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家庭菜園!

いつも読んで下さってありがとうございます!

今回も楽しんでいって下さい!

炎天下の中、汗だらけになりながら農作業に勤しむ。これがいつか運命神になるかもしれない者のやることなのか!

違う、違うんだよ。俺が想像してた異世界生活は!

魔法とか使って魔王を倒したりして、勇者とか言われてちやほやされたりしたいんだよ!

異世界に来てから一週間経つが、やったことといえば農作業と風呂そうじとトイレそうじぐらいだった。


「もう種まき終わった?終わったら水まきしといてね。」

「かえでー、本当にちゃんと育つのか? 俺、野菜なんて育てたこと無いぞ。」

「馬鹿ねー私も全然上手く育たなかったけど、もしも運命神に選ばれても運命神にならないって駄々こねたら豊作の神が来て農家並みの野菜を作ることが出来るのよ!」


こいつ、本当に運命神になる気あんのか?

かえでは縁側ですいかを食べながらドヤ顔で言ってるがまったく役に立たない。

とにかく水まきも終わったし、俺もすいかを食べようっと。

皿の上にはすいかの汁とすいかの種しかない。


「おいかえで、芳雲さんから『2人で食べるんだよ。』ってくれたすいかは?」

「あら、私はあなたの分とは聞いてないけど。それに私はあんたみたいに家庭菜園なんかする暇が無いぐらい探偵の仕事で忙しいの!」

「お前なぁ! そもそもこの一週間、お前がしたことと言えば、朝ごはんに俺のハムを取ったことと晩ご飯のから揚げを取ったことと、昼ごはんに自分の分の野菜炒めを俺の皿に盛ったぐらいしかしてねえじゃん!」


かえでが涙目になった。

こいつ、探偵の仕事をしているとか言っていたが、夏休みの子供にしか見えないぐらいダラダラしている。


「仕方ないじゃない! 全然仕事が来ないんだもん! そもそも探偵って言ってもほとんどは迷子のペット探ししか無いんだもん! 最近はペットが全然逃げないから仕事が無いの!」

「お前なぁ! ならバイトしろよ!」

「あ、その手があったのか。」



農作業が終わり夜になった。晩ご飯のときには相変わらずかえでが俺のエビフライを一つ取って行った。


「奏太! 私が前才能の無い子も一緒に住んでるって言ったでしょ! やっと帰って来たの。紹介するわ! 我が探偵事務所のマスコット的存在、おもちさんよ!」


かえでがだっこしていたのは尻尾が4つもある猫、そう猫又だった。

おもちとやらは羽が付いている首輪を付け、耳や尻尾にリボンと大きな鈴を付けた白猫……いや、白猫又だった。


「よう、お前がかえでの言っていたパッとしない新人か。」

「おい、今なんて言った? 俺がパッとしない奴だって?」

「さぁ、おもちさんそんなこと言ってないわよ。」


こいつらは本当にムカつくな。

おもちはブリブリなリボンを付けているが声がおっさんのようだった。


「そういえば芳雲さんは?」

「芳雲ならもう寝たわよ。あの人寝るの早いから。」

「早すぎるだろ! まだ8時だろ⁉︎ 」

「まぁなんでもいいじゃん。考えるだけ無駄よ。」


この世界の人はあまり悩んだり考えたりしない。なるようになれ、という人が多い。

かえではすいかの乗った皿を持って来た。まぁくれないだろうが。


「なあかえで、俺思ったんだが探偵事務所止めた方がいいと思うんだが。」

「ふぁい⁉︎」


かえでは食べかけていたすいかを床に落とした。分かりやすすぎるだろ。

かえでは床についてない部分のするかを食べながら俺を見た。


「だってこの一週間一人も客が来てないんだぞ。探偵の代わりに別の店でもやらないか?」

「……分かったわ。まあ別に探偵にそこまでこだわってないんだけどね!」

「よし、とにかくまずは看板とかを作り直す金が必要だな。とりあえず明日この家に住む奴でお金を出し合おう。」


そう、この家は和風でとても広くて良い家なのに玄関にデカデカとピンクの文字で『にゃんにゃん探偵事務所♡』と書かれた看板がある。家を出入りするときとても恥ずかしい。


「じゃあ何の店にするかは明日決めるとして、めんどくさいし今日はもう寝ましょ! おやすみー!」

「おやすみ新人。」


かえではめんどくさいことが嫌いらしい。あっさりおもちと逃げた。

俺は紙と鉛筆を持って来て、何の店にするかいくつか候補を出した。

便利屋と八百屋それぐらいしか思いつかず、俺もめんどくさくなって布団に入った。



「起きて奏太! 何のお店にするか決めたわよ! ねぇ起きてったらー!」

「んが、もう決めたのか⁉︎ で、何の店にするんだ?」

「ふふん、聞いて驚きなさい! その名も『にゃんにゃんおたたり事務所』よ!」


は? なんだよおたたりってたたりってもしかして祟りのことか⁉︎

こいつの言ってることが分んねぇ。


「なんだよそれ。てか、おたたりって何だよ。」

「あんた、そこらへんは説明されなかったのね……いいわ! 教えてあげる!この世界の事実を。

とにかく看板を作り直すお金をみんなで出し合うんだっけ?あと朝ごはん出来たから来て!」


かえではスキップしながら部屋を出て行った。芳雲さんがくれた服を着るが、はかまだったので着方が分からない。とにかくパジャマのままでいいや、早く朝ごはん食べよっと。


縁側を渡るとき庭に植えた野菜を見るが、まだ芽が出ない。まぁまだ一週間しか経ってないしな。

リビングにはよしぐもさんがベーコンを焼きながらテレビを見ていた。


「おはようございます、よしぐもさん。あとおもちさん。」

「ああ、おはよう奏太君。」

「あとって言ったよな。あとって。」


俺はおもちの文句を無視して机の上にある俺の分の朝ごはんを食べる。よしぐもさんは洋食しか作らない。

朝ごはんを食べ終わるとみんなが俺の所に集まってきた。


「奏太! みんなでお金を出し合うわよ。」

「分かったよ。」

「せーの!」


俺はポケットに入れといた全財産を出した。

俺は120円 かえでは280円 芳雲さんは1620円 おもちは580円


「ちょ、120円って! ぶふぉふふふふふふ! 120円はないわー!」

「うるせぇ280円なんて似たようなもんじゃねえか。」

「はいはい言い争いは止めろ。とりあえず看板は作れないけどダンボールにペンで書けばいいんじゃないか?」

「さすがは芳雲さん! かえでと違って冷静! 」



玄関にはダンボールで雑に書かれた看板が立てかけられた。

にゃんにゃん探偵事務所改め、異世界おたたり相談事務所開店!

やっとおたたり相談事務所が開店しましたよ!

長かった……次の話からは普通に働いたり、魔王のいる国に旅行に行くか相談する話です!

これからもよろしくお願いします‼︎

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