち着いて冷静に!」
みんなは先生の指示に従って避難していく。
俺は一人、屋上に向かった。
「アレ?宰は?」
宰がいない事にまず先に気付いたのは八生だった。
八生の言葉で山田達も気付く。
「そういえばいない?」
「まさか迷子に?」
山田、上田、八生が心配する中、田中が言った。
「宰のことだ、迷子になっても大丈夫だろう。急ぐぞ」
田中の言葉に納得し自分達も急いで避難する。
それでも八生は心配だった。
(宰...)
俺は屋上に立っていた。
深呼吸をして心を落ち着かせて、改めてでかい亀を見る。
マネキン同様に光る目、硬そうな装甲、長い二本の鉤爪。
俺は決心すると形見のペンダントを天に掲げて叫ぶ。
「ソーーーールドロボーーーーー!!!!」
形見のネックレスか光りだす。
白い煙が辺りを包む。
「今度は何だ!?」
白い煙が突如、学校の屋上に発生した。
みんなが困惑している中、八生が呟く。
「あの時と一緒だ...」
突然現れた白い煙を警戒しながら亀型は煙に近づく。
すると白い煙の中から紅い手が出てきて亀型の頭を鷲掴みにする。
亀型は手を剥がそうと掴むが腕はビクともしない。
白い煙から紅い手の本体、紅いロボットが姿を現した。
紅いロボットは体の所々から出ている排気管から白い煙を噴出しながら亀型の頭を地面に叩きつける。
地面に押し付けながら亀型の頭を握り続ける。
亀型の頭にヒビが入る。
紅いロボットは亀型を片手で地面から持ち上げると思いっきりぶん投げた。
マンションにぶつかり倒れ伏す。
亀型が立ち上がろうとする。
紅いロボットは歩いて近づき、立ち上がろうとする亀型の頭を踏み潰す。
亀型の頭が地面に叩きつけられる。
紅いロボットの手がドリルに変形する。
亀型の頭を足で押さえながら、ドリルを胴体にぶつける。
亀型の装甲が硬いらしくドリルに耐える。
だが、長くは持たなかった。
ドリルの音が金属を削るものに変わる。
紅いロボットの腕が沈んでいく。
やがて金属を削る音が地面を掘る音に変わる。
紅いロボットが腕を上げるとそこには穴が開いていた。
穴から電気が漏れる。
紅いロボットは動かなくなかった亀型の頭から足を上げる。
そこから再び足を下ろす。
亀型の頭が耐えられずに壊れる。
すると亀型が爆発した。
巨大な炎が燃え上がる中、巨大な人型の影が一つ。
紅いロボットは炎の中で平然と立っていた。
紅いロボットの排気管から白い煙が勢いよく出る。
炎が紅いロボットと共に白い煙に飲まれていく。
白い煙が消える頃には紅いロボットも炎も消えていた。
「すげー...」
山田が呟く。
田中と上田は何もいえずにただただ、さっきまでロボットがいた所を見つめる。
八生は考え事をしていた。
「おーい!!」
遠くから声が聞こえる。
「おーい!!」
俺は八生達を見つけると叫んだ。
その声が聞こえたのか、田中達三人が俺に駆け寄ってくる。
「四人とも無事か?」
「大丈夫だ。お前はどこ行ってたんだよ」
「ちょっとな...。それより八生も無事だったか」
「...うん」
八生は頼りない返事だが、とりあえず無事なようだ。
学校は半壊したが死亡者は居なかった。
あの後、先生達の判断により、自宅待機となった。
俺は八生の所に飯を食いに行った。
俺と八生は二階建てのアパート暮らしで八生とは二階のすぐ隣の部屋だ。
「ご馳走さま」
八生の飯を食い終わり部屋に戻ろうとすると八生が引き留めてきた。
「待って、宰」
「何だ?八生」
八生は俯いたが決心したのか、顔を上げて言った。
「宰はあの紅いロボットと何か関係が...あったりする?」
俺はすぐには答えなかった。
「べ、別に他の事でも...知っている事だけでいいの」
「どうして、あの紅いロボットと俺に関係があると思ったんだ?」
「なんとなく...」
俺は八生の言葉を聞き、溜め息を吐いて言った。
「八生には敵わないな」
俺は八生に真実を告げる。
「実は...あの紅いロボットは俺が動かしているんだ」
「えっ」
八生は驚き声を上げた。
「えぇ〜〜〜〜〜!!!」




