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幼い人格障害の僕と物好きな君  作者: ぱんだひぃろぉ&まつも
3/5

3、怒り

今日は一気にいっぱい投稿しますよー

 「起立!礼!」


 いつもの気怠けな挨拶をそつなくこなし、再び着席する。

 先生が伝達事項を話し始めたところで、僕は、再び空に目を向けた。

 その幾らか燻んだ灰色、いや、鈍色と称すべきか、といったような曇天の空は、先ほどとは打って変わってその表情を台無しにしている。

 曇りは、良くない。

 晴れているなら、影にいればいい。

 雨が降ったら埋もれればいい。

 曇りは、逃げ場がないのだ。


 「~~~~以上で、伝達は終わりです」

 「気を付け!礼!」

 

 さてさて、ようやく終わったか。

 もともと先生の話すことに興味が無いので伝達は一切聞いていない。

 それでも僕は何とかなることを知っている。

 話を聞いてない

 →聞いてるやつは一人はいる

 →だいたいクラス委員

 →誰とでも話せる

 →用事を聞ける。

 はい、Q.E.D(証明終わり)

 

 —―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 「おーい、―――――!!」


 さて、授業の準備でもするか。

 自分のロッカーへと足を向け、できるだけ存在を消し歩き出す。

 新学期早々、本気の僕の存在を検知できるものはいないだろう。

 無音。

 例え世界から人間が消えても地球は変わらないように、

 僕が存在することは誰にも認識できない、はずだった。


 「おい、聞いてんのかよ—――――!」


 検知できるとすれば、それは誰にでも声をかけるという優しいクラス委員か、もしくは……


 「おい、こっちは呼びかけてんだぜ」

 「……なに?」


 ……圧倒的に空気を読めないやつぐらいだ。

 近寄んなっていう僕の意思表示が理解できないのだろうか。

 それにしても数分前、迷惑をかけたばかりだというのに、よくものこのこと声を掛けれたものだ。

 しかも、振り返った所為で開いていた76ページがまたぱたんと音を立てて閉じてしまった。

 また開かないといけないじゃないか。

 全く、今日は碌な目に合わない。


 「で、なんだよ。僕は腹が立ってるんだ。2秒で済ませろ」

 「はぁ?」

 

 実際、僕は腹が立っていた。

 得体の知れないやつに非道な悪戯をされた上、自らのパーソナルスペースをも侵害されたのだ。

 居場所に立ち入られることを好まない動物がマーキングをするように。

 僕は僕なりの壁を作って平穏を保ってきた。

 それを易々と破られるのは、正直気に食わないし、空気読めないんだろうなこいつ……と哀れにも思う。

 新学期のクラスカーストで真っ先に喰われるのは、他人のパーソナル領域を理解できなかったやつだ。

 そして何より僕は、何やら得体の知れない怒りに襲われていた。


 「まあとにかく、これがお前のカギだ。悪戯してごめんな」


 アハハ、と軽薄な笑いを浮かべ槁本は去っていく。

 貰ったカギを見つめて、こんなことを思った。

 僕と同じだ。

【人は大切な人以外には不用意に怒ったりしない。】

 少し謝れば許されないことはないと思っているのだろう。

 それはつまり、「僕とあなたは深く関わらなくていいよ」という意思表示だったりする。

 もちろん例外はあるが、僕の場合は、そうだ。

 普段そういう対応をされるのは気にならず、むしろ嬉しかったりするのだが。

 今回だけは違った。


 なぜか無性に暴力的な怒りが湧き上がってくるのだ。

 いつもの冷静な思考が狂った線を描いて意思の泥沼に嵌まっていく。


 そこで僕はこんなことを思いついたんだ。


 

 

 

 

  

 



  

 

 


 




 


奇数話なんで、私、パンダが書きました。

コメディ要素ないじゃねえか!って思ったかもしれませんが、よく見てください

ちょくちょく入れてあります(笑)

気に入っていただけたら、ブクマ、評価等よろしくお願いします。


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