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断罪の一幕〜下処理編〜

ざまぁ回です。一部むなくそ悪くなる表現がありますが了承下さい。


※10年ほどつかっている Macbook.pro が不調で、文字を打つたび「カクツク」ついて怖い。買い替えないとまずいかな汗。

 ジークが盛大な追いかけっこをしている最中、城では急遽査問会が開かれていた。査問会には当然のことながら原因となった二人、ネヴィアとアレクが呼ばれていた。


「父上、これはどういうことでしょうか?」


「どうとは?」


「なぜ私たちが罪人のごとく呼ばれたのかということです!」


 ネヴィアの発言にゲオルギウスのこめかみはビートを刻んだ。


「ほう?貴様らは昨夜、なにをしでかしたか本当にわからぬ。と、そう申したか?」


 つい先ほどまでフリードとフィーネに見せていた情けない王の姿はそこにはない。覇気――いや、この場おいては怒気を滾らせる大国の王がいた。


「なにって、アレクとの婚約を発表しただけよ?」


「その通りです、陛下いや義父上。無能のジークよりも天才たる私の方が国にとっても利があります」


 悪びれた様子のないネヴィアと不遜にも義父上などと言い出すアレクに、周りで聞いていた貴族たちは『こいつら、マジないわ』と怒りを通して呆れ返っていた。


「ネヴィア、それだけではあるまい。ジークとの婚約を、王家とリンドブルムとの契約を独断で破棄したばかりか、あまつさえそこの小僧と本契約、純潔を散らしたなどと……恥を知れ!この愚か者が!!」


「ひっ!?」


「よいか!此度の貴様らの愚行によって我らはリンドブルムから手を切られた!わしもリンドブルム伯への対応を間違えたのも理由のひとつだろう。だが!その原因は貴様らだ!」


 普段娘に甘い父はもういない。おそらく人生で初めての激怒を一身に浴びたネヴィアは、たまらずその場にへたり込んだ。だが、それでもネヴィアは父に噛み付いた。それが自らの首をしめると気づかずに……。


「で、ですが!本契約の仕方を教えてくださらなかったのは父上たちではないですか!それに父上だっては母上とは好き合って契約したって!なら私だって竜とでしかかまってくれないジークよりも、女性として見てくれるアレクを選んでもいいじゃない!」


「黙れ、貴様はジークのことを何もわかっておらぬ。それにどのような理由があれど、先に裏切ったのは、婚約者がいながら売女のような働きをしたのは貴様だ。そこの顔だけの小僧とどうやって密会していたなどは問うまい。もはや意味がないからな。最悪でも正式な手続きを踏み婚約を解消しておればいいものを、あのような愚行に走り、ジークの名誉を土足で踏み時っておいて……もうよい!近衛、この痴れ者を部屋へ送れ!沙汰を下すまで一歩も外へ出すな!」


 貴族、いや人としての仁義を踏みにじっておきながら、それでも悪くないとわめくネヴィアにゲオルギウスはとうとうブチ切れた。


「いや、手を離しなさい!私を誰だと思っているの!ちょっと――」


 命を下された兵たちは聞く耳を持たず、引きずるようにネヴィアを退出させた。ちなみに、『淫魔だろう』と心の中でツっこんでいたが仕方ない。


「さて、あとは貴様だ小僧!」


「え、あの、その!?」


 さっきまでの威勢はどこへやら、アレクはうろたえた。


「良い、すでに書面にて報告は受け取っておる。確かに貴様は竜騎士としての才はあろうな……」


「?!はいそれはもちろんですとも!いずれリンドブルム伯をもしのぐ――」


 ゲオルギウスから認められたと思ったのかアレクは不死鳥のごとく調子を取り戻し、なにやら決意表明らしきことをいっている。だが、


「口を閉じろ、下郎」


「ひっ!?――」


 ゲオルギウスの一言で強制的に閉口し、再び青ざめることになった。


「これよれば、貴様、3人の竜候補の娘と契っておるな、それも半ば強制的に。確かにこれならば知らぬものからみれば、同時に3頭もの竜を顕現させられるように見えるだろうな。だがな、下郎。これは我が国最大の禁忌だ。絆と至上とする竜騎士に、我が国に唾を吐きかけたに等しい!」


 王の手には一枚の報告書があった。

 会場で引き合いにニーズへック侯爵は一緒にされてはたまらんと連絡を受け取ると、すぐさま持てる力の全てを駆使して、駆使して情報を集めた。

 幸運なことにアレクが大声でヒントを言っていたので、その辺りを重点的に探すとすぐに網に引っかかり、その内容がまとめれた報告書はフリードたちと入れ違いになる形で王へと届けられた。


「この事実を隠し、貴様を修練所へ送りこんだ貴族とそれに加担した者たちを潰すのは確定だ。ああ、安心せよ。貴様らが汚した者たちはこちらで手厚く保障しよう」


「いや、ちょ、待ってくだ――」


「禁忌を犯した者に与える罰は決まっておる。二度と女性の尊厳を踏みにじることができぬようにイチモツを切り落とそう。ああ、貴様の血もいらんな......去勢もしとくか。その上で歩兵として”氾濫”の最前線に立たせる。喜べ、我が国でも指折りの治癒術師もつけよう。四肢の欠損くらいなら治してやろう。何度でも最前線で戦う栄誉をくれてやる。嬉しかろう?」


 いい笑顔でゲオルギウスはアレクに対しての沙汰を下した。だたしそれは『簡単には殺さねぇから覚悟しろ?』という内容だった。本来は治療せず、そのまま捨て置くことで極刑とする。だが、死すら生ぬるいと言わんばかりの特別サービスにゲオルギウスの怒りのほどが垣間見える。


「い、いやだ〜〜〜〜〜!――ぐぎゃ?!」


 これからを想像して恐怖に怯え逃げ出したアレクであったが、罪人を逃さないように扉を守護していた衛兵の一撃であっけなく沈んだ。顔面にくれてやったのだろう。自慢のイケメン顔は歯が欠け、鼻の骨が粉砕しており、もはや見る影もない。

 『やべ、やりすぎた』と内心焦った兵士はたまらず王へと顔をむけたが、


「良い、このあと切り落とすのだ。顔も治さず止血だけにしておけ」


 よくやったと言わんばかり顔で告げられた。無意識ですか?親指立ってますよ、陛下。

 ちなみにこの衛兵には金一封届けられた。差出人は不明である。不思議ですね。


「さて、バカ娘はどうするか。王族から排斥の上、市井へ落とすか……いや、これも親の責任か。再度教育をし直すべきだな。だが、今更どうにかなるか?ならんだろうなぁ――はあ、育て方をどこで間違えたのか」


 愚か者たちへの断罪を済ませた王は疲れたようにポツリとこぼした。近くで聞いていた者たちは痛ましげな視線を送った。王の受難はまだ、始まったばかりだ。

 とりあえず、愚かな娘への処罰を何にするか考えることにしたゲオルギウスだった。

 ネヴィア、簡単な処罰になると思うなよ?


まだまだ断罪は終わらんよ!

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