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虹色パラダイス1

 



 水の流れる音で目を覚ます。

 ああ…そうか、ここはもう今までの世界じゃないのか。隣のリサがいないことに気づくと、自然とこの音がシャワーの音だと理解した。



 うーんと伸びをしながら、昨日のことを思い出す。…楽しかったなぁ。




 ベッドでぼーっとしていると声がする。


「おはようヒナ。一緒に寝たんだから襲ってくれてもよかったのよ?」


「お、襲わねーよ。」


 濡れた髪をタオルで拭きながら、部屋着に着替えたリサがバスルームから出てきた。





「さーてと、ヒナもシャワー浴びてくれば?

 今日は一緒におでかけだからね!ここに住むわけだし、いろいろ買いたいものあるでしょ?あっそうだ。ヒナに似合う服考えとこ。」


「えっ、ここに住ませてもらっちゃっていいの?」


「他に当てがあるなら、そっち行ってもいいんだよ?」


「いえ、ありません。お世話になります。」


「よろしい。」



 これって…ど、同棲やんけ…。そんな興奮を覚ますように、お言葉に甘えてシャワーを浴びる。長くなった髪に戸惑いながらもスッキリして部屋に戻ると、美味しそうな匂いが漂っていた。


 リサの用意してくれた朝ごはんを一緒に食べて、用意してくれた服に着替える。勧められるままスカートを履かされたが、太ももがスースーして気になる。



 だらだらと話しながら準備をして、念のためとミューティアを背負い家を出る。目的地を知らされないままだが、昼間に歩く街並みは童話の世界のようだった。




  ◆


「おっ、きたきた!おーいこっちこっち!」


「昨日ぶりだね、二人とも」



 手を振って俺たちを呼ぶ人がいる。見覚えのあるその姿に驚いてリサを見ると、なにか企んでるようなその顔。







「レイ君にシャイン!イルミナスの二人がなんでここに?」



 目を丸くする俺に、


「今日の財布だよ」


 リサが不敵に笑って、聞こえないように囁く。なるほど。



「なあ。なんで俺だけ呼び捨てなんだ?なあなあ。」


「田舎から出てきたヒナの為にエンドシティ案内してくれって頼まれたんだ。昨日のお詫びに、ってことで引き受けたってわけ。」


「…今夜はライブハウスでのライブあるから、それまでだぞ」



 いつの間に…。二人とも忙しいのにありがとう。




「二人ともありがとう!楽しみだなぁ。」


「俺たちも女の子とデートだ!って朝から楽しみにしてたんだよー。ね、シャイン」


「うっせー。恥ずかしいこといちいち言うなっての。

 さて、とりあえずバンドマンが集まったら行くとこあそこしかねえだろ」





 目的地に向かうその道中で、二人にもあの話を始めるリサ。



「私たち組むことにしたから!バンド!」



「そうなんだ!おめでとう二人とも。じゃあライバルってことになるね。」


「へえ…!次は手加減しねえぜ?」



 イルミナスとまたあんなライブが…アンプリファイドシャウティングができる。それだけで心が踊り出すのを感じる。



「って言ってもまだ二人だけだろ?」



 …確かに。せめてもう一人、ドラムが演奏できる子が欲しいところだよなあ。



「そうね。打奏式のミューティア出来る子メンバーにしたいと思ってるんだけど」




 リサも同じことを考えていたみたいだ。チラッと俺の方を見るリサ、同意を求めている…?


「あっ、うん。私もそう思う。打奏ミューティア、必要だよね。」


「よかった。私が勝手に考えてるだけかと思ったから、二人のバンドのことなのに。」


「俺もずっと考えてたことだから、大丈夫だよ。」






 気にしすぎなリサを慰めると、目的地に着いたようで先頭を歩いていたシャインが立ち止まり振り返る。



「さ、ヒナ。ここがエンドシティ最大の商店街『エテルーペ通り』だ。」


「ここならなんでも揃うと思うよ。どこから行こうか」


 大通りの両脇に様々な商店と出店が並ぶ。それはまるで夏祭りのようだった。


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