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新星ビギニング1

「はあ!?ドッキリ!!??」


「そうよヒナ。びっくりした?」


「いや言ってる意味が分からないんだけど。」


「ふふ、ごめんなさいね。改めて、はじめましてヒナちゃん。私、鏡心橋アヤです。よろしく」






  ◆






 あの後…


 惜しみない拍手でステージから引いた俺たちは、ステージ裏で互いを称え合い、また打ち上げに行こうという話になった。今度はアヤさんも含めて。



 ということで、やってきたのは昨日と同じあの酒場。



 安定のバールを注文し、悦に浸る俺。全員の飲み物が届き、イルミナスの音頭で乾杯をする。


「「かんぱーい!!」」




 シュワシュワと音を立てるバールに口をつけようとした時だった。


「アヤって演技派なのね!あの迫真の演技…正直驚いた。」


「リサこそ目つき悪すぎよ。あの睨み、怖かったわ。」


「えー、ひどい!」


 さっきまでいがみ合っていたはずの二人が笑いあっている。





 戸惑う俺をよそに、イルミナスも会話に参加してくる。


「いやーそれにしてもいい演出だったよな、乱入イベントなんてよ!」


「ほんと、コロナはすごいこと思いつくんだから」


「ははは、まあな。サプライズってのはいつの時代も話題を呼ぶってことさ。



 …それよりもう一人、サプライズに驚いてる子がいるようだよ。」




 みんなが俺を見る。乱入?演出?サプライズ?




「ということでドッキリでしたー!びっくりした?」


 クスクスと笑うリサが、何を言っているのかまだ理解できていない俺がいる。








 そう、全て仕組まれていたことらしい…俺には内緒で。アヤさんが申し訳なさそうな顔で頭を下げている。




「だってヒナ、顔に出るんだもん。あの自然な驚いた顔が何より緊迫感を出すのよ」


「ほ、ほんとに心配したんだよ…」



 リサの鬼畜っぷりには毎度毎度ながら振り回される。




「ごめんなさい。

 昨日の広場で、あなたとリサの演奏を聞いてね…稲妻が走ったの全身に。今まで聞いたことのない音楽だった、それと同時に私の求めていた音楽はこれだ!って思ったの。」


「…本当にあの時あそこにいたのか。」




 あの広場での演奏。俺と同じあの日のリサのラウドロックに魅せられた一人のようだ。




「それで、すぐに幼馴染のレイに連絡を取ってリサに会わせてもらったわ。これが今日のステージ裏ね」


「ええ…いつの間に。」



「それでこの乱入イベントのこと提案されて…ってわけね。ごめんなさい驚かせて」


「いいよ。俺も楽しかったから」



 確かに話題性はすごいだろうな、何事かとあれだけの人が集まってきたわけだし。イルミナスは戦略家だなぁ。






「それでここからが本題なんだけど。リサ、私をパラダイスに入れてくれないかしら」


「えっ!アヤ本気?」


「だめかしら?」


「ぜ、全然ダメじゃないよ!ねえヒナ」



「うん!是非是非。アヤさんの歌声すごく綺麗だったし大歓迎だよ」


「ありがとう、二人ともよろしくね」




 新メンバーとして参加することになったのは、六弦ミューティアとクリーンボーカルが素敵な女の子。おっとりとしながらも落ち着いたその雰囲気は、きっとこのバンドのまとめ役になってくれることだろう。



「よかったな、アヤ。ずっと探してた…求めてた音楽ってやつ、見つかったみたいで」


「ありがとうレイ。あなたとも、これからはライバルね!」






「…ところで、さっきからこっち見てるあの子は?」



 コロナ君が目をやる方向を見ると、酒場の入り口の扉の向こう側、アヤさんにひっついていた男の子が心配そうな顔でこっちを見ている。



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